採りどきの見分け方
ヤマモモの実は六月中旬から下旬に色づき、赤から赤黒くなったころが完熟です。赤いうちは酸味が強く、黒みがかると甘みが乗ります。熟した実は二日から三日で自然に落ちるので、色づいたら毎日採ります。品種によって最も甘くなる色が違い、瑞光は暗赤色、森口はやや明るい赤で熟します。
一本の樹でも枝によって熟す時期がずれ、日当たりのよい南側から色づきます。全体が色づくのを待つと先に熟した実が落ちてしまうので、樹全体ではなく実ごとに色を見て採ります。
| 見た目 | 状態 | 判断 |
|---|---|---|
| 緑から赤みが差し始める | 未熟 | 採らない。酸味が強い |
| 全体が鮮やかな赤 | やや早い | ジャムや果実酒向き |
| 赤黒く粒の突起がふっくら | 完熟 | 生食に最適。その日に採る |
| 黒ずんで柔らかく落ちている | 過熟 | 傷んでいなければジャムに |
軽く指で触って柔らかさを感じ、軸から簡単に外れるようなら完熟です。引っ張らないと取れないうちはまだ早いです。
採り方と受け方
実は軸が短く枝に直接ついているので、指で軽くつまんでひねると外れます。柔らかい実は握るとつぶれるので、指先で軽く持ちます。高い枝の実は枝を揺すって下に広げたシートで受けると効率よく採れます。
- 朝のうちに採る
- 日中に温まった実は柔らかくつぶれやすいです。朝の涼しいうちに採り、すぐ日陰に置きます。
- シートで受ける
- 樹の下にブルーシートや古いシーツを広げ、枝を軽く揺すって熟した実だけを落とします。未熟な実は揺すっても落ちません。
- 浅い容器に入れる
- 深い容器に重ねると下の実が自分の重さでつぶれます。ざるや浅いトレイに一段か二段で並べ、日陰に置いてすぐ台所へ運びます。
- 落ちた実を毎日片づける
- 地面に落ちた実は虫を呼び、道路や車を汚します。採り残しと落果は毎日拾って処分します。
食べる前の下処理
ヤマモモの実は表面がでこぼこしており、小さな虫が入り込んでいることがあります。食べる前に水で洗い、薄い塩水に十分ほど浸けて虫を出します。浮いてきたごみと虫を捨て、もう一度水で洗ってから食べます。
- 塩水に浸ける
- 水一リットルに塩小さじ一杯ほどの塩水に十分浸けます。中に虫がいれば出てきます。長く浸けると味が落ちます。
- 水気を切る
- ざるに上げて水気を切り、キッチンペーパーで軽く押さえます。濡れたまま置くとすぐ傷みます。
実の表面の突起の間に入り込んだ小さな虫は洗っても取れません。塩水に浸けたあと、目で見て確かめてから食べると安心です。気になる場合は加熱してジャムにします。
保存と加工
生の実は冷蔵庫でも二日程度しか持ちません。食べ切れない分はその日のうちに加工します。果実酒とジャム、冷凍の三つが定番で、果実酒は色がきれいに出るので家庭でよく作られます。
ジャムにするときは種が大きいので、軽く煮て裏ごしすると果肉だけ取れます。砂糖の量は好みですが、少なすぎると日持ちしません。
| 用途 | 作り方の要点 | 日持ち |
|---|---|---|
| 生食 | 塩水に浸けて洗い冷蔵 | 2日 |
| 冷凍 | 洗って水気を切り袋に入れる | 半年。凍ったままジュースに |
| ジャム | 種を取り砂糖を実の半量ほど加えて煮る | 冷蔵で1か月 |
| 果実酒 | 実と氷砂糖を焼酎に漬け3か月置く | 1年以上 |
果実酒の実は三か月で取り出します。入れたままにすると濁りと苦みが出ます。
採り終えたあとの管理
収穫が終わった七月上旬が剪定の適期です。実をならせた枝を軽く切り戻して枝を更新し、混んだ枝を抜きます。地面の落果と落ち葉を片づけ、鉢植えは少量の肥料を置いて樹を回復させます。
- 落果と落ち葉を片づける
- 株元に残った実と葉を集めて処分します。放置すると小バエと病気の元になり、翌年の害虫が増えます。堆肥には入れません。
- 剪定する
- 収穫直後に混んだ枝を抜き、高さを切り戻します。七月上旬までに終えると秋までに枝が固まります。
- 鉢植えは肥料を置く
- 鉢の縁に緩効性肥料を指でつまむ程度、二か所か三か所に置きます。地植えの成木には与えません。実をならせた樹の回復を助ける目的です。
実がつかない・落ちるときの切り分け
花が咲いても実がつかない、実が小さいうちに落ちるといった問題は、受粉、樹齢、肥料、水のどれかに原因があります。症状を見て一つずつ切り分け、翌年に向けて直します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花は咲くが実が全くつかない | 雄株か、雄株の花粉が届いていない | 雄株を近くに植えるか、雄枝を接ぐ |
| 植えて数年たつが花も咲かない | 樹が若い・実生苗 | 接ぎ木苗は3〜5年、実生は10年待つ |
| 実がつくが小さい | 実の数が多すぎる | 5月に一か所2〜3個に摘果する |
| 昨年は大量、今年はゼロ | 隔年結果 | 摘果と収穫後の剪定で枝を更新する |
| 6月に実が落ちる | 乾燥 | 株元を覆い、水を与える |
ヤマモモの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
ヤマモモの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヤマモモの育て方にまとめています。
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