葉と枝の姿で今の状態を読む
あんずは肥料が多いと枝ばかり伸びて実がつかず、少ないと実が小さく落ちます。葉の色と枝の伸び方を見て、今の木が足りているかを判断します。目安は、春に伸びた枝が30センチから50センチで止まり、葉が濃い緑で厚みのある状態です。
| 木の姿 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 枝が1メートル以上伸び花が少ない | 窒素が多すぎる | 秋と春の肥料を半分に減らす |
| 枝が20センチで止まり葉が小さい | 肥料不足か根の張り不足 | 6月と秋に肥料を足す |
| 古い葉から黄色くなって落ちる | 水切れか肥料切れ | 乾いていれば水、6月なら肥料 |
| 葉が黄色く葉脈だけ緑 | 土がアルカリ性で鉄が吸えない | 石灰をやめ、腐葉土を足す |
施肥は11月・3月・6月の年3回
あんずは元肥(芽が動く前に与える基本の肥料)を落葉期の11月から12月に与え、芽出しの3月と収穫後の6月下旬から7月に補います。あんずは実がつきすぎるより枝が伸びすぎる失敗が多いので、窒素を控えめにしてリン酸とカリを含む肥料を使います。
| 時期 | 肥料の種類と量 | 目的 |
|---|---|---|
| 11月〜12月 | 有機質の配合肥料を成木で500グラム、堆肥バケツ1杯 | 冬の間に効かせる基本の肥料 |
| 3月上旬 | 化成肥料を成木で100グラム | 芽出しと開花の力 |
| 6月下旬〜7月 | 化成肥料を成木で100グラム | 収穫後の回復と翌年の花芽 |
幹から1メートル離した、枝先の真下あたりに輪を描くようにまきます。幹のすぐ近くには細い根が少なく、効きません。鉢植えは各回とも量を10分の1にします。
梅雨の水はけが実割れを決める
あんずの収穫期は6月下旬から7月で、ちょうど梅雨と重なります。乾いた後に雨で急に水を吸うと実が割れ、そこから腐ります。防ぐには、乾き過ぎと急な吸水の差を小さくすることです。株元にわらやバークチップを敷き、雨の前後で土の水分が急に変わらないようにします。
- 5月にマルチングを敷く
- 梅雨入り前の5月に、幹から10センチ離して直径1.5メートルの円に、わらかバークチップを5センチの厚さで敷きます。乾きが緩やかになり、泥はねで病気が上がるのも防げます。
- 5月下旬の乾きは補う
- 実が太る5月下旬から6月上旬に1週間以上雨がないときは、株元に10リットル以上の水をゆっくり与えます。乾いたままにして梅雨に入ると割れが増えます。
- 雨の後に排水を確かめる
- 大雨の翌日に株元に水たまりが残るなら、溝を掘って水を逃がします。毎年溜まる場所なら、翌年の冬に周りより20センチ高く土を盛り直します。
鉢植えの水やり
鉢植えは根の量が限られるので、水切れが実の落下に直結します。表面の土が乾いて白っぽくなったら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、受け皿の水は捨てます。落葉している冬は乾かし気味にして、根腐れを防ぎます。
鉢は夏の直射日光で熱くなり、根が傷みます。7月から8月は鉢を二重にするか、鉢の側面に日が当たらない場所に置き、朝に1回たっぷり与えて夕方の葉の様子を見て2回目を判断します。
- 指で土の湿りを確かめる
- 土の表面に指を第一関節まで差し込み、湿り気を感じなければ与えます。時間を決めて毎日与える習慣は根腐れのもとです。
- 実が太る5月〜6月は朝夕見る
- 気温が上がり実が太る時期は、朝に与えても夕方には乾くことがあります。葉がしおれかけていれば夕方にも与えます。
- 冬は週に1回程度
- 落葉した12月から2月は根が休んでいるので、土が乾いて数日たってから暖かい日中に与えます。凍る夜の前には与えません。
地植えの水やり
地植えは根付いてしまえば基本的に雨まかせです。ただし、植えて1年目と、実が太る5月から6月の乾きだけは補います。梅雨明け後の夏の乾きは、木が丈夫なら耐えますが、翌年の花芽が作られる時期なので、2週間以上雨がなければ与えます。
| 時期 | 水やりの目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 植えて1年目 | 1週間雨がなければ10リットル | 根付くまで乾かさない |
| 5月〜6月 | 1週間雨がなければ10リットル以上 | 実の太りと実割れの予防 |
| 7月〜9月 | 2週間雨がなければ10リットル | 翌年の花芽が作られる時期 |
| 10月〜3月 | 不要 | 落葉期は水を控える |
実がつかない・落ちるときの原因を切り分ける
花は咲くのに実がつかない、実がついても5月に落ちるときは、受粉か木の年数か肥料のどれかが原因です。あんずは受粉できなかった実が開花後1か月ほどで落ちるので、5月中旬に残っている実で判断します。
| 状態 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 花は多いのに5月にほぼ落ちる | 受粉樹がない、または開花中に雨が続いた | 別品種を近くに植えるか、筆で人工受粉 |
| 植えて3年未満で花が咲かない | 木がまだ若い | 枝を伸ばすことに専念させ、施肥を続ける |
| 枝ばかり伸びて花が少ない | 窒素が多い、切りすぎ | 肥料を減らし、冬の剪定を間引きだけに |
| 実が小さいまま6月に落ちる | 水切れか実のつけすぎ | 5月に摘果し、乾いたら水を与える |
あんずの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
あんずの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はあんずの育て方にまとめています。
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