刈り時は穂の色で決める
ヒエの穂は先端から茶色に変わり、畑全体の七割が色づいたころが刈り時です。実は熟れると穂からこぼれやすくなるので、全部が色づくまで待つと収穫のときに半分落ちます。青い穂が三割残っていても、干している間に追熟して実が固まります。
出穂から四十日から五十日、関東なら九月中旬から十月上旬が目安です。実を指でつまんで、爪で押しても凹まなければ熟れています。まだ白く柔らかいなら、一週間待ちます。
| 穂の見た目 | 判断 | 作業 |
|---|---|---|
| 先端だけ茶色、実は柔らかい | 早い | 一週間待つ |
| 七割が茶色、実が固い | 刈り時 | 晴れた日の午前に刈る |
| 全部茶色で実がこぼれる | 遅い | すぐ刈る。下にシートを敷く |
穂の下で刈って束ねる
刈り取りは鎌で、穂の下二十センチから三十センチのところを切ります。株ごと刈る必要はなく、穂だけ集めたほうが干すのも脱穀も楽です。朝露が乾いた午前中に刈ると、穂が湿っておらず実もこぼれにくくなります。
刈った穂は十本から二十本ずつ紐で束ね、風通しのよい軒下に穂を下にして吊るします。雨に当たると実がかびるので、屋外で干すなら夜と雨の日は取り込みます。
- 穂の下を切る
- 穂の下二十センチから三十センチを鎌で切ります。穂を手で持ち、下から刃を入れると実が飛びません。
- 束ねて吊るす
- 十本から二十本ずつ紐で束ね、穂を下にして軒下に吊るします。束が大きいと中が乾きません。
- こぼれた実は拾う
- 刈っている間にこぼれた実は、シートを敷いておいて集めます。熟れた実なので種にも使えます。
株ごと抜くと土が付いて乾きが遅くなります。残った茎は畑で刈って鋤き込めば、翌年の肥料になります。
二週間干して実を固める
干す期間は二週間が目安です。穂を握って実が指に付かず、実をかんでカリッと音がすれば乾いています。青かった穂も干している間に茶色に変わり、実が固まります。乾きが足りないまま脱穀すると、保存中にかびます。
干している間はスズメが来るので、軒下でもネットをかけるか、屋内の風通しのよい場所に移します。日中は日に当て、夜は取り込むと早く乾きます。
- 穂を握って確かめる
- 束を握って実がぱらぱら落ち、指に湿り気が残らなければ乾いています。しっとりするならもう一週間干します。
- かんで音を聞く
- 実を数粒かんでみて、カリッと割れれば合格です。歯にくっつくならまだ乾いていません。
- 鳥から守る
- 軒下に吊るした束にもスズメは来ます。目の細かいネットをかぶせるか、日中だけ外に出して夜は屋内へ入れます。
脱穀はシートの上でこき落とす
乾いた穂をシートの上に置き、穂を手でしごくか、棒で軽くたたいて実を落とします。ヒエの実は穂から離れやすいので、強くたたく必要はありません。束のまま穂の先を洗面器の縁に打ちつけるだけでもよく落ちます。
落ちた実には穂の軸や葉のかけらが混じります。ふるいにかけて大きなごみを除き、風のある日に高いところから少しずつ落として、軽いごみを風で飛ばします。
- 穂を手でしごく
- 穂の根元を持ち、先端に向かって指でしごきます。実が少ないうちに軽くしごき、残った実を棒でたたきます。
- ふるいで大きなごみを除く
- 目の粗いふるいで軸と葉を取り除きます。実は小さいので、目合いが五ミリのふるいなら実だけ落ちます。
- 風で軽いごみを飛ばす
- 風のある日に、実を高さ五十センチから少しずつ落とします。実は真下に落ち、軽い殻は風で飛びます。
食べるには皮をむく手間がいる
脱穀したヒエの実は固い殻に包まれていて、そのままでは食べられません。殻をむく作業は家庭では難しく、すり鉢でこすってから風で殻を飛ばす方法で少量ならできます。まとまった量なら、雑穀の精白ができる精米所や道具を探します。
殻付きのまま保存しておけば虫が付きにくく、来年の種としてもそのまま使えます。食べる分だけ少しずつ殻をむくのが現実的です。
- すり鉢でこする
- 実をすり鉢に入れ、すりこぎで押しつけるようにこすります。殻が割れて実が出てきたら、風で殻を飛ばします。
- 少量ずつ試す
- 一度に多く入れると実まで砕けます。ひとつかみずつ、殻が割れる力加減を確かめながら進めます。
- 殻付きで保存する
- むいていない実は密閉容器に入れて冷暗所に置きます。一年以上持ち、翌年の種にもなります。
実がこぼれてしまったときの戻し方
刈るのが遅れて畑に実がこぼれた、干している間に落ちた、脱穀で飛び散った。ヒエの実は小さいので、こぼれるとほとんど回収できません。こぼれる前の対策と、こぼれたあとにできることを分けて考えます。
- 畑にこぼれた
- 拾うのは難しいので、翌年こぼれ種から生えた芽を使うか、耕して鋤き込みます。刈り時を一週間早めるのが対策です。
- 干している間に落ちた
- 束の下にシートや箱を置いて受けます。落ちた実は熟れているので、集めて脱穀した実に混ぜます。
- 脱穀で飛び散った
- シートを広めに敷き、たたく力を弱めます。飛んだ実は集めても土が混じるので、種用に回します。
ヒエの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ヒエの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヒエの育て方にまとめています。
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