一年の中で世話が要る時期
アサツキの世話は秋と春に集まっています。夏は眠っている時期なので、水も肥料もほとんど要りません。これを知らずに与え続けると球が腐ります。
つまり手をかけるのは秋と春だけで、夏はむしろ放っておくのが正しい作物です。他の野菜と同じ感覚で毎日水をやると、それが失敗の原因になります。
- 休眠を覚えておく
- 六月から八月は眠る時期です。カレンダーに書いておくと、枯れた姿を見ても慌てずに済みます。
- 秋の芽出しを待つ
- 九月に気温が下がると自然に芽が出ます。出ないときだけ球の状態を確かめれば十分です。
| 時期 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 9月〜11月 | 芽が出て葉が伸びる | 草取り、11月に追肥 |
| 12月〜2月 | 寒さで葉が傷む | 見回るだけ。掘らない |
| 3月〜5月 | 葉が伸びて収穫期 | 収穫、3月に追肥 |
| 6月〜8月 | 地上部が枯れて休眠 | 水も肥料も与えない |
六月に葉が黄色くなって倒れるのは休眠に入る合図で、枯れたのではありません。ここで掘り上げる必要もありません。
夏は水を与えない
地上部が枯れたあとに水を与え続けると、土が湿ったままになり球が腐ります。露地では雨に任せ、こちらからは与えないのが基本です。
鉢やプランターの場合は、完全に干上がると球が干からびます。月に一度、土全体が湿る程度に与えるだけで足り、それ以上は要りません。
- 葉が枯れたら水を止める
- 六月に葉が倒れて黄色くなったら、そこで水やりを終わりにします。露地なら雨だけで足ります。
- 鉢は日陰へ移す
- 容器は日なたに置くと土の温度が上がりすぎます。夏の間は風の通る日陰へ寄せておきます。
- 月に一度だけ与える
- 鉢の土が完全に乾いていたら、月に一度ほど軽く与えます。受け皿に水をためないようにします。
- 枯れ葉を取り除く
- 倒れた葉を土の上に残すと湿りがこもります。手で引いて取れる分を取り、株元を乾かします。
秋と春に肥料を足す
肥料はそれほど多く要りません。秋に芽が伸び始めたころと、春に収穫を始める前の二回だけ足しておけば、十分に太い葉が出そろいます。
収穫を繰り返す株には、刈るたびに薄い液体肥料を与えると回復が早くなります。ただし濃いと葉が柔らかくなり、香りが弱まります。
| 時期 | 与えるもの | 量の目安 |
|---|---|---|
| 11月 | 野菜用の化成肥料 | 一株にひとつまみ |
| 3月上旬 | 同じ化成肥料 | 一株にひとつまみ |
| 刈り取りのあと | 薄めた液体肥料 | 回復を早めたいときだけ |
| 6月以降 | 与えない | 休眠に入るため |
春の水やりと乾燥
春は葉が伸びる時期なので、土が乾いたら与えます。とはいえ日本の春は雨が多いので、露地であれば水やりがまったく要らない年もあります。
乾きが続くと葉が細く固くなり、香りは強いものの食べにくくなります。二週間雨がないようなら、一度たっぷり与えて土の芯まで湿らせます。
容器で育てている場合は事情が変わります。土の量が少なく乾きが早いので、春は二日から三日に一度、表面の乾き具合を見て与えることになります。
- 土を触って決める
- 表面が乾いて、指を二センチ入れても乾いていたら与えどきです。湿っていれば待ちます。
- 株元に注ぐ
- 葉にかけるのではなく、土へ静かに注ぎます。葉の付け根に水がたまると腐りの元になります。
- 朝のうちに与える
- 夕方に与えると株元が湿ったまま夜を越します。朝に与えて日中に表面を乾かすほうが安全です。
花が咲いたときの扱い
春の終わりに、細い茎の先へ薄紫の丸い花が付くことがあります。かわいらしいものですが、咲かせて種を作らせると、その分だけ球に回る力が減ります。
収穫を優先するなら、つぼみのうちに根元から折り取ります。花茎はやや固いので、食べるより取り除いてしまうほうが扱いやすくなります。
花を咲かせた株は、その年の球の太りが落ちます。毎年同じ株から穫りたいなら、つぼみを見つけしだい取るのを習慣にしておくと安定します。
- つぼみのうちに折る
- 丸いつぼみが見えたら、茎を根元から横へ倒すように折ります。はさみでも構いません。
- 見た目を楽しむなら残す
- 何株か残して咲かせると、庭の彩りになります。その株は球が細くなるので、収穫用と分けて考えます。
- 咲き終わったら切る
- 花が終わったら種を作らせず、早めに茎を切ります。種に力を取られると、翌年の芽が細くなります。
葉が細くなってきたときは
何年か同じ場所で育てていると、葉が細く数ばかり多い株になります。これは球が増えすぎて、地中で押し合っているのが原因です。
肥料が足りないと思って与えても、この症状は直りません。秋に掘り上げて球を分け、間隔を取って植え直すのがいちばん確実な立て直し方です。
| 状態 | 考えられる原因 | 手の打ち方 |
|---|---|---|
| 葉が細く、数が多い | 球が増えすぎている | 掘り上げて株分けする |
| 葉の色が薄い | 肥料切れ | 春に化成肥料をひとつまみ |
| 葉先が枯れる | 乾きすぎ | たっぷり与えて土を湿らせる |
| 株がぐらつく | 霜で持ち上がった | 指で押し戻して土をかぶせる |
三年に一度は掘り上げて分けると、いつも太い葉が穫れます。植えっぱなしでも枯れはしませんが、細くなります。
アサツキの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
アサツキの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアサツキの育て方にまとめています。
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