枝の年齢を見分ける
ブラックベリーの枝には、その年に株元から伸びた一年目の枝と、前年に伸びて今年花を咲かせる二年目の枝があります。実を付けた二年目の枝は収穫後に枯れるので、切り取ります。この見分けができれば剪定の大半は終わりです。
迷ったら春先に見ると分かりやすいです。二年目の枝は側枝の先に花のつぼみを付けますが、一年目の枝は株元から緑の芽として顔を出したばかりで、まだ花を持ちません。花の有無で年齢が決まると覚えておけば、収穫後にどちらを切るかで迷わずに済みます。
| 枝の姿 | 年齢 | 扱い |
|---|---|---|
| 緑から赤みのある枝で、花も実もない | 一年目 | 残して来年の実の元にする |
| 茶色で、花や実、または実の跡がある | 二年目 | 収穫が終わったら根元から切る |
| 灰色でかさかさに乾き、芽が動かない | 枯れ枝 | いつでも根元から切る |
収穫後の剪定
収穫が終わる8月ころ、実を付けた枝を根元から切ります。放っておくと自然に枯れますが、枯れ枝は病気と虫のすみかになり、新しい枝の風通しも悪くします。切った後は残った一年目の枝を整理して、翌年の骨格を作ります。
- 実った枝を根元から切る
- 実の跡がある茶色の枝を、地際で切ります。中途半端に残すと切り株から細い芽が出て混みます。
- 一年目の枝を選ぶ
- 株元から出た新しい枝のうち、太くて充実したものを一株あたり4〜6本残し、細いものや地下茎から離れた所に出たものは切ります。
- 残した枝を誘引する
- 残した一年目の枝を垣根の針金や支柱に扇状に広げて結びます。上下に重ならないように振り分けると、翌年の実に光が当たります。
とげあり品種は切った枝を放置すると後で手を刺します。切った枝はその場で束ねて袋に入れ、畑に残さないようにします。
夏の摘心で実る枝を増やす
一年目の枝は放っておくと三メートル以上伸びます。高さ1〜1.5メートルになったら先端を摘心(枝先を摘んで伸びを止めること)すると、わき芽が伸びて枝分かれし、翌年の花芽が増えます。立性の品種はこれで支柱なしでも自立します。
摘心の時期を逃して枝が2メートルを超えたら、その時点で作業できる高さまで切り戻してかまいません。遅い摘心でも側枝は出ますが、伸びる期間が短いぶん翌年の花芽は少なめになります。8月以降の摘心は側枝が固まらないまま冬を迎えるので、それ以降は冬まで待ちます。
- 高さを決めて先端を摘む
- 枝が1〜1.5メートルに達した6月から7月に、先端を10センチほど切ります。作業しやすい高さで止めるのがこつです。
- 出てきた側枝を整える
- 摘心後に出る側枝は、30〜40センチになったらもう一度先端を摘みます。長く伸ばしすぎると冬に絡み合います。
- 細い側枝は取る
- 鉛筆より細い側枝や、地面に近い所から出た側枝は根元から取ります。実が地面に触れて汚れる原因になります。
冬の仕上げの剪定
落葉した12月から2月に、残した枝の先端の細い部分を切り戻し、側枝を30〜40センチに切りそろえます。ここでは太い枝を減らすのではなく、花が咲く位置を整えるのが目的です。切りすぎると実の数が減ります。
| 場面 | 切る位置 | 理由 |
|---|---|---|
| 枝先が細く弱い | 充実した所まで切り戻す | 細い先端の花は小さく実らない |
| 側枝が長い | 30〜40センチで切る | 花の数を絞って実を大きくする |
| 枝が混み合う | 下向きや内向きの枝を根元から | 風を通し病気を減らす |
| 株が老いて枝が細い | 地下茎から出た若い株に更新 | 3〜4年で株を入れ替える |
誘引と支柱の作り方
ほふく性や半立性の品種は、支柱がないと枝が地面をはって実が汚れます。二本の杭の間に針金を二段から三段張った垣根仕立てが基本です。鉢なら行灯仕立てにして枝を巻き付けます。誘引の際は枝が太る余裕を残して結びます。
鉢植えの行灯仕立てでは、枝を支柱にらせん状に巻き付けていきます。巻く向きを一定にし、二年目の枝と一年目の枝で巻く段を分けると、収穫後に古い枝だけをほどいて切れます。枝が固くなる秋以降に無理に曲げると折れるので、柔らかい初夏のうちに巻きます。
- 杭と針金を立てる
- 株の両側1メートルの所に高さ1.5メートルの杭を立て、地上60センチと120センチに針金を張ります。
- 一年目の枝と二年目の枝を分ける
- 実る二年目の枝を片側に、新しい一年目の枝を反対側に振り分けると、収穫と剪定が楽になります。
- 麻ひもで八の字に結ぶ
- 枝と針金の間に隙間を残して八の字に結びます。きつく縛ると枝が食い込んで折れます。
切り間違えたときの立て直し
一年目の枝を実った枝と間違えて切ってしまうと、翌年の実がなくなります。ただ、株元から次々に新しい枝が出るので、一年遅れるだけで株は元に戻ります。切り方の失敗ごとに、どう戻すかを整理します。
| 失敗の姿 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 春に花が全く咲かない | 一年目の枝を冬に切ってしまった | 今年出た枝を摘心して育て、翌年に備える |
| 枯れ枝が残って病気が出る | 収穫後の剪定を忘れた | 気付いたときに根元から切って処分する |
| 枝が細く花が小さい | 枝を残しすぎた | 一株4〜6本に減らし、側枝も間引く |
| 株元から芽が出ない | 深植えか老化 | 株を掘り上げて若い部分を植え直す |
ブラックベリーの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ブラックベリーの収穫までのコツは作物ページに
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