覆土は種が隠れる程度でよい
バジルの種は光が当たると発芽が進む好光性種子です。土を厚くかぶせると光が届かず、地温が足りていても出芽がそろわないまま終わります。覆土は細かい土をふるって数ミリ、種がうっすら見え隠れする程度にとどめます。
ただし無覆土はすすめません。バジルの種は水を吸うと表面がゼリー状に膨らんで土に貼りつきますが、それでも潅水のたびに転がり、表面で乾けばそのまま死にます。薄くかけて軽く押さえ、種と土を密着させます。
- まき床を平らにする
- まき溝の底が凸凹だと種が深みに落ち、そこだけ覆土が厚くなって出芽が遅れます。指の腹か板の縁で底をならしてからまくと、芽の高さがそろいます。
- 覆土はふるって使う
- 塊のある土をそのままかけると重い粒が種の上に乗り、細いバジルの芽が持ち上げられません。目の細かいふるいを通した土かバーミキュライトを薄く振ります。
- まいた後に軽く押さえる
- 覆土のあと手のひらで押さえます。押さえずに水をやると種が浮き上がり、表面を流れて一か所に固まり、そこだけ密生します。
発芽までは表面を乾かさないことが最優先です。新聞紙や不織布をかけ、芽が見えた日のうちに外します。
地温が20℃に届くまで待つ
バジルは熱帯アジア原産で、発芽には20〜25℃の地温が要ります。15℃前後では種が動かず、湿った土の中で腐ることも珍しくありません。桜の咲くころにまいて出ないのは、種の古さではなく地温不足です。
生育適温は25〜30℃で、20℃では伸びが鈍く、15℃ではほとんど大きくなりません。あわてて4月上旬に屋外へまいても、5月にまいた株にひと月で追いつかれます。屋外の直まきは遅霜が終わってからが確実です。
| 時期 | 屋外の地温 | とるべきまき方 |
|---|---|---|
| 3月〜4月上旬 | 15℃に届かない | 室内かフレームでポットまき |
| 4月下旬〜5月 | 20℃前後まで上がる | ポットまき、霜が明ければ直まきも可 |
| 6月 | 25℃を超える | 直まきで3〜4日で発芽する |
| 7月以降 | 十分高いが生育期間が短い | 苗を買って植えるほうが早い |
直まきとポットまきを使い分ける
バジルは根を触られるのをひどく嫌う作物ではないので、どちらでも育ちます。選ぶ基準は地温と雑草です。地温が足りない時期や、まき床に草の多い場所ではポットで育ててから植えたほうが確実に立ち上がります。
- ポットまき
- 直径9センチのポットに3〜4粒まき、本葉が出たら生育のよい1本を残します。室内の窓辺や簡易フレームなら4月中旬から始められます。
- 直まき
- 地温が20℃を超えてから、20センチ間隔で3〜4粒ずつ点まきします。移植がないぶん初期の伸びが速く、間引いて1本にします。
- ばらまきは避ける
- 種が細かいので広くばらまくと密生し、間引きが追いつかずに徒長(間のびして弱く伸びること)します。点まきか条まきにして、最初から株の位置を決めておきます。
発芽までの水やりで結果が変わる
覆土が薄いぶん、表面が一度でも乾けば発芽は止まります。腰水(受け皿に水をためて下から吸わせること)か霧吹きで土の色が変わらない状態を保ちます。20℃を超えていれば3〜4日、20℃前後なら5〜7日で出そろいます。
- 腰水で下から吸わせる
- 受け皿に浅く水を張り、鉢底から吸わせます。上から強く注ぐと薄い覆土ごと種が流れ、寄った種が発芽後に押し合って倒れます。
- 芽が出たらすぐ日に当てる
- 出芽を確認したその日に日当たりへ移します。暗いまま置くと胚軸だけが伸びて倒れ、そこから太らせ直すのは難しくなります。
バジルの種には休眠がなく、条件がそろえば前年の残り種でもよく出ます。出ないときは種より温度と水を疑います。
買った苗はほぐして株数を増やせる
店で売られているバジルのポット苗は、1つのポットに数本まとめてまかれていることが多いです。そのまま植えると根が競合して細く育つので、水で土を落として株を分ければ、1ポットが3〜4株になります。
分けた株はどれも同じ大きさに育ちます。ひと株ぶんの値段で数株そろうので、プランターを埋めたいときはこの方法が一番安く早い手です。ただし低温期にやると根が動かず、そこで止まります。
- 根鉢を水でほぐす
- バケツの水にポットごと浸けて土をやさしく落とします。乾いたまま引き裂くと細根がちぎれ、植えた後の立ち上がりが遅れます。
- 茎の付け根で分ける
- 根元をたどって株ごとに分けます。無理に引かず、絡んだ根は指でほどきます。1本に葉が3〜4枚と白い根があれば十分です。
- 植えたら数日は日陰へ
- 植え付け後は明るい日陰に置き、水を切らさずに養生します。いきなり強い日に当てるとしおれ、回復に一週間かかります。
株分けは気温が20℃を超えてから行います。5月前半までの寒い日に分けると根が動かず、そのまま枯れ込みます。
株間は25〜30センチとる
1株が横に大きく広がるので、詰めて植えると下葉が蒸れて黒く落ちます。摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)を繰り返すほど枝数が増えていくため、最終の株間は畑で25〜30センチ、プランターでも20センチ前後は確保します。
| 植え場所 | 株間 | 1株あたりの土の量 |
|---|---|---|
| 畑・花壇 | 25〜30センチ | 制限なし |
| 65センチプランター | 20センチで3株 | 4リットル前後 |
| 丸鉢の単植 | 1鉢1株 | 直径21センチ以上 |
密植すると葉が小さくなり香りも弱まります。数を採りたいときは株を増やすより、1株を大きくして摘心を重ねます。
芽が出ないときの原因を探す
十日たっても芽が見えないときは、地温・覆土・水の三つを順に確かめます。掘り返して種を見たくなりますが、動かした種はまず育たないので、条件を直して待つほうが結果は早くなります。
- 地温が足りていない
- 二十度に届かない土では一週間たっても種が動きません。土に指を差して冷たさが残るなら、ポットにまき直して暖かい場所で待ちます。
- 覆土が厚すぎる
- 五ミリを超えると光も空気も届かず出芽が落ちます。表面の土をそっと払い、種がうっすら透けて見える程度まで薄くします。
- 一度でも乾かした
- 発芽までに表面が乾くと種はそこで止まります。新聞紙をかけて湿りを保ち、朝と夕に霧吹きで水気を足してください。
- まき直しの見切り
- 条件を直して十日待っても一本も出なければ種を替えます。六月までにまき直せば夏の収穫には十分間に合います。
古い種は発芽率が落ちます。前年に開けた袋を使うときは、いつもより多めにまいて出た数で調整してください。
種まきの手順
バジルは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
バジルの種まきでよくある質問
バジルの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
バジルの種はどうやってまく?
点まき / 条まきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
バジルの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
バジルの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
バジルは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
バジルの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
バジルの種まきに使うもの
ハーブの種は小さく、光を好むものが多いので、土をほとんどかけません。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ないもの。
粗い土だと、細かい種が粒の隙間に落ちて深く埋まってしまいます。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいもの。
土をかけない種は、ジョウロだと流れます。発芽までは霧で与えます。
- 浅い育苗箱・セルトレイ探す言葉「セルトレイ 育苗 128穴」
- 規格の目安
- 深さ 5cm 前後の浅い箱か、128 穴のセルトレイ。
種が小さいうちは深い容器は要りません。浅いほうが地温も上がりやすくなります。
- 苗を買って育てるなら、種まきの資材は要りません。多年草のハーブは苗のほうが早いです。
- ポットに直まきできる大きさの種なら、セルトレイは要りません。
バジルの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はバジルの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。