症状から原因を見分ける
ブラックベリーの不調は、実の腐り、葉の斑点、枝の枯れ、実の色抜けに大きく分かれます。それぞれ原因が違うので、まず表で当てはまる症状を探してから手当てします。
見分けの順番は、まず実、次に葉、最後に枝です。実だけが傷んでいれば天候や鳥虫、葉に斑点が広がるなら病気、枝の先から枯れ込むなら枝枯れ病かカミキリムシと、傷んでいる部位で大きく切り分けられます。
| 症状 | 考えられる原因 | 出やすい時期 |
|---|---|---|
| 熟しかけの実に灰色のかび | 灰色かび病 | 梅雨から収穫期 |
| 葉に紫色の縁取りの斑点 | 褐斑病 | 梅雨〜秋 |
| 枝に紫の斑ができ先が枯れる | 枝枯れ病 | 夏から秋 |
| 粒の一部が赤や白のまま硬い | 日焼け、または赤色不熟 | 7月〜8月の晴天続き |
| 新芽が縮れ、葉が丸まる | アブラムシ、ハダニ | 4月〜9月 |
灰色かび病と実の腐り
梅雨と収穫期が重なるため、熟しかけの実にかびが出やすくなります。菌は花に付いて実の中で待ち、熟して糖度が上がると発症します。開花期の雨よけと、風通し、熟した実をためないことが予防の柱です。
- 開花中の雨を避ける
- 開花期に傘状の雨よけをかけるか、鉢を軒下に置きます。花に菌が付くのを減らせます。
- 枝を間引いて風を通す
- 混んだ側枝と地面に近い枝を切り、実が風に当たるようにします。地面に触れる実は必ず腐ります。
- 腐った実は毎日取る
- かびの出た実は見つけ次第つまみ取り、袋に入れて処分します。残すと隣の実に広がります。
- ひどいときは殺菌剤
- 毎年出るなら開花前後に果樹用の殺菌剤をかけます。収穫前の使用制限日数を守ります。
熟した実を枝に残すほどかびが増えます。収穫期に二〜三日おきに見回れないときは、少し早めに摘んで加工に回した方が、株全体の腐りを防げます。
枝の病気
枝に紫や黒の斑が出て先が枯れる枝枯れ病は、傷や摘心(枝先を摘んで伸びを止めること)の切り口から入ります。実った枝の残骸が発生源になるので、収穫後の古枝の除去が予防です。斑の出た枝は健全な所まで切り戻します。
摘心は晴れた日の午前中に行うと切り口が早く乾き、菌が入りにくくなります。雨の前後に切った枝ほど斑が出やすいので、天気を見て日を選びます。
- 斑の出た枝を切り戻す
- 紫の斑から10センチ以上下の健全な所で切り、切り口を乾かします。切った枝は処分します。
- 古枝を残さない
- 実った枝は収穫後すぐに根元から切り、切った枝は畑の外で処分します。冬まで残すと枯れた枝の中で菌が増え、春に新しい枝へ移ります。
- はさみを消毒する
- 病枝を切ったはさみは、次の株や健全な枝に移る前に消毒用のアルコールで拭くか、熱湯をかけて消毒します。菌が刃に付いたまま切ると切り口から広げてしまいます。
主な害虫
被害が大きいのは、熟した実を食べるコガネムシと、葉の裏で増えるハダニ、新芽に付くアブラムシです。幹の中に入るカミキリムシの幼虫は株を枯らすことがあるので、株元の木くずに注意します。
コガネムシは実だけでなく、幼虫が土の中で根を食べます。鉢植えで水をやっても葉がしおれ、株がぐらつくなら幼虫を疑い、鉢から抜いて土の中を確かめます。白い幼虫がいたら取り除き、新しい土で植え直します。
| 見た目 | 害虫 | 対処 |
|---|---|---|
| 熟した実がかじられ緑の甲虫がいる | コガネムシ | 朝に手で捕殺し、防虫ネットをかける |
| 葉が白くかすれ裏に細かい虫 | ハダニ | 葉裏に水をかけて洗い流す。乾燥期に多い |
| 新芽に小さな虫が群がる | アブラムシ | 水で流すか野菜用の殺虫剤 |
| 株元に木くず | カミキリムシの幼虫 | 穴に針金を入れて刺すか専用の殺虫剤を注入 |
| 実が黒くなる前に食われる | 鳥 | 色づき始めに防鳥ネット |
鳥は実が黒くなる前の赤い時期から目を付けます。ネットは色づき始めに張り、実に触れないよう支柱で浮かせると、網越しにつつかれません。
日焼けと色抜け
粒の一部が赤や白のまま硬く残る症状は病気ではなく、強い日差しと高温が原因です。西日の当たる側の実に集中して出るなら日焼けと判断できます。寒冷紗で午後の日を遮り、水切れを防ぐと減ります。
- 出ている場所を確かめる
- 西側や上部の実だけに出ているなら日焼けです。全体にまんべんなく出るなら水切れや肥料の偏りを疑います。
- 寒冷紗で遮る
- 遮光率30〜50パーセントの寒冷紗を西側に張ります。上から覆うと蒸れるので側面だけにします。
- 傷んだ粒は使い道を変える
- 白い粒の混じる実は生食には向きませんが、ジャムやソースにすれば問題なく使えます。白い粒だけを指で取り除いてから煮ると、色も味も変わりません。
薬に頼らない予防の手順
ブラックベリーは丈夫なので、基本の管理を続ければ農薬をほとんど使わずに済みます。病気は枯れ枝と落ち葉、害虫は落ちた実と乾燥した葉裏で増えるので、それらを残さないことが予防のほぼすべてです。年間を通した予防の手順を整理します。
| 時期 | 予防の内容 | ねらい |
|---|---|---|
| 冬 | 枯れ枝と落ち葉の処分、株元の敷きわらの入れ替え | 菌と虫の越冬を減らす |
| 春 | 芽の整理、混んだ枝の間引き | 風通しを確保する |
| 開花期 | 雨よけ、防鳥ネットの準備 | 灰色かび病と鳥害を防ぐ |
| 収穫期 | 毎日の収穫と腐った実の除去 | 実の腐りの連鎖を止める |
ブラックベリーの収穫までのコツは作物ページに
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