葉ではなく枝ごと採る
1枚ずつちぎって採ると株の形が崩れ、枝も増えません。枝の先を節の上で切れば、切った下からわき芽(葉のつけ根から出る芽)が2本出て次の収穫につながります。収穫と摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)を同じ作業にするのがバジルの基本です。
採る量は一度に株の3分の1までにします。それ以上切ると葉が足りず、次の枝が出るまでの時間が延びます。少しずつ何度も採るほうが、季節を通した総量は多くなります。
- 節の上で切る
- 葉が対でついた節を確認し、そのすぐ上を切ります。節と節のあいだで切ると残った茎が枯れ下がります。
- 上から順に採る
- 株の上部の枝から採り、下葉は残します。下葉を先に取ると光合成が減り、株全体の勢いが落ちます。
- 朝のうちに切る
- 日が高くなる前が水を含み、香りも強い時間帯です。昼過ぎに切った葉はしおれが早く、冷蔵しても持ちません。
- 一度に3分の1まで
- 切りすぎると残った葉で光合成がまかなえず、次に出る枝が細くなります。株の大きさを見て採る量を決めます。
収穫は6月から10月まで続きます。摘心を兼ねて2週間に1回のペースで切ると、株の形を保ったまま採り続けられます。
採ったらすぐ水に挿すか包む
バジルは切った直後からしおれ始めます。低温にも弱く、冷蔵庫の冷気に直接当てると数時間で黒い斑点が出ます。冷やしすぎない置き方をすれば、生のまま数日は使えます。
| 保存の仕方 | 持ち日数 | 注意 |
|---|---|---|
| コップの水に挿す | 4〜5日 | 室内の涼しい場所、直射日光は避ける |
| 湿らせた紙で包み野菜室 | 2〜3日 | 冷気が直接当たらない位置に置く |
| 洗ってから冷蔵 | 1〜2日 | 水気が残ると黒く傷む |
| 常温で放置 | 半日 | 切った日に使いきる |
黒い斑点は低温障害です。傷んだ葉が混ざると周りに広がるので、見つけたらその葉だけ取り除きます。
洗うのは使う直前にする
収穫してすぐ洗うと、残った水気から黒く傷みます。保存する前は洗わず、土や虫が気になる部分だけ払っておきます。使うときに冷水でさっと洗い、水気をよく切ってから刻みます。
- 水はためずに流す
- ボウルにためて長く浸けると香りが水に逃げます。流水で短く洗い、すぐ引き上げます。
- 水気をしっかり拭く
- 布巾やキッチンペーパーで押さえて水を取ります。水が残ったまま刻むと色が黒ずみ、味も水っぽくなります。
- 刻むのは直前に
- 切り口から香りが飛ぶので、刻んだら間を置かず使います。刻んで置いた葉は数十分で色が変わります。
大量に採れたらペーストにして冷凍
夏の最盛期は使いきれない量が採れます。バジルは冷凍に向く葉で、油と一緒にペーストにすれば香りをよく保ったまま半年ほど持ちます。生のまま冷凍すると解凍時に黒くなるので、油をまとわせるのがこつです。
- 葉だけを外す
- 茎は繊維が残って口当たりが悪くなります。葉だけを摘み、硬くなった大きい葉は避けてやわらかいものを使います。
- 油と一緒にすりつぶす
- 葉と油、塩を合わせてすりつぶします。油が葉を包むことで空気に触れず、色が黒く変わるのを防げます。
- 小分けにして凍らせる
- 製氷皿や小袋に一回ぶんずつ分けて凍らせます。大きな塊で凍らせると使うたびに解凍を繰り返し、香りが落ちます。
冷凍したペーストは半年ほど使えます。解凍せずそのまま加熱する料理に入れると、香りの落ちが少なくすみます。
乾燥保存には向かない
バジルの香りは揮発しやすい成分が主体です。乾かす過程でその多くが飛ぶため、乾燥させると別物の香りになり、生の風味は戻りません。長期保存を考えるなら乾燥より冷凍を選びます。
どうしても乾かすなら、電子レンジで短時間に水分を飛ばす方法が比較的香りを残せます。天日でゆっくり乾かすと色が茶色く抜け、香りもほとんど残りません。
| 保存方法 | 香りの残り方 | 向く用途 |
|---|---|---|
| 油ごと冷凍のペースト | よく残る | パスタやソース |
| 葉のまま冷凍 | そこそこ残る | 煮込みや加熱料理 |
| 短時間で乾燥 | かなり落ちる | 彩り程度 |
| 天日干し | ほとんど残らない | すすめない |
冬越しは基本的にできない
バジルは本来多年草ですが、10℃を下回ると生育が止まり、霜に当たれば一晩で枯れます。日本の屋外では越冬できないため一年草として扱い、毎年新しく育てるのが確実です。
室内での冬越しは不可能ではありませんが、日照が足りず枝が間延びし、春に採れる量は種からまいた株に及びません。株を残すより、秋に採種するか翌春に種をまき直すほうが結果はよくなります。
- 室内に取り込むなら
- 10月のうちに鉢へ移し、南向きの窓辺に置きます。霜が降りてから慌てて取り込んでも、すでに傷んだ株は戻りません。
- 冬の水やりは控える
- 生育が止まっているので水は乾いてから少量にします。夏と同じ感覚で与えると根が傷んで枯れます。
- 春に切り戻す
- 冬を越せた株は3月に間延びした枝を切り戻します。そのまま伸ばすと形が乱れ、出る葉も硬いままです。
翌年ぶんの確保は挿し木より採種が確実です。8月に決めた採種株から採った種を、翌春にまき直します。
香りが落ちたときの切り分け
採った葉の香りが弱いときは、株の状態か採り方か保存のどこかに理由があります。摘んだ直後に葉を一枚もんでみて、そこで香りが立つかどうかを見ると、株の問題か保存の問題かを分けられます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が硬く香りが薄い | 花を咲かせて株が老けた | 花穂の二節下で切り戻して新芽を出す |
| 葉が黒く変色した | 冷蔵庫で冷やしすぎた | 常温の水に挿し、二日ほどで使い切る |
| 採るそばからしおれる | 日中の暑い時間に採った | 朝のうちに採り、すぐ水に挿して運ぶ |
| 株の下葉が黄色い | 葉だけを摘んで枝を残した | 枝ごと切って風通しを回復させる |
香りの成分は葉の表面近くにあります。強く洗う、長く水にさらす、押しつぶすのはいずれも香りを逃がす扱いです。
バジルの収穫と乾燥に使うもの
ハーブは穫るところより、乾かしてしまうところで香りが決まります。早く乾かすほど香りが残ります。
- 収穫用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ ハーブ 収穫」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、ステンレス製。細い茎を切るので小さいもので足ります。
手でちぎると茎が裂けて、そこから枯れ込みます。節のすぐ上で切ると、そこから新しい枝が出ます。
- 乾燥ネット(三段)探す言葉「ハーブ 乾燥ネット 三段」
- 規格の目安
- 直径 45cm 前後の三段。畳めるものが置き場所を取りません。
風の通る日陰に吊るします。直射日光に当てると、香りの成分が飛んで色も抜けます。
- 密閉できる保存瓶探す言葉「保存瓶 密閉 スパイス」
- 規格の目安
- 遮光性のある瓶か、暗い場所に置ける透明瓶。100〜200ml。
完全に乾いてから入れます。少しでも湿りが残っているとカビます。手で揉んで砕けるまでが目安です。
- ラベル探す言葉「ラベルシール 手書き 保存瓶」
- 規格の目安
- 瓶に貼れるシール。品種名と乾かした日を書きます。
乾いたハーブは見分けが付きません。日付があれば、香りが落ちる前に使い切れます。
- 風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても麻ひもで吊るせます。
- 食品乾燥機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
バジルの収穫までのコツは作物ページに
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