GadeninEnglishアプリを入れる
りんごの受粉と摘果

りんごの受粉と摘果|人工授粉で確実に実をつけ一果に絞る

りんごの栽培イメージ

読むのに約 4

りんごは別品種の花粉が必要で、放任すると小さい実が房なりになります。人工授粉と二回の摘果で実の大きさを決めます。

花の咲き方と受粉のしくみ

りんごの花は一つの花芽から五個から六個の花が房になって咲きます。中心の一輪が最初に咲き、これを中心花と呼びます。中心花は最も大きな実になるので、受粉も摘果もこの中心花を軸に考えます。関東平野部の開花は四月中旬から下旬で、一本の木の花は一週間から十日で咲き終わります。

近くに別品種があって蜂が飛んでいれば自然に受粉しますが、家庭の二本では蜂が来る保証がなく、開花中に雨が続くと実がつきません。中心花が開いた日に人の手で花粉をつけるのが確実です。

状態見た目すること
つぼみが赤くふくらむ花弁の先がのぞく花粉を採る相手の木を確かめる
中心花が開いた房の真ん中の一輪だけ開くこの日に人工授粉する
房の全部が開いた五〜六輪が咲きそろう二日以内にもう一度授粉する
花弁が落ちた小さな実が見える受粉は終わり。摘果の準備

気温が十五度を下回る日や雨の日は花粉が働きません。晴れて暖かい日の午前中を選びます。

人工授粉のやり方

別品種の咲いたばかりの花から花粉を取り、受粉させたい木の中心花のめしべにつけます。道具は綿棒か柔らかい絵筆で十分です。一輪ごとに丁寧につける必要はなく、房の中心花だけを狙えば数も減って作業が早く済みます。

花粉を採る
受粉樹の開いたばかりの花を摘み、花弁を取っておしべの黄色い粉を綿棒に絡めます。おしべが茶色く乾いた古い花は花粉が出ません。
中心花のめしべにつける
受粉させる木の房の中心花に、綿棒の花粉をめしべの先に軽く触れさせます。めしべの先がしっとり光っている花が受け入れ可能な状態です。
二日おいてもう一度
全部の房が同じ日に咲くわけではないので、二日から三日おいて新しく開いた中心花にもつけます。二回行えば木全体をほぼ網羅できます。
雨の予報なら前倒し
翌日が雨なら、開きかけの花にも授粉しておきます。開花中に三日以上雨が続く年は、晴れ間ごとに繰り返します。

花粉は冷蔵庫で数日持ちます。受粉樹のほうが先に咲いたときは、花粉を採って薬包紙に包み、冷蔵しておきます。

一回目の摘果は花が落ちて二週間後

受粉がうまくいくと一房に五個から六個の実がつきます。そのまま育てると全部が小さいまま止まり、翌年の花芽もつかない隔年結果(豊作と不作を交互に繰り返す状態)になります。花弁が落ちて二週間ほど、実が小指の先ほどになったころに、一房一個へ減らします。

中心果を残す
房の中心にある最も大きな実を残し、周りの実をはさみで軸から切ります。中心果が傷んでいれば、次に大きく形のよいものを残します。
形と傷を見て選ぶ
横に平たい実、傷や虫の穴がある実、軸が短い実は除きます。軸が長くしっかりした実ほど大きくなります。
手で引かずはさみで切る
実を指で引くと、残す実の軸まで一緒に傷んで落ちてしまいます。園芸用の細いはさみで、残す実に触れないように取る実の軸だけを切ります。

二回目の摘果で葉の数に合わせる

一回目から二週間から三週間後、実が親指の先ほどになったら、木全体の実の数を葉の数に合わせて減らします。目安は葉果比(一つの実に対する葉の枚数)で、りんごは実一個に葉五十枚前後が必要です。実際には枝二十センチに一個、あるいは短果枝三つから四つに一個の間隔で残すと、ほぼこの比率になります。

時期実の大きさ残す数の目安
五月上旬(一回目)小指の先一房一個
五月下旬(二回目)親指の先枝二十センチに一個
六月中旬(仕上げ)ピンポン玉傷や病気の実を除く

若木は実をつけすぎると木が育ちません。植えて二年目は五個以内、三年目は十五個以内を目安に、木の大きさを優先します。

袋かけで虫と病気から守る

二回目の摘果を終えたら、六月上旬までに果実袋をかけます。袋はシンクイムシ類の産卵と、黒星病や輪紋病の感染を防ぎます。収穫の三週間ほど前に袋を外すと、日に当たって色づきます。袋をかけない無袋栽培は味が濃くなる反面、虫の被害を受けやすくなります。

六月上旬までにかける
実がピンポン玉ほどになったら袋をかけます。袋の口を実の軸に沿わせ、針金で枝にしっかり留めて雨と虫が入らないようにします。
収穫の三週間前に外す
ふじなら十月中旬に袋を外し、日に当てて色づかせます。外した直後の強い日で日焼けすることがあるので、曇りの日に外します。
外した後に実を回す
袋を外して一週間ほどしたら、実を軽くひねって日陰側を日に向けます。全体が均一に赤くなります。

実がつかない、落ちるときの原因

花は咲くのに実がつかない、六月に実が大量に落ちる、といった失敗はりんごでよく起こります。落ちる時期と落ちた実の様子を見て原因を切り分けます。花が終わってすぐ落ちるなら受粉不良、六月に一斉に落ちるなら実のつけすぎで木が自分で減らしている生理落果、実に穴があいて落ちるなら虫です。

受粉不良のときは、翌年に受粉樹との相性と開花の重なりを見直します。生理落果は摘果を早めに済ませておけばほとんど防げます。

落ちる時期実の様子原因と対策
花が終わってすぐ小さいまま黄色くなって落ちる受粉不良。翌年は人工授粉を二回行う
六月健全な実が一斉に落ちる実のつけすぎ。摘果を五月中に終える
七〜九月実に穴、中に虫のふんシンクイムシ。六月上旬までに袋かけ
収穫の直前熟した実が風で落ちる落果防止に早めの収穫か風よけ

りんごの受粉に使うもの

1 本では実らない木があります。自分の木がそれに当たるなら、道具の前に相手の品種が要ります。

  • 授粉用の毛ばたき探す言葉「人工授粉 毛ばたき 園芸」
    規格の目安
    柔らかい毛のはたき。梵天と呼ばれる授粉専用のものもあります。

    花から花へ軽く触れて回ります。強くこすると花が傷むので、撫でる程度で十分です。

  • 授粉用の花粉探す言葉「授粉用 花粉 果樹」
    規格の目安
    品種の合う花粉。石松子(増量材)と混ぜて使うものが多いです。

    受粉樹を植える場所がないときの代わりです。品種の組み合わせが合わないと実らないので、そこを先に確かめます。

  • 綿棒・小筆探す言葉「綿棒 授粉 園芸」
    規格の目安
    普通の綿棒か、細い筆。

    花の数が少ないときは、1 輪ずつ確実に付けられます。品種を変えるときは新しいものに替えます。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 1 本で実る品種なら、受粉の道具は要りません。まず自分の品種を確かめます。
  • 受粉樹を近くに植えられるなら、人工授粉そのものが要らなくなります。

りんごの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はりんごの育て方にまとめています。

iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。

この記事は広告を含みます。

次に読む

りんごについて、続けて読むならこちら。

Gadenin 栽培記録アプリ・無料アプリを入れる