秋から冬までの作業
秋は植え付けと根張りの時期です。九月に植えれば十月には芽が出て、冬までに株の形ができあがります。この時期の収穫は我慢して、球を太らせます。
植え付けからひと月ほどは、芽が出るかどうかを見ておきます。出そろわないときは球の向きや深さに原因があるので、この時期のうちなら植え直せます。
- 植えた日を記録する
- 札に植えた日と球の数を書いて立てておきます。芽の出方が遅いときに、待つか掘るかの判断の目安になります。
- 霜柱を見て回る
- 冬は月に一度、株がぐらついていないか触って確かめます。浮いていたら押し戻して土をかぶせます。
| 月 | 作業 | 見るところ |
|---|---|---|
| 8月下旬〜9月 | 球根の植え付け | 深さ3〜5センチ、株間10センチ |
| 10月 | 草取り、出芽の確認 | 芽が出そろっているか |
| 11月 | 一回目の追肥 | 葉が細くなっていないか |
| 12月〜2月 | 見回りのみ | 霜柱で株が浮いていないか |
春から夏までの作業
三月に入ると新しい葉が勢いよく伸び、そこから五月まで収穫が続きます。六月に葉が黄色くなって倒れ始めたら、それは休眠に入る合図です。
収穫は日付ではなく葉の長さで決めます。二十センチほど伸びたころが柔らかく、それを過ぎると固くなるので、伸びを見ながら刈っていきます。
| 月 | 作業 | 見るところ |
|---|---|---|
| 3月 | 二回目の追肥、収穫開始 | 葉が20センチ伸びたか |
| 4月 | 刈り取り収穫 | 刈ったあと3週間で再生するか |
| 5月 | 花茎を摘む、刈り納め | つぼみが立っていないか |
| 6月〜8月 | 水と肥料を止める | 葉が枯れて休眠に入ったか |
株分けをする年は、この休眠期間に掘り上げます。葉がないので場所が分かるよう、枯れる前に札を立てておきます。
一年目と二年目で違うこと
植えた一年目は球がまだ小さいので、収穫を控えめにして球を太らせることを優先します。二年目からは同じ株で普通に穫れるようになります。
一年目に穫りすぎると、翌年の葉が目に見えて細くなります。最初の春は一度か二度刈る程度にとどめ、残りは葉のまま伸ばしておきます。
- 一年目は控えめに刈る
- 春に一度か二度、株の半分だけ刈ります。全部刈るのは二年目からにすると株がしっかりします。
- 二年目から普通に穫る
- 球が太っていれば、三週間おきに刈っても回復します。春の間に三回ほど収穫できます。
- 三年目は分けどきを見る
- 葉が細くなってきたら、その年の夏に掘り上げて球を分けます。分けると翌春に太さが戻ります。
地域による前後の目安
アサツキは寒さに強く、寒冷地でも露地で越冬します。植え付けと収穫の時期が少し前後するだけで、育て方そのものは変わりません。
寒冷地では雪の下で冬を越します。雪が消えてから芽が動くので、収穫の始まりが関東より半月ほど遅れると考えておくとよいでしょう。
- 初霜のひと月半前に植える
- 根が張った状態で冬に入れます。地域ごとの初霜の時期を調べておくと、植え付け日が自然に決まります。
- 梅雨入り前に刈り納める
- 休眠が近づくころには刈るのをやめます。梅雨入りを一つの区切りにすると、球を弱らせずに済みます。
| 地域 | 植え付け | 収穫の時期 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 8月中旬〜9月上旬 | 4月〜5月 |
| 関東平野部 | 8月下旬〜9月 | 3月〜5月 |
| 暖地 | 9月〜10月上旬 | 2月下旬〜4月 |
夏の間にやっておくこと
六月から八月は世話が要りません。ただし何もしない代わりに、株の場所が分からなくならないよう、目印だけは残しておく必要があります。
また、この時期に草が茂ると、秋に芽が出たときに負けてしまいます。草だけは刈っておくと、九月からの立ち上がりが早くなります。
夏に他の作物を植えたくなる場所ですが、株の上を耕すと球を傷めます。畝を一列そのまま空けておくつもりで場所を確保しておきます。
- 場所に札を立てる
- 葉が枯れる前に、株の位置へ支柱か札を立てます。うっかり掘り返したり、他の作物を植えたりするのを防げます。
- 草を刈る
- 株の上に草が茂らないよう、六月と八月に刈ります。根ごと抜くと球を傷めるので、地際で刈るだけにします。
- 鉢は日陰へ寄せる
- 容器栽培なら、日陰に移して雨の当たりすぎも避けます。水は月に一度ほどで足ります。
作業を忘れてしまったときは
アサツキは手のかからない作物なので、月ごとの作業を多少飛ばしても穫れます。ただし夏の水やりだけは、やらないほうがよい作業になります。
| 抜けた作業 | 出る影響 | できること |
|---|---|---|
| 11月の追肥 | 冬の葉が細くなる | 3月の追肥で取り返せる |
| 花茎を摘む | 球の太りが落ちる | その年は刈り取り中心にする |
| 株分け | 葉が細くなる | 翌年の夏に掘り上げて分ける |
| 夏に水を与えた | 球が腐ることがある | 秋に芽が出るか確かめて植え直す |
秋に芽が出ない株が半分以上あったら、新しい球根を買い足します。残った株が種になるので、全部やり直す必要はありません。
アサツキの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
アサツキの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアサツキの育て方にまとめています。
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