まき時は六月下旬から七月上旬
アズキは日が短くなると花を咲かせる性質があります。五月に早くまくと、花が咲くまでの期間が長くなって茎葉ばかり大きくなり、実の付きが悪くなります。関東平野部なら六月下旬から七月上旬が失敗の少ないまき時です。
遅くまきすぎると、実が太る前に秋の低温が来て莢が充実しません。七月下旬が限界と考え、それより遅くなるなら翌年に回すほうが確実です。品種によって早生と晩生があり、在来の大納言系は晩生寄りです。

| 時期 | まいた場合の結果 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 5月 | 茎葉ばかり茂り実が減る | 早すぎる |
| 6月下旬〜7月上旬 | ちょうど良く実が付く | 最も失敗が少ない |
| 7月中旬〜下旬 | 収穫が遅れるが実る | 早生種なら間に合う |
| 8月以降 | 実が太らず終わる | まかない |
畑の準備は肥料を控えめに
アズキはマメ科なので、根に付く微生物が空気中の窒素を取り込みます。窒素の多い肥料を入れると、その働きに頼らず茎葉ばかり茂り、花が落ちて実が付きません。前作の残り肥だけで足りることも珍しくありません。
元肥(植える前に土に混ぜる肥料)は、リン酸とカリを中心にした少なめの量にとどめます。酸性が強い畑は苦土石灰で軽く中和しておくと根の働きが良くなります。
- 二週間前に石灰
- 酸性の強い畑なら、一平方メートルあたり百グラムほどの苦土石灰をまいて耕しておきます。やりすぎは禁物です。
- 肥料は控えめに
- 元肥は一平方メートルあたり化成肥料五十グラムほどにとどめます。堆肥を入れる場合も完熟したものを少量にします。
- 畝を立てる
- 幅六十センチ、高さ十センチの畝を立てます。水がたまりやすい畑なら高さ二十センチにして排水を良くします。
- 連作を避ける
- 同じマメ科を続けると病気が増えます。アズキやインゲンを作った場所は三年から四年あけてから使います。
前の年に肥料をよく入れた畑では、元肥なしで育つこともあります。茎葉が旺盛すぎるようなら次の年は減らします。
点まきで一か所三粒
アズキの種は大きいので、一か所にまとめてまく点まきが向きます。株間三十センチ、条間六十センチほどをとり、一か所に三粒ずつまきます。三粒あれば、一つ二つが鳥や虫にやられても残ります。
深さは二センチから三センチが目安です。浅いと種が乾いて発芽せず、深いと芽が地表に出るまでに力を使い果たします。まいたあとは軽く押さえて土と密着させます。
- 深さ三センチのくぼみ
- 空き瓶の底や指で、深さ二センチから三センチのくぼみを株間三十センチで作ります。並べる目印に紐を張ると揃います。
- 三粒を離して置く
- 一つのくぼみに三粒を、互いに触れないように離して置きます。重なると根が絡んで抜きにくくなります。
- 土をかけて押さえる
- 土をかぶせて手のひらで軽く押さえます。押さえないと水が種に届かず、発芽が揃いません。
- まいた後は水を控える
- 土が湿っているならまいた後の水やりは不要です。湿りすぎると種が腐って苗立ち枯れの原因になります。
鳥にやられる前に覆いをする
アズキの発芽で最も多い失敗は、鳥に双葉を食べられることです。マメ科の芽は大きくて目立ち、地上に出た日に丸ごと引き抜かれてしまいます。まいた日に覆いをしておけば、この失敗はほぼ防げます。
本葉が三枚ほど出るまで守れば、そのあとは鳥に狙われにくくなります。覆いを外すのは草丈が十五センチほどになったころが目安です。
- まいた日に不織布
- まいた直後に不織布をふわりとかけ、四辺を土で押さえます。芽が持ち上げる余裕を残してたるませておきます。
- 網なら支柱で浮かす
- 防鳥網を使うなら短い支柱で浮かせます。地面に密着させると芽が絡まって伸びられません。
- 本葉三枚で外す
- 本葉が三枚ほど出て草丈十五センチになったら覆いを外します。かけたままだと蒸れて徒長(間のびすること)します。
発芽後は一か所二本に間引く
三粒すべて発芽したら、本葉が二枚出たころに元気な二本を残します。一本に絞る必要はなく、二本立てのほうが互いに支え合って倒れにくくなります。ただし三本のままだと混みすぎて実が減ります。
間引くときは抜かずに、地際ではさみで切ります。抜くと残す株の根まで動いてしまい、生育が止まることがあります。二本のうち一本が虫に食われても、もう一本が残るという保険にもなります。
| 状態 | 残す本数 | 理由 |
|---|---|---|
| 三本とも元気 | 太い二本 | 混みすぎを避けつつ支え合う |
| 二本発芽 | そのまま二本 | 間引かなくてよい |
| 一本だけ | そのまま | 追いまきするより早い |
| 全部だめ | 七月中旬までなら追いまき | 遅いと実が太らない |
発芽しないときの原因の切り分け
まいて一週間たっても芽が出ないときは、掘って種の状態を確かめます。種がふやけて崩れているのか、そのまま乾いているのかで手当てが変わります。
- 種を一粒掘り出す
- まいた場所の端を掘って種を確かめます。硬いまま乾いていれば水不足、ぶよぶよなら水のやりすぎです。
- 跡形もなければ鳥か虫
- 種が見つからないなら鳥に掘られたか、タネバエの幼虫に食われています。覆いをして追いまきします。
- 七月中旬までは追いまき
- 欠株が多いなら七月中旬までに追いまきします。それ以降は実が太らないので、あきらめて別の作物に切り替えます。
- 次回は覆いを先に
- 同じ失敗を繰り返さないよう、次はまいた日のうちに不織布をかけてから水やりの判断をします。
種まきの手順
アズキは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
アズキの種まきでよくある質問
アズキの種はいつまく?
アズキは日が短くなると花を咲かせる性質があります。五月に早くまくと、花が咲く…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
アズキの種はどうやってまく?
点まきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
アズキの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
アズキの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
アズキは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
アズキの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
アズキの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
アズキの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアズキの育て方にまとめています。
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