最初の摘心は本葉6〜8枚のとき
バジルは先端の芽を摘むと、その下の節からわき芽(葉のつけ根から出る芽)が2本立ち上がります。摘まずに放っておくと一本の茎がまっすぐ伸びて先に花をつけ、それで終わります。最初の摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)は本葉が6〜8枚、草丈が15〜20センチのころです。
早すぎると株の力が足りず、出たわき芽が細いまま止まります。遅すぎると下の節が木質化(茎が硬い木のようになること)して芽が動きません。葉が6枚そろい、株元がしっかり立ったところが分かれ目です。
- 先端の2枚上で切る
- 上から数えて2節目のすぐ上、わき芽が見えている節を残して先端を切ります。残した節から2本の枝が出ます。
- 清潔なはさみで切る
- 指でちぎると茎がつぶれて傷口が乾かず、そこから傷みます。よく切れるはさみで節のすぐ上を水平に切ります。
- 摘んだ先端は使える
- 摘心で切った先端はやわらかく香りも強い部分です。捨てずにその日の料理に使えます。これが最初の収穫になります。
摘心のあと数日は伸びが止まったように見えますが、わき芽が動き出せば以後の伸びは摘まない株より速くなります。
摘む位置は必ず節のすぐ上
切る位置を間違えると枝が増えません。節と節のあいだで切ると、残った茎の切り株が枯れ込んで見た目が悪くなり、わき芽が出るまでの時間も延びます。葉の付け根にある小さな芽を確認してから、その上で切ります。
- わき芽を確認する
- 葉の付け根をよく見ると、米粒ほどの緑の芽が対になって付いています。これが摘心後に伸びる枝です。芽が見えない節の上で切っても増えません。
- 芽の5ミリ上で切る
- 芽をつぶさない距離を残しつつ、余分な茎を残さない位置が5ミリ前後です。長く残すと切り口から茶色く枯れ下がります。
- 下葉は残しておく
- 株元の葉は光合成の担い手です。見た目のために取ると次の枝が細くなります。黄色くなった葉だけを外します。
- 切り口は乾かす
- 雨の直前に切ると切り口が湿ったままになり、そこから傷みます。晴れた日の午前中に済ませると数時間で乾きます。
摘心のはさみは株ごとに拭きます。病気の株を切った刃でそのまま次の株を切ると、切り口から病気が移ります。
摘心を重ねると枝が倍々に増える
1回の摘心で枝は2本、その2本をそれぞれ摘めば4本、次は8本と増えていきます。葉の数は枝数についてくるので、夏の収穫量はこの回数でほぼ決まります。摘心を一度もしない株との差は、最終的に数倍になります。
ただし無限には増えません。枝が細くなり葉が小さくなってきたら増やす段階は終わりです。そこからは伸びた枝を収穫として切り戻し、株の形を保ちながら採り続ける管理に切り替えます。
| 摘心の回数 | 枝の本数 | 株の様子 |
|---|---|---|
| 0回 | 1本 | 背が伸びて7月に開花して終わる |
| 1回目 | 2本 | 草丈20センチで横に広がり始める |
| 2回目 | 4本 | こんもりした形になる |
| 3回目以降 | 8本以上 | 葉が小さくなったら収穫優先へ |
繰り返す間隔は2〜3週間
次の摘心は、前回伸びた枝に葉が4枚以上ついてからです。生育の速い7月から8月なら2週間、5月や9月の涼しい時期なら3週間ほどかかります。日数ではなく葉の枚数で判断すると外しません。
| 時期 | 次の摘心までの目安 | 一度に摘む量 |
|---|---|---|
| 5月〜6月上旬 | 3週間前後 | 先端だけ |
| 6月下旬〜8月 | 2週間前後 | 枝の3分の1まで |
| 9月 | 3週間前後 | 先端と花穂 |
| 10月以降 | 摘心は打ち切る | 残りを一度に収穫 |
摘心と収穫は同じ作業です。料理に使うぶんを枝の先から切っていけば、それだけで摘心を続けたことになります。
摘心をしないとどうなるか
摘まない株は主枝が一本だけ伸び、6月から7月に先端へ花穂を上げます。花に養分が回ると葉は小さく硬くなり、茎は木のようになって、そこから新しい葉は出ません。収穫できる期間が2か月ほど短くなります。
気づいたときが遅くても手はあります。花穂ごと株の下のほうまで思い切って切り戻せば、残った節からわき芽が出て仕切り直せます。切る位置は葉が2〜3組残る高さです。
- 花が咲き始めた株
- 花穂の下2節まで切り戻します。葉を残して切れば2週間ほどで新しい枝が立ち上がり、秋まで収穫できます。
- 茎が硬くなった株
- 木質化した部分からは芽が出にくいので、緑色が残る位置まで下げて切ります。それより下しか緑がなければ株の更新をあきらめます。
摘んだ枝は挿し木で増やせる
摘心で出た枝は水に挿すだけで根が出ます。バジルは発根が早く、夏場なら一週間から10日で白い根が見えます。苗を買い足さずに株数を増やせるので、収穫が足りないときの手として覚えておくと便利です。
- 水に挿して置く
- 10センチほどの枝を切り、下の葉を落としてコップの水に挿します。明るい日陰に置き、水は毎日替えます。
- 根が2センチで植える
- 根が2〜3センチ伸びたら土に植えます。長く水に置きすぎると水中の根が土に合わず、植えた後にいったん傷みます。
挿し木は6月から8月が確実です。9月以降に増やしても、寒くなる前に十分な大きさになりません。
バジルの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
バジルの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はバジルの育て方にまとめています。
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