症状から原因を見分ける
ヒエは丈夫で、病気で全滅することはまずありません。トラブルの大半は鳥と倒伏と雑草で、それぞれ対処が違います。まず株の姿を見て、何が起きているかを切り分けます。
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 発芽直後に芽が消える | スズメかネキリムシ | 不織布をべた掛け。株元を掘って虫を探す |
| 穂の実が抜けて軸だけ残る | スズメなどの鳥 | 防鳥ネットを浮かせて張る |
| 株が根元から倒れる | 肥料過多か株間の狭さ | 束ねて支柱で支え、翌年は肥料を減らす |
| 葉に細長い赤茶色の斑点 | 葉の病気 | 下葉を取り除く。広がらなければ放置 |
| 穂が黒くすすけたようになる | 黒穂病 | その穂を抜いて畑の外へ捨てる |
| ヒエより雑草が大きい | 雑草との競合 | 中耕で抜く。小さいうちに二回 |
鳥害はまき直後と実が入るころの二回
スズメはまいた種と出たばかりの芽を狙い、さらに実が白く膨らむ八月から九月に穂を食い荒らします。実が入るころの被害がとくに大きく、ネットなしでは収穫がほとんど残らないことがあります。穂が出たらすぐネットを張るのが基本です。
まき直後は不織布のべた掛けで防げます。芽が出そろい本葉が二枚になったら外して構いません。カラスは穂を丸ごと引き抜くことがあり、ネットの目が粗いと入られるので、目合いは二センチ以下にします。
- まいたら不織布
- まいた直後に不織布をべた掛けし、本葉二枚まで置きます。乾き防止にもなります。端を土で押さえ、スズメが下からくぐれないようにしておきます。
- 穂が出たらネット
- 穂が見えたら三日以内にネットを張ります。支柱で穂より三十センチ浮かせ、裾を地面まで下ろします。
- 食われた穂を見たら
- 実が抜けた穂を見つけたら、ネットの裾や継ぎ目に隙間がないか確かめ、石やペグで押さえ直します。
スズメは一度味を覚えると毎日来ます。被害を見てからではなく、穂が出た時点で張るのが唯一の対策です。
倒伏は肥料と密度でほぼ決まる
ヒエが倒れる原因は、肥料の入れすぎで茎が細長く伸びる徒長(茎がひょろ長く伸びること)と、株間が狭くて根が浅いことの二つです。台風はきっかけにすぎず、肥料を控えて土寄せをしていれば、強風でも斜めになる程度で済みます。
葉の色が濃く、周りより草丈が高い株は倒れやすいと判断できます。そういう畑では追肥を止め、土寄せを一回増やして根元を固めます。
| 原因 | 見分け方 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 肥料過多 | 葉が濃い緑で草丈が高い | 元肥を半分に、追肥はしない |
| 株間が狭い | 茎が細く下葉が枯れ上がる | 株間十五センチまで間引く |
| 土寄せ不足 | 株元を揺すると根が動く | 六月と七月の二回土を寄せる |
| 強風 | 畑全体が同じ向きに倒れる | 三日以内に束ねて支柱で支える |
雑草との競合は六月に決まる
ヒエの芽は小さく、六月はイネ科の雑草と背比べになります。この時期に雑草に負けると回復しません。間引きと土寄せを兼ねた中耕を六月に二回行い、雑草が本葉のうちに抜きます。
七月に入ってヒエの草丈が三十センチを超えれば、葉が地面を覆って雑草は伸びなくなります。それ以降は目立つものを手で抜く程度で足ります。
- 六月に二回の中耕
- 間引きのたびに条間を浅く耕し、雑草を土ごと返します。芽が小さいうちなら根が浅く、耕すだけで枯れます。
- ヒエと雑草の見分け
- ヒエは溝の線上に揃って並び、葉の中央の筋が白く目立ちます。線から外れているものは雑草と判断します。
- 七月以降は手で抜く
- 草丈がヒエを超える雑草だけを根元から抜きます。小さいものは日陰になって自然に消えます。
病気は少ないが黒穂病だけは抜く
ヒエに出る病気で注意するのは、穂が黒い粉のかたまりになる黒穂病です。かびが原因で、その穂を触ると胞子が飛んで翌年に持ち越されます。見つけたらすぐ穂ごと切り取り、ビニール袋に入れて畑の外に捨てます。
葉に赤茶色の細長い斑点が出る病気は、梅雨の長雨で出ますが、梅雨が明ければ広がりません。下葉を取り除いて風通しを良くする程度で足ります。農薬はまず要りません。
- 穂が黒ければ切り取る
- 黒い粉状の穂を見つけたら、袋をかぶせてから穂を切り、袋ごと捨てます。畑に落とすと翌年に出ます。
- 葉の斑点は下葉だけ取る
- 斑点が下葉に集中しているなら、その葉を取り除きます。上の葉に広がらなければ様子見で構いません。
- 翌年は畑を変える
- 黒穂病が出た畑では、翌年はヒエを含むイネ科の穀物をまかず、豆類や葉物に替えます。
実が入らないときの切り分け
穂は出たのに実が膨らまない、穂が小さい、実が軽い。原因は開花期の天候、まき時の遅れ、肥料の三つが多く、翌年のまき時と施肥を変えることで防げます。
- 穂は出たのに実がない
- 開花期に長雨か猛暑が続くと受粉が悪くなります。翌年はまき時を二週間ずらして、開花が八月下旬になるようにします。
- 穂が小さい
- 遅まきか株間の狭さです。七月まきは穂が小さくなるのが普通で、翌年は六月中にまいて株間を十五センチ取ります。
- 実が軽く風で飛ぶ
- 収穫が早すぎたか、穂が出てからの肥料切れです。七割色づくまで待ち、痩せた畑なら出穂前に軽く追肥します。
ヒエの収穫までのコツは作物ページに
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