一年の作業を月で押さえる
バジルは寒さに弱く、日本では一年草として扱います。作業が集中するのは種まきの4〜5月と、摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)と収穫が重なる6〜9月です。10月以降は片付けと種の保存に移ります。下の表は中間地を基準にした流れです。
| 月 | 主な作業 | 目的 |
|---|---|---|
| 4月 | 室内でポットまき | 地温不足を室内で補う |
| 5月 | 定植、1回目の摘心 | 株を横に広げる |
| 6月 | 直まき、2回目の摘心 | 枝数を4本以上にする |
| 7月 | 収穫、花穂摘み、追肥 | 開花を止めて葉を出させる |
| 8月 | 収穫の最盛期、水切れ注意 | 採種株を決める |
| 9月 | 収穫、切り戻し | 秋の葉を出させる |
| 10月 | 最終収穫、採種 | 霜の前に採りきる |
| 11月〜3月 | 片付け、種の保存 | 翌春の準備 |
4月から5月は温度を待つ時期
屋外の地温が20℃に届くのは中間地で5月の連休前後です。それより早くまくなら室内かフレームに限ります。焦って屋外にまいた種は発芽せず、土の中で腐って蒔き直しになります。
- 3月下旬
- 種と品種を決めて用意します。育てる株数は摘心を続けられる数にとどめ、欲張って増やさないほうが結果はよくなります。
- 4月上旬
- 室内の窓辺でポットまきを始めます。夜間に15℃を下回る部屋なら、発泡スチロールの箱に入れて保温すると出芽がそろいます。
- 4月下旬
- 本葉が2〜4枚になった苗を、日中だけ屋外に出して外気に慣らします。いきなり定植すると葉が縮んで止まります。
- 5月上旬
- 遅霜の心配がなくなったら定植します。株間25〜30センチ、植え穴にはあらかじめ水を入れておきます。
- 5月下旬
- 本葉6〜8枚で1回目の摘心を行います。ここを飛ばすと株が縦に伸びて7月に花を上げます。
定植後に夜間10℃を下回る予報が出たら不織布をかけます。低温に当たると葉に黒い斑点が出ます。
6月から7月は枝を増やす時期
気温が上がり生育が一気に速くなります。この2か月でどれだけ枝を増やせたかが、夏の収穫量をそのまま決めます。同時に花芽も出始めるので、摘心と花穂摘みを兼ねた見回りが要ります。
- 6月上旬
- 地温が十分なので直まきの適期でもあります。この時期にまいた株は8月から収穫でき、夏後半の主力になります。
- 6月下旬
- 2回目の摘心を行い枝を4本にします。梅雨の蒸れを避けるため、株元の混んだ葉を少し外して風を通します。
- 7月上旬
- 花穂が上がり始めます。週に一度は株を上から見て、先端の葉が小さくなっている枝を2節下から切ります。
- 7月下旬
- 追肥(育てている途中で足す肥料)を入れ、水やりを朝1回から必要に応じ朝夕2回へ切り替えます。ここで水を切らすと葉が硬くなります。
梅雨明けの数日は急に日射が強まります。鉢植えは葉焼けを起こすことがあるので、数日かけて日なたに慣らします。
8月は収穫の最盛期と水切れの峠
葉が最も勢いよく出る一方、鉢植えは一日で水が切れます。夕方にしおれる日が続くと株が花を急ぎ、葉が硬くなります。収穫は多くなるので、使いきれないぶんはペーストにして冷凍へ回します。
| 時期 | 作業 | 注意点 |
|---|---|---|
| 8月上旬 | 収穫と花穂摘みを週2回 | 切った枝はその日に処理する |
| 8月中旬 | 採種株を1〜2本決める | 採種株は花穂を摘まない |
| 8月中 | 朝の水やりを欠かさない | 小鉢は朝夕2回 |
| 8月下旬 | 追肥を1回入れる | 秋の枝を出させるため |
猛暑日が続くと葉が小さくなります。株が疲れているサインなので、収穫量を落として回復を待ちます。
9月から10月で採りきる
気温が下がると生育が落ち、10月には伸びが止まります。9月のうちに切り戻して最後の枝を出させ、10月中に使うぶんを採りきります。霜に当たると株は一晩で黒く枯れるので、その前が期限です。
- 9月上旬
- 株の半分ほどまで切り戻し、追肥を入れます。2週間ほどでやわらかい葉が出て、秋のもう一山になります。
- 9月下旬
- 採種株の穂が茶色く乾いてきたら、枝ごと切って室内で乾かします。緑のうちに採ると発芽しない種が混じります。
- 10月上旬
- 最低気温が15℃を下回ったら葉の質が落ちます。大きく育った株から順に、枝ごと収穫してペーストにします。
- 10月下旬
- 初霜の予報が出たら残りをすべて採ります。株を残しても回復せず、そこから収穫できることはありません。
暖地は10日ほど遅く、寒冷地は2週間ほど早く進みます。基準は日付ではなく最低気温15℃と初霜の予報です。
11月から3月は種と土を整える
屋外の株は霜で枯れます。日本の冬は越せないので、片付けて翌春に備えるのが基本です。窓辺での冬越しは条件が厳しく、成功しても春に採れる量は新しく育てた株に及びません。
| 時期 | 作業 | 内容 |
|---|---|---|
| 11月 | 株の片付け | 枯れた株を抜き、根を残さない |
| 12月〜1月 | 種の保管 | 乾燥剤と紙袋で冷暗所へ |
| 2月 | 計画 | 品種と株数を決め種を用意する |
| 3月 | 土の準備 | 前年と同じ場所は避け堆肥を入れる |
同じ場所で毎年続けると生育が落ちます。プランターは土を入れ替え、畑では2〜3年空けると安定します。
季節の作業を外したときの手当て
バジルは一年で終わる植物なので、外した作業を来年に持ち越せません。その年のうちに帳尻を合わせる手当てがあるかどうかで、残りの収穫量が大きく変わります。
| 外したこと | 株に出ること | その年の手当て |
|---|---|---|
| 寒いうちにまいた | 発芽がそろわず苗が伸びない | 六月にまき直し、夏の収穫に合わせる |
| 摘心をせずに伸ばした | 背が高く枝数が増えない | 半分の高さで切り戻して脇枝を出させる |
| 夏に花を咲かせた | 葉が硬くなり香りが落ちる | 花穂の下で切り、肥料を足して新芽を待つ |
| 秋の採りきりが遅れた | 霜にあたって株ごと黒く枯れる | 枯れる前にまとめて採り、冷凍で残す |
手当てはどれも新芽を出させるための作業です。気温が下がりきってからでは芽が動かないので、九月中が判断の期限になります。
バジルの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
バジルの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はバジルの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。