掘りどきを見きわめる
収穫は十一月下旬から十二月です。地上部が枯れて茶色くなったころが合図で、それまで球はふくらみ続けます。葉が青いうちに掘ると、小さい球ばかりで終わります。
正月の料理に使うなら、十二月中旬までに掘り上げれば間に合います。凍る前に掘るのが原則で、泥ごと凍らせると球が傷んで日持ちしなくなります。
| 時期 | 株のようす | 掘るかどうか |
|---|---|---|
| 10月 | 葉がまだ青い | 待つ。球はまだふくらむ |
| 11月上旬 | 下葉が黄色くなる | もう少し待つ |
| 11月下旬〜12月 | 地上部が枯れる | 掘りどき |
| 1月以降 | 泥が凍ることがある | 早めに掘り上げる |
掘る前の準備
掘る二日前に水を抜きます。水を張ったままだと泥が舞って手探りになり、球の芽を折ってしまいます。泥が締まっていれば、指先で球の位置が分かります。
枯れた地上部は、株元から十センチほど残して切ります。根元を目印にすると、その周りに球が散らばっている範囲を見当づけられます。
- 水を抜く
- 容器を傾けるか、ひしゃくで水をくみ出します。泥が湿った状態まで抜き、乾かしきらないようにします。
- 地上部を切る
- 枯れた葉と茎を株元から十センチ残して切ります。残した茎が、掘るときの手がかりになります。
- 容器の縁から掘る
- 球は株元から三十センチ以上離れた場所にもあります。中心からではなく、容器の縁のほうから泥をよけていきます。
芽を折らずに掘り上げる
くわいの値打ちは、球の先から伸びる芽にあります。芽が折れると見た目が悪くなるだけでなく、種球としても使えなくなります。道具より手のほうが安全です。
一株から十個から十五個ほど採れます。地下を横に走る枝の先についているので、株のすぐ下だけを掘っても半分も見つかりません。
- 手で泥をさぐる
- 手を泥に差し入れ、指で押しながらさぐります。固いものに触れたら、その周りの泥を先によけてから取り出します。
- 枝をたどる
- 球を一つ見つけたら、つながっている枝をたどります。同じ方向にもう一つか二つついていることが多いです。
- 水で洗う
- 採った球はバケツの水で泥を落とします。芽を持って引かず、球のほうを持って洗います。
- 泥を全部さらう
- 掘り終えたら泥をふるいにかけます。小さい球が残っていることが多く、これは翌年の種球に使えます。
掘り残した球が翌年そこから芽を出します。同じ容器で続けて作らないなら、泥を広げて確かめておきます。
保存のしかた
くわいは乾燥にとても弱く、そのまま置くと数日で芽がしなびて縮みます。掘ったあとの保存は、乾かさないことが唯一にして最大の条件だと考えて扱います。
正月まで置くなら、泥を落とさずに湿らせた状態で保つのが確実です。水に浸けたままにする方法もありますが、水は二日に一度替えないと傷みます。
冷凍するなら、下ゆでしてから水気をふいて凍らせます。生のまま凍らせると、解けたときに水っぽくなって食感が落ちます。煮物に使う分は下ゆでの段階で味を含ませておくと便利です。
| 用途 | 保存のしかた | 日持ちの目安 |
|---|---|---|
| 数日で使う | 洗って湿らせた紙に包み冷蔵 | 一週間 |
| 正月まで置く | 泥つきのまま湿らせて冷暗所 | 一か月 |
| 翌年の種球にする | 泥つきで湿らせ凍らない場所に | 春まで |
| 長く保存する | ゆでて水気をふき冷凍 | 二か月 |
食べ方と下ごしらえ
皮に近い部分に、えぐみのもとになる成分があります。厚めに皮をむき、米のとぎ汁で下ゆですると、えぐみが抜けてほくほくとした食感になります。
芽を残して六角形にむくのが正月の料理の形です。芽が伸びる姿から縁起物とされるので、芽を折らずに掘るところから料理が始まっていると考えると楽しめます。
- 厚めに皮をむく
- 球の丸い部分の皮を厚めにむきます。芽は切らずに二センチほど残すと、煮上がりの見た目が引き立ちます。
- 下ゆでする
- 米のとぎ汁で十分ほどゆで、そのまま冷まします。えぐみが抜けて味がしみやすくなります。
- 薄く切って揚げる
- 小さい球は薄く切って揚げると、香ばしいチップになります。下ゆでなしでもえぐみが気になりません。
球が小さい、数が少ないときの原因
掘ってみたら小さい球ばかり、ということがあります。原因は夏の水温、肥料の切り替え、株の混みすぎのどれかが多く、翌年に直せるものばかりです。
小さい球も翌年の種球として使えます。捨てずに湿らせて保存し、春に植えれば、条件を直したぶんだけ大きな球が採れます。一年目より二年目のほうがうまくいく作物です。
- 夏の水温を疑う
- 浅い容器で夏を越したなら、水温が高すぎた可能性があります。翌年は深い容器にするか水を多くします。
- 肥料の時期を見直す
- 秋まで窒素を与えると葉ばかり茂ります。追肥(育ちの途中で足す肥料)を八月で切り上げると球のふくらみがよくなります。
- 株数を減らす
- 容器に対して株が多すぎると球が小さくなります。翌年は株間を三十センチ以上あけて植えます。
くわいの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
くわいの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はくわいの育て方にまとめています。
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