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あんずの病害虫と障害

あんずの病害虫と障害|黒星病・灰星病・こうやく病と実割れを見分ける

あんずの栽培イメージ

読むのに約 3

あんずは梅雨の病気と実割れが最大の敵です。症状から原因を見分け、収穫前は物理的な対策を主にします。

見た目から原因を探す

あんずの被害は実に出るものと枝や葉に出るものに分かれ、見た目でほぼ原因を特定できます。梅雨と収穫が重なるため、実の病気は薬より予防と早採りで対処します。表で症状から当たりをつけてから、それぞれの節を読みます。

症状原因対処の方向
実に黒い小さな斑点が散る黒星病冬の枝の整理と、実の袋かけ
実が茶色く腐り灰色の粉をふく灰星病腐った実をすぐ取り、翌年は袋かけ
幹や枝に灰色や茶色のかびの膜こうやく病削り取って癒合剤。カイガラムシも退治
枝から樹脂がしみ出て枯れる胴枯れ病か樹脂病枯れた部分を切り戻し癒合剤
新芽が縮れて小さな虫アブラムシ指でつぶすか水で流す
実の表面が割れる実割れ(乾きの後の急な吸水)マルチングと早採り

黒星病と灰星病

黒星病は実の表面に黒い小さな斑点が散り、皮が硬くなって割れやすくなります。灰星病は熟しかけた実が茶色く腐り、表面に灰色の粉をふきます。どちらも梅雨の雨で広がるので、雨に当てない袋かけと、腐った実を残さないことが対策の中心です。

5月の摘果後に袋をかける
摘果を終えた5月中旬に、市販の果実袋を1個ずつかけます。雨と虫を防ぎ、収穫まで実がきれいに育ちます。数が多ければ手の届く範囲だけでもかまいません。
腐った実は毎日取る
灰星病の実は胞子の出どころになります。木に付いたまま、あるいは落ちたまま放置せず、見つけたその日に袋に入れて処分します。
冬に病枝と落ち葉を片付ける
病原は枝や落ち葉で越冬します。剪定で黒く縮れた枝を落とし、落ち葉と落果を株元に残しません。

野菜や果樹用の殺菌剤を使うなら、開花前と落花後の2回にとどめ、収穫前の散布は避けます。

こうやく病とカイガラムシ

枝や幹に灰色や褐色の厚いかびの膜が張り付くのがこうやく病で、カイガラムシの排せつ物を栄養に広がります。膜が幹を一周すると先が枯れるので、見つけたら冬に削り取ります。あんずは風通しの悪い古木に出やすく、剪定で内側を空けることが予防になります。

冬に膜を削り取る
12月から2月に、ナイフやたわしで膜をこすり落とし、削った面に癒合剤を塗ります。膜の下に隠れたカイガラムシも一緒に落とします。
細い枝は切り落とす
膜が枝を一周している細い枝は、削るより付け根から切ったほうが確実です。切った枝は畑に残しません。
冬に油の薬を使う
カイガラムシが多い年は、落葉期に使える果樹用の油の薬を幹と枝全体に散布します。膜を削った後に散布すると効きが良くなります。

実割れの見分けと防ぎ方

実の表面がひび割れるのは病気ではなく、乾いた後に雨で急に水を吸ったことが原因です。特に欧州系の生食品種は皮が薄く割れやすく、梅雨の雨で収穫直前に割れることがあります。割れた実は腐りやすいので、その日のうちに採って使います。

場面対策目安
梅雨入り前に乾いた日が続く株元に水を与えて乾きの差を小さくする1週間雨がなければ10リットル
実が色づき始めた雨の前に色づいた実から先に採る全体が黄橙色になる少し前
毎年割れる5月のマルチングと袋かけ、雨に強い品種へ欧州系なら在来系を検討

鳥と虫の実の被害

色づいたあんずはヒヨドリやカラスに狙われ、一晩で食べ尽くされることもあります。カメムシも実を吸って変形させます。色づき始めたら毎日木を見て、鳥が来たと分かった時点で防鳥網をかけます。

鳥は一度味を覚えると毎日同じ木に来ます。最初の1個を食べられた時点で網をかけると、その年の被害はほぼ止まります。目玉風船や光る糸は数日で慣れるので、網のほうが確実です。

防鳥網は色づく前にかける
実が黄色みを帯び始めた6月中旬に、木全体か手の届く範囲に防鳥網をかけます。網は枝から10センチ以上浮かせて、外から突けないようにします。
カメムシは朝に落とす
実に集まるカメムシは、気温の低い朝に動きが鈍いので、バケツの水に落として処分します。袋かけをしていれば被害はほとんど出ません。

失敗しやすい対処と直し方

薬で一気に片付けようとして木を傷めるのが、あんずで多い失敗です。梅雨と収穫が重なるので、収穫前の散布は避け、冬と5月の物理的な対策を主にします。実の病気は今年の実をあきらめても、翌年の予防で立て直せます。

失敗起きること直し方
収穫直前に殺菌剤を散布実に薬が残り、使いにくい散布は落花後までにし、袋かけに切り替える
腐った実を木に残した翌年も灰星病が出る今からでも全部取り、冬に落ち葉も片付ける
こうやく病の膜を放置した枝が枯れ上がる冬に削り取り、枯れた枝は切り戻す
夏の暑い日中に薬を散布葉が焼けて落ちる散布は朝夕の涼しい時間に。落ちた葉は待つ

あんずの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はあんずの育て方にまとめています。

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