花に養分が回ると葉が硬くなる
バジルは花を咲かせると種づくりに養分を送り始め、葉は小さく厚く、筋張って硬くなります。香りのもとになる精油も減るため、同じ株の葉でも開花前と後では味がはっきり違います。葉を採る株では花を咲かせません。
さらに花のついた枝はそこで伸びを止め、茎が木のようになって新しい葉を出しません。放置すると株全体が花に移行し、7月のうちに収穫が終わります。花穂を摘み続ける株は秋まで葉を出し続けます。
- 花芽は6月から出る
- 中間地では梅雨のころに最初の花穂が立ちます。摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)が遅れた株ほど早く、6月中に咲き始めることもあります。
- 摘めば何度でも戻る
- 花穂を摘むかぎり株は葉を出し続けます。摘み続ければ10月まで収穫が続き、放置した株の倍以上採れます。
| 株の状態 | 葉の質 | その後の伸び |
|---|---|---|
| 開花前 | やわらかく香りが強い | 先端から次々出る |
| 花穂が立った直後 | わずかに硬くなる | 摘めば元に戻る |
| 開花後 | 硬く筋張り香りが弱い | その枝は止まる |
| 結実後 | 食用には向かない | 株全体が枯れ始める |
花芽は先端の葉の形で気づく
花穂は枝の先端に立ちます。ふつうの葉より小さい葉が詰まって重なり、そのあいだから緑色の粒が並んだ穂が伸びてきます。この段階なら葉は硬くなっていないので、見つけたその日に摘めば損はありません。
- 先端の葉が急に小さくなる
- 伸びていた枝の先で、葉のサイズだけが小さくなり間隔も詰まってきたら花に向かうサインです。数日で穂が見えます。
- 四角い緑の粒が並ぶ
- 穂には粒が段になって並びます。白い花が開く前のこの状態で摘むのが理想です。開いてからでは葉がすでに硬くなり始めています。
- 株全体を週1回見る
- 1本に花穂が出たら他の枝も続きます。週に一度、上から株を見下ろして先端をひととおり確認する習慣にすると取り逃しません。
梅雨明けから8月にかけて花芽が最も出ます。この時期だけは見回りの間隔を詰めると収穫期間が伸びます。
摘む位置は花穂の2節下
花穂だけをつまむと、すぐ下の節からまた花穂が出ます。穂の2節下、葉が対でついている節のすぐ上で切ると、その節のわき芽(葉のつけ根から出る芽)が葉の枝として伸び直します。切り戻しを兼ねるので収穫としても使えます。
- 穂だけ摘むのは応急処置
- 時間がないときは穂だけ取っても構いませんが、1週間で次の穂が上がります。あとで必ず節の下から切り直します。
- 2節下で切る
- 葉が2組ついた位置まで下げて切ります。切った枝の葉は使えるので、この作業がそのまま収穫になります。
- 株全体で高さをそろえる
- 何本も花穂が出たら、株全体を同じ高さで切りそろえます。形が整い、次に伸びる枝の勢いもそろいます。
咲かせてしまった株の立て直し
白い花が開いてしまっても、株がまだ緑を保っているなら戻せます。花のついた枝を緑色の残る位置まで思い切って下げ、株の高さを半分ほどにします。2週間ほどでわき芽が伸び、やわらかい葉がまた採れます。
| 時期 | 立て直しの可否 | 切り戻す高さ |
|---|---|---|
| 7月上旬まで | 十分戻せる | 株の半分まで |
| 8月 | 戻せるが枝は細い | 葉が2組残る位置 |
| 9月中旬まで | 秋の収穫ぶんは戻る | 浅めに切る |
| 9月下旬以降 | 戻さない | 採種か片付けへ |
切り戻しのときは追肥(育てている途中で足す肥料)をひとつまみ入れます。株の力が落ちた状態で切るだけだと、わき芽が伸びきりません。
種を採るなら株を分けて決める
採種と葉の収穫は両立しません。同じ株で両方をねらうと、葉が硬い時期が長引くうえ種の実りも悪くなります。採種用の株を1〜2本決め、8月に入ったらその株だけ花穂を摘まずに咲かせます。
- 採種株は8月に指定する
- 9月以降に咲かせ始めると、種が熟す前に寒くなります。暖地でも8月中旬までに花を咲かせ始める株を決めます。
- 咲いたら水を控える
- 開花後は水を減らします。湿ったままだと穂にカビが出て、熟す前に種が黒く傷みます。
- 穂が茶色く乾いたら切る
- 花が終わって穂全体が茶色く乾いたら、枝ごと切って室内で乾かします。緑のうちに採ると発芽しない種が混じります。
熟した種は黒く、指でこすると穂から落ちます。紙袋で乾かし、乾燥剤と一緒に冷暗所へ入れると翌春まで持ちます。
交雑するので品種は混ぜない
バジルは虫が花を訪れて受粉するため、近くで別の品種を咲かせると交ざります。スイートバジルとレモンバジルを並べて採種すると、翌年は香りの中途半端な株が出ます。品種の性質を保ちたいなら1種類だけ咲かせます。
| 採種の条件 | 結果 | 対処 |
|---|---|---|
| 1品種だけ咲かせる | 親と同じ性質が出る | そのまま採種してよい |
| 複数品種が近くで開花 | 香りや葉色が混ざる | 咲く時期をずらす |
| ホーリーバジルと混植 | 形質の差が大きく出る | 採種株を離して置く |
種の袋に交配種と書かれている場合、採種しても親と同じ株にはなりません。翌年も同じ品種でそろえたいなら買い直します。
バジルの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
バジルの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はバジルの育て方にまとめています。
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