症状から原因を見分ける
ヤマモモの病害虫は種類が少なく、枝のこぶと虫の付着が主なものです。実が落ちる、葉が黄色くなるといった症状は病気より管理の問題で起こることが多いので、見た目と時期で切り分けます。
| 症状 | 原因 | 出やすい時期 |
|---|---|---|
| 枝に硬いこぶができ先が枯れる | こぶ病(枝のがんしゅ病) | 通年。梅雨に広がる |
| 枝や葉裏に白や茶色の殻が並ぶ | カイガラムシ | 5〜7月に幼虫が増える |
| 葉が黒いすすで汚れる | カイガラムシの排せつ物によるすす病 | 夏〜秋 |
| 実に小さな穴があき中に幼虫 | ミバエ類 | 6月の収穫期 |
| 小さな実が5月に大量に落ちる | 生理落果(自然な間引き) | 5月 |
| 葉が黄色く枝が伸びない | 水はけ不良か根の傷み | 梅雨明け・植え付け後 |
こぶ病は見つけたら切る
枝にこぶ状のふくらみができ、こぶより先が枯れる病気です。細菌が原因で、雨や剪定ばさみを通じて広がります。薬で治す方法がなく、こぶのある枝を切り取ることが唯一の対策です。放置すると幹まで広がって樹全体が弱ります。
- こぶを見つけたら根元で切る
- こぶの十センチ以上下で枝を切ります。こぶのすぐ下で切ると内部に残った細菌から再発します。切った枝は庭に置かず、袋に入れて捨てます。
- はさみを消毒する
- こぶを切ったはさみは、次の枝を切る前に消毒用アルコールで刃を拭きます。健全な枝に移すのを防ぎます。
- 梅雨前に見回る
- 雨で広がるので、梅雨入り前に樹全体を見て小さなこぶも切っておきます。切り口には癒合剤を塗ります。
苗を買うときも枝にこぶがないか確かめます。こぶのある苗は最初から病気を持ち込むことになります。
カイガラムシとすす病
枝葉が混んで風通しが悪いとカイガラムシが増えます。成虫は殻に守られて薬が効かないので、歯ブラシでこすり落とすのが確実です。五月から七月に出る幼虫は殻がなく薬が効くので、この時期に果樹用の殺虫剤を使います。カイガラムシの排せつ物で葉が黒く汚れるすす病は、虫を減らせば自然に消えます。
- こすり落とす
- 枝に並んだ殻を古い歯ブラシでこすり落とします。落とした虫は再びつかないので、そのまま地面に落として構いません。
- 幼虫の時期に薬を使う
- 五月から七月に、果樹に使える殺虫剤を葉裏と枝に散布します。二週間おきに二回行うと効果が上がります。
- 冬に機械油乳剤を使う
- 落葉しない樹ですが、一月から二月に果樹用の機械油乳剤を散布すると越冬中の虫を減らせます。
- 枝を透かす
- 七月の剪定で内側の枝を抜き、風が通る樹形にします。風通しがよいと翌年の発生が減ります。
実の害虫
熟した実にミバエやショウジョウバエが産卵し、実の中に小さな幼虫が入ることがあります。実の表面に小さな穴や柔らかくなった部分があれば中を確かめます。防ぐには熟した実を早く採り、落ちた実を放置しないことです。収穫した実は塩水に十分ほど浸けると中の虫が出てきます。
| 見た目 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 実に小さな穴・柔らかい部分 | ミバエ類の幼虫 | 熟したらすぐ採る。落果を毎日片づける |
| 実の周りに小バエが群がる | ショウジョウバエ | 落ちた実を片づける。収穫後は塩水に浸ける |
| 鳥が実をつつく | ヒヨドリなど | 色づき始めたら防鳥ネットをかける |
病気ではない障害
実が落ちる、葉が黄色くなるといった症状の多くは病気ではありません。五月に小さな実が大量に落ちるのは生理落果で自然なものです。六月に肥大した実が落ちるのは水切れ、葉の黄化は水はけや根の問題です。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 5月に小さな実が大量に落ちる | 生理落果 | 自然な間引き。残った実を摘果する |
| 6月に大きくなった実が落ちる | 乾燥 | 株元を覆い、雨がなければ水を与える |
| 葉が黄色く枝が伸びない | 水はけ不良 | 株元に溝を掘って水を逃がす。鉢は植え替える |
| 葉が濃く実がつかない | 肥料過多 | 肥料を止める |
| 冬に葉が茶色くなる | 寒風 | 寒冷紗で風をよける。春に新芽が出れば回復 |
隔年結果で実の少ない年も病気ではありません。摘果と収穫後の剪定で翌年に戻します。
薬を使うときの注意
ヤマモモは家庭園芸向けの登録農薬が少ない果樹です。使うときは果樹類に使えると表示のある製品を選び、収穫前の日数を守ります。実を食べる樹なので、収穫の一か月前からは薬を使わず、物理的な対策を優先します。
- 表示を確かめる
- 製品の適用作物に果樹類の記載があるものを使います。収穫前日数の表示を見て、六月の収穫に間に合う時期に使います。
- 散布は朝か夕方に
- 風のない朝か夕方に、葉裏と枝まで薬液をかけます。日中の高温時に散布すると葉が焼けて薬害が出るので避けます。
- 収穫期は薬を使わない
- 五月下旬以降は殺虫剤を使わず、防鳥ネットや落果の片づけといった物理的な方法で対処します。実に薬がかからないことを優先します。
ヤマモモの収穫までのコツは作物ページに
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