生育の段階で管理を変える
アズキの管理は、茎葉が伸びる時期、花が咲く時期、莢が太る時期の三つで考えると迷いません。前半は乾かし気味にして根を張らせ、花が咲き始めたら水を切らさないようにするのが基本の型です。
特に花の咲く七月下旬から八月は真夏と重なります。ここで一週間雨がなければ、莢が付かずに花が落ちてしまいます。畑でも水やりが必要になる数少ない時期です。
| 時期 | 株の様子 | 水と肥料 |
|---|---|---|
| 7月 | 茎葉が伸びる | 乾かし気味。肥料は不要 |
| 7月下旬〜8月 | 花が咲く | 乾いたらたっぷり与える |
| 8月下旬〜9月 | 莢が太る | 水は控えめ。肥料切れなら少量 |
| 10月以降 | 莢が枯れる | 水も肥料も止める |
肥料は足さないほうがうまくいく
アズキは肥料が多いと、茎葉が伸びるばかりで花が落ちます。これをつるぼけと呼びます。追肥(育ちの途中で足す肥料)は原則として不要で、葉の色が薄く黄ばんできたときだけ、ごく少量を与えます。
葉が濃い緑で厚く、茎が太く伸びているなら肥料は十分すぎるほどあります。この状態で追肥をすると、花が咲いても莢にならずに落ちてしまいます。
| 見た目 | 判断 | 対応 |
|---|---|---|
| 葉が濃い緑で大きい | 肥料が多い | 追肥しない。水も控える |
| 葉が緑で茎が締まる | ちょうど良い | そのまま |
| 下の葉が黄ばむ | 肥料切れ | 化成肥料をひとつまみ株の外側に |
| 全体が黄色く小さい | 根の障害か水不足 | 排水と水やりを確かめる |
花のころは水を切らさない
アズキの花は小さな黄色い花で、朝に咲いて昼にはしぼみます。この時期に土が乾くと、咲いた花がそのまま落ちて莢になりません。実が少なかった年の原因は、たいていこの時期の乾きです。
地面が白く乾いて土がひび割れていたら、朝か夕方に株元へたっぷり与えます。葉にかける必要はなく、根の届く範囲の土を深く湿らせるつもりで与えます。
- 土のひび割れを見る
- 株元の土が白く乾き、細かいひびが入っていたら水やりのころです。指を二センチ差して湿りがなければ確実です。
- 朝か夕方に与える
- 日中の暑い時間に与えると、水が温まって根を傷めます。気温の下がる時間帯を選びます。
- 株元に時間をかけて
- 一株あたり二リットルほどを、二回に分けてゆっくり注ぎます。一気に流すと表面を流れるだけで染みません。
- 敷きわらで乾きを防ぐ
- 株元に刈った草やわらを敷いておくと、水やりの回数が減ります。梅雨明けまでに敷いておきます。
土寄せで倒れを防ぐ
アズキは草丈が五十センチから八十センチになり、莢が付くと重みで倒れます。倒れると莢が地面につき、湿って腐ったり虫に食われたりします。土寄せ(株元に土を寄せて盛ること)を二回に分けて行うと、根が増えて倒れにくくなります。
一回目は本葉が四枚から五枚になったころ、二回目は花が咲き始める前です。莢が付いてからでは根を傷めるので、時期を逃さないようにします。
- 草を取ってから寄せる
- 土寄せの前に株の周りの草を抜きます。草ごと土をかけると、あとで抜けなくなり養分を取られます。
- 一回目は本葉四、五枚
- 畝の肩の土をくわで削り、株元に五センチほど寄せます。双葉が埋まらない高さにとどめます。
- 二回目は開花前
- 七月下旬、花が咲き始める前に、さらに五センチほど寄せて株元をしっかり固めます。これで根が増え、莢の重みにも耐えられます。
- 倒れたら支柱で起こす
- それでも倒れたら、短い支柱を株の外側に立ててひもで囲います。無理に引き起こすと根が切れます。
プランターでも育てられる
アズキは深さ三十センチほどのプランターでも育てられます。ただし収量は畑にかないません。六十センチのプランターに二株から三株が上限で、うまくいって片手に一杯ほどの収穫になります。
鉢は乾きやすいので、花のころの水切れに特に注意します。土は野菜用の培養土をそのまま使い、肥料は入れずに始めるほうが失敗しません。
| 容器 | 植えられる株数 | 収穫の目安 |
|---|---|---|
| 深さ30センチ、長さ60センチ | 2〜3株 | 片手一杯ほど |
| 直径30センチの丸鉢 | 1〜2株 | 小鉢一杯ほど |
| 深さ15センチ以下 | 不向き | 根が回って実が付かない |
茎葉ばかり茂ったときの立て直し
背丈ばかり伸びて花が咲かない、咲いても落ちるという年があります。原因は肥料過多、水のやりすぎ、まき時が早すぎたのいずれかです。その年のうちにできることは限られますが、手はあります。
- 水と肥料を止める
- 気づいた時点で追肥をやめ、水やりも控えます。少し乾かすと茎葉の伸びが止まり、花に切り替わることがあります。
- 混みすぎた葉を減らす
- 株の内側の重なった葉を数枚落として日を通します。取りすぎると力が落ちるので、全体の一割ほどにとどめます。
- 倒れる前に囲う
- 背が高くなった株は必ず倒れます。支柱とひもで先に囲っておけば、倒れて莢が腐るのを防げます。
- 次の年はまき時を遅く
- 五月や六月上旬にまいていたなら、翌年は六月下旬にずらします。それだけで実の付き方が変わります。
アズキの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
アズキの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアズキの育て方にまとめています。
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