夏は葉、秋は球
くわいの一年は、前半に葉を茂らせて力をため、後半にその力で地下の球をふくらませる、という組み立てです。肥料の与え方も、この切り替えに合わせて変えます。
夏に肥料が足りないと葉が小さく、秋に球が育ちません。逆に秋まで窒素の多い肥料を与え続けると、葉ばかり茂って球が小さいまま終わります。切り替えの時期が大事です。
| 時期 | 株のようす | 肥料の考え方 |
|---|---|---|
| 5月〜6月 | 葉が立ち上がる | 元肥だけで足りる |
| 7月 | 葉数が増える | 一回目の追肥を与える |
| 8月 | 最も茂る | 二回目の追肥を与える |
| 9月 | 地下の枝が伸びる | 窒素を減らす |
| 10月以降 | 球がふくらむ | 肥料を与えない |
追肥の与え方
水を張った容器では、肥料をまくと水に溶けて藻の原因になります。水面にばらまくのではなく、泥の中に押し込むように与えると、無駄がなく効き目も長続きします。
量は一株あたり二十グラムから三十グラムほどです。少なめに与えて葉の色を見ながら足すほうが、与えすぎて水を汚すより結果がよくなります。
- 泥に押し込む
- 化成肥料を指でつまみ、株から十センチ離した泥の中に二センチほど押し込みます。水に浮かせないのがこつです。
- 葉の色で判断する
- 葉の緑が淡くなってきたら肥料切れです。濃い緑のまま茂っているなら、次の追肥(育ちの途中で足す肥料)は飛ばして構いません。
- 九月で切り上げる
- 九月以降の窒素は葉を茂らせるだけです。最後の追肥は八月中に済ませ、それ以降は水の管理に専念します。
肥料の粒を水面にまくと、藻が一気に増えます。濁りや藻が出たら、与え方を見直す合図だと考えます。
葉の手入れ
くわいの葉は矢じりのような形で、水面から高く立ち上がります。夏には一メートル近くになるので、風で倒れたり、隣の株と重なって内側が暗くなったりします。
枯れた葉や倒れた葉は早めに切ります。水の中に落ちたまま腐ると、泥の中の空気が減って根が傷みます。切った葉は水面から拾い上げ、容器の外に出して片づけます。
葉は根元から次々に更新されます。古い葉を残しておいても光合成の役には立たないので、黄色くなったものから順に切って、新しい葉に場所を譲るようにします。
- 枯れ葉を切る
- 黄色くなった葉を水面の少し上で切り、容器の外に出します。水中に落ちた切れ端も拾い上げます。
- 混みを間引く
- 葉が重なって内側が暗いときは、外側の古い葉から数枚切ります。株の中心に日が入るようにします。
- 倒れた葉を起こす
- 強い風で倒れた葉は、折れていなければ起こして支えます。折れた葉は付け根から切り取ります。
子株の扱い
夏になると、株元から子株が何本も出てきます。放っておくと養分が分散して、親株の球が小さくなります。株が混みすぎたと感じたら、子株を減らします。
とはいえ子株の先にも球はできるので、全部取る必要はありません。容器の広さに対して株が込みすぎていないかを基準に判断します。
| 容器の大きさ | 残す株数の目安 | 子株の扱い |
|---|---|---|
| 直径四十センチの水鉢 | 一株 | 子株は二本まで残す |
| 幅六十センチの箱 | 二株 | 子株は各一本まで |
| 幅八十センチのトロ舟 | 三株から四株 | 混んだ部分だけ間引く |
日当たりと置き場所
くわいは日光を好みます。一日五時間以上日が当たる場所に置くと、葉が大きく育ち、秋の球もよくふくらみます。日陰では葉が細く伸びるだけで終わります。
ただし夏は容器の水温が上がりすぎるので、株には日を当てつつ容器の側面は日陰にする、という置き方が理想です。よしずや板を一枚立てかけるだけで違います。
- 日当たりを確かめる
- 朝から昼までしっかり日が当たる場所を選びます。午後の西日は水温を上げるので、その時間は遮ります。
- 置き場所を固定する
- 水を張った容器は重くて動かせません。植える前に日当たりと水の運びやすさを見て置き場所を決め、そこで作業を始めます。
- 台に載せる
- コンクリートの上に直接置くと、照り返しで水温が上がります。すのこや台を挟むと熱が伝わりにくくなります。
- 反射も利用する
- 白い壁の前に置くと、反射した光で葉の下側にも光が回ります。狭いベランダでは効き目があります。
葉が黄色い、育たないときの切り分け
葉の色や伸びに異変が出たときは、水、肥料、日当たりの三つを順に確かめます。水生の作物なので、水の状態から見ていくと原因にたどりつきやすいです。
夏に一時的に下葉が黄色くなるのは自然なことです。新しく出る葉の色と大きさを見て、そちらが健全なら心配は要りません。古い葉だけを切り取って水面をきれいにします。
- 水の状態を見る
- 水がにごって嫌なにおいがするなら、泥が傷んでいます。水を入れ替え、枯れ葉を取り除きます。
- 新しい葉を見る
- 新しく出る葉が小さく色が薄いなら肥料切れです。株から十センチ離した泥に、少量の追肥を押し込んで与えます。
- 日当たりを見直す
- 葉が細長く伸びて倒れるなら日照不足です。容器は動かせないので、周りの日を遮るものを取り除きます。
くわいの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
くわいの収穫までのコツは作物ページに
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