剪定の時期と切ってよい量
ヤマモモの花芽は、春に伸びた枝が夏に固まり、秋に葉の付け根につきます。翌春に葉腋の花芽から花が咲くので、秋以降に枝先を切ると花芽を落とします。剪定の適期は収穫直後の七月と、芽が動く前の三月上旬です。常緑樹で寒さにやや弱いため、冬の強い剪定は避けます。
| 時期 | 剪定の内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 3月上旬 | 混んだ枝を抜く軽い剪定 | 花芽のついた枝先は切らない |
| 7月(収穫直後) | 主な剪定。高さを抑える | 強く切っても秋までに枝が固まる |
| 9〜2月 | 枯れ枝を切る程度 | 花芽形成中と寒さで傷む時期 |
ヤマモモは太い枝を切っても枯れ込みにくく、切り口の下から芽が吹きます。大きくなりすぎた樹も切り戻せます。切る量に迷ったら、その年は三分の一までと決めて様子を確かめます。
目標の樹形
庭では高さ二メートルから三メートル、鉢植えでは一メートル二十センチ前後の丸い樹形を目指します。ヤマモモは枝が密に出て自然に丸くまとまるので、主幹を一本立てて主枝を三本から四本出す自然形か、幹を短く止めて横に広げる開心形(中心を開いて日が入る形)のどちらかにします。
- 主幹を止めて高さを決める
- 植え付けて二年目の七月、目標の高さの六割ほどで主幹を切ります。切り口の下から出た枝のうち、方向の違う三本から四本を主枝にします。
- 主枝の先端を毎年少し切る
- 主枝が三十センチ以上伸びたら、先端を十センチほど切り戻します。枝先が増えて低い位置に葉が茂ります。
- 内側の枝を抜く
- 常緑で葉が密になると内側に日が入らず、内側の枝が枯れ上がります。交差する枝や内向きの枝を付け根から切ります。
実がつく枝の残し方
花芽は前年の春から夏に伸びた充実した枝の葉腋につきます。細くて長く伸びた徒長(勢いよく上へ伸びすぎること)した枝には花芽がつきにくく、日当たりのよい中くらいの太さの枝に多くつきます。剪定では徒長枝を切り、中くらいの枝を残すのが基本です。
| 枝の姿 | 花芽のつき方 | 扱い |
|---|---|---|
| 鉛筆ほどの太さで20〜30センチ | よくつく | 残す。先端を軽く切ってもよい |
| 細く50センチ以上真上に伸びる | ほとんどつかない | 付け根から切るか半分に詰める |
| 内側の日陰にある細い枝 | つかない | 付け根から切る |
| 昨年実がなった枝 | その年はつきにくい | 軽く切り戻して更新する |
実をつけた枝は翌年に休みやすく、隔年結果(実の多い年と少ない年が交互に来る)の原因になります。収穫後の切り戻しで枝を若返らせます。
収穫後の剪定手順
七月上旬に収穫が終わったら、その年一番の剪定をします。夏に切ると切り口から新枝が伸び、秋までに固まって翌年の花芽を持ちます。八月以降に切ると新枝が固まらず、花芽が少なくなります。
- 枯れ枝と混んだ枝を抜く
- 内側の枯れ枝、交差する枝、下向きの枝を付け根から切ります。樹の中に手を入れて外が見える程度まで透かします。
- 高さと幅を切り戻す
- 目標より高い枝は、目標の高さで葉の付け根の上を切ります。切った所の下から複数の芽が出るので、切り口は外向きの葉の上にします。
- 徒長枝を処理する
- 真上に長く伸びた枝は付け根から切ります。空いた場所を埋めたいときだけ、三分の一の長さに詰めて枝分かれさせます。
- 切り口の手当て
- 親指より太い枝の切り口には癒合剤を塗ります。ヤマモモは乾燥に弱く、大きな切り口から枯れ込むことがあります。
大きくなりすぎた樹を小さくする
五メートルを超えた樹も、二年から三年かけて切り戻せば二メートル台に戻せます。ヤマモモは太い幹を切っても幹の途中から新芽が出る性質があり、常緑樹の中では強剪定に耐える方です。ただし一度に全部を切ると葉がなくなって弱るので、一年に樹の三分の一までにとどめます。
- 一年目は主幹を切る
- 七月に主幹を目標の高さで切り、側枝は残します。葉を全部落とさないことが大事で、下の枝の葉で樹を養います。
- 二年目に側枝を詰める
- 主幹の切り口から出た新枝が固まったら、残していた高い側枝を目標の幅まで切り戻します。
- 三年目に樹形を整える
- 新枝の中から主枝を選び直し、混んだ枝を抜きます。枝が鉛筆の太さになっているかを目安に、細い枝はさらに一年待ちます。この年から実が戻ってきます。
強く切った年は実がほとんどつきません。三年計画で戻すと決めてから始めます。
切ったあとうまくいかないときの手当て
剪定後に枝が枯れ込む、翌年に花がつかないといった問題は、切る時期か切る量に原因があります。枝の姿を見て症状から切り分け、翌年の剪定で戻します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 切り口から枝が枯れ込む | 冬の剪定か太い切り口の乾燥 | 枯れた部分を生きた芽の上で切り直し、癒合剤を塗る |
| 翌年に花がつかない | 秋以降に枝先を切った | 翌年は7月の剪定だけにする |
| 細い枝ばかり出て実がつかない | 強く切りすぎた | 2年間は軽い剪定にして枝を固める |
| 内側が枯れて外だけ葉がある | 透かし不足 | 7月に内側の枝を抜いて日を入れる |
ヤマモモの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ヤマモモの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヤマモモの育て方にまとめています。
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