場面ごとの水の与え方
パプリカで最も多い失敗は、実の先が黒くへこむ尻腐れです。原因のほとんどは水の切れで、土に石灰が入っていても水が動かないとカルシウムが実まで届きません。水を一定に保つことが、そのまま対策になります。
露地では梅雨明けから注意が必要です。真夏に一週間雨がない日が続いたら、夕方に株元へたっぷり与えてください。少量を毎日与えるより、間隔を空けてたっぷり与えるほうが根が深く張ります。
| 場面 | 水やりの目安 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 植え付け後2週間 | 表面が乾いたら | 与えすぎると根が浅くなる |
| 梅雨 | 基本は与えない | 畝を高くして水を抜く |
| 盛夏の露地 | 1週間雨がなければ | 夕方に株元へたっぷり。切らさない |
| 盛夏のプランター | 朝と夕方 | 鉢底から流れるまで。乾湿の差を作らない |
| 実が肥大する時期 | 特に切らさない | 水切れが尻腐れに直結する |
追肥は一番果がふくらんだころから
追肥(育ちの途中で足す肥料)は、最初の実が卵ほどにふくらんだころに始めます。パプリカは実が大きく、色づくまで五十日以上かかるので、収穫が始まる前から相当量の養分を使っています。
以後は二週間おきに、収穫が終わるまで切らさずに続けます。とくに色づき始めた実が株についている時期は消耗が激しく、肥料を切らすと次の花が止まって収穫がぱたりと終わります。
- 一番果を確かめる
- 最初に残した実が卵ほどの大きさになったら追肥の合図です。それより早く与えると枝葉ばかり伸びます。
- 株元から離してまく
- 化成肥料を一株あたり大さじ一杯ほど、枝先の真下あたりにまきます。株元に直接置くと根が傷みます。
- 2週間おきに続ける
- 以後は二週間おきに続けます。色づきを待つあいだも株は養分を使い続けているので、休ませません。
- カルシウムを補う
- 尻腐れが出やすい畑では、カルシウムを含む肥料を混ぜます。ただし水切れを直さないと効果は出ません。
葉の見た目で肥料の過不足を読む
パプリカは肥料が多すぎると花が落ち、少なすぎると実が小さいまま色づいてしまいます。株の先端近くの若い葉を見ると、そのときの状態がよく分かります。暦ではなく葉で決めてください。
| 見た目 | 考えられること | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が大きく濃い緑で花が落ちる | 肥料が多い | 追肥を一回とばし、水も控える |
| 下葉から黄色くなる | 肥料切れ | すぐ追肥して水を与える |
| 葉が小さく色が薄い | 根の傷み | 水を控えて根を休ませ、薄い液肥にする |
| 葉が内側に巻く | 乾きか高温 | 敷き藁をして夕方にたっぷり与える |
| 葉脈の間だけ黄色い | 微量要素の不足 | 堆肥を足し、バランスの取れた肥料に替える |
実の数を制限して株を守る
パプリカは色づくまで長く実を抱えるため、一度に多くつけると株が疲れて後半が続きません。一株あたり同時に育てる実は、中玉なら五個から八個、大玉なら三個から五個までにとどめるのが目安です。
形の悪い実や、小さいまま止まっている実は早めに取り除きます。残した実に養分が集まり、色づきも早くなります。株の姿を見て、葉の勢いが落ちてきたら実を減らす判断をしてください。
- 実の数を数える
- 株についている実を数えます。中玉で八個を超えているなら、形の悪いものから取り除きます。
- 小さいまま止まった実を取る
- 二週間見ても大きくならない実は取ります。養分を使うだけで、色づきまでたどりつきません。
- 葉の勢いで判断する
- 先端の新しい葉が小さくなってきたら株が疲れています。実を減らし、追肥を入れて立て直します。
プランターでの水と肥料
パプリカを鉢で作るなら、一株につき二十リットル以上の容量が必要です。ピーマンより実が大きく、根も張るためです。小さい鉢では真夏に水が切れ、尻腐れが必ず出ます。
水やりのたびに肥料が流れ出るので、液体肥料を週に一回、水やり代わりに与えると切らさずに済みます。固形肥料も月に一回置き足してください。
- 20リットル以上を選ぶ
- 深さ三十センチ以上、容量二十リットル以上の鉢にします。小さい鉢は真夏に水が切れて尻腐れが出ます。
- 液肥を週に一回
- 規定倍率に薄めた液体肥料を週に一回、水やり代わりに与えます。固形は月に一回置き足します。
- 鉢を浮かせて日よけ
- 煉瓦で鉢底を浮かせ、鉢の側面に日よけを立てます。根の温度が下がると水の吸い方が安定します。
花が落ちて実がつかないときの原因
パプリカは真夏の高温で花が落ちます。三十五度を超える日が続くと花粉が働かず、咲いてもそのまま落ちます。これは異常ではないので、九月の再開に備えて株を保つことに切り替えてください。
| 原因 | 起きている場面 | 手当て |
|---|---|---|
| 真夏の高温 | 35度を超える日が続く | 寒冷紗で日をやわらげ、水を切らさない |
| 肥料が多すぎる | 葉が濃く大きく茂っている | 追肥を止め、水も控えて落ち着かせる |
| 実をつけすぎ | 色づき待ちの実が多い | 青採りして株を軽くする |
| 水切れ | 花が咲いた翌日に落ちる | 敷き藁をして水の間隔を詰める |
| 日照不足 | 梅雨で日が出ない | 枝を整理して光を入れる。回復を待つ |
八月に止まっても、九月に涼しくなると再び花がつきます。夏の落花で見切らず、株を守っておくと十月まで穫れます。
パプリカの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
パプリカの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパプリカの育て方にまとめています。
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