品種はとげの有無と枝の性質で選ぶ
ブラックベリーはとげのある品種とない品種、枝が立つタイプと地面をはうタイプがあります。家庭では作業のしやすさが最優先なので、とげなしで枝が半ば立つ品種を選ぶと、誘引も収穫も楽になります。
日本の夏の暑さと梅雨には比較的強く、ラズベリーより育てやすい果樹です。一株で実がなるので、受粉用の別品種は要りません。ただし品種名の札がない安売り苗は、とげの有無も枝の性質も分からないまま育てることになるので、最初の一株は品種名の付いた苗を選びます。
| タイプ | 代表的な品種 | 特徴と向き不向き |
|---|---|---|
| とげなし・半立性 | ソーンフリー、トリプルクラウン | 扱いやすく実も大きい。最初の一株向き |
| とげなし・立性 | ナバホ、アパッチ | 支柱が少なくて済む。鉢植えにも向く |
| とげあり・ほふく性 | ボイセンベリー、マリオン | 香りが強く加工向き。とげで手袋が必須 |
苗の選び方
苗は春と秋にポット苗で出回ります。枝の本数より、株元から新しい芽が出ているかどうかを見ます。ブラックベリーは毎年株元から新しい枝が出て、その枝が翌年実る性質なので、株元の芽が元気な苗ほど翌年の実が期待できます。
苗の背丈は気にしなくてかまいません。ブラックベリーは植え付け時に枝を短く切り戻すので、長い枝の苗を買っても結局は切ります。それより根鉢がしっかりして、株元がぐらつかない苗の方が、植えた年の枝の伸びがよくなります。
- 株元の芽を確かめる
- 土の際から赤みを帯びた新芽か、太い芽のふくらみがある苗を選びます。古い枝だけで株元に芽のない苗は、翌年の枝が出にくいことがあります。
- 葉と枝を見て判断する
- 葉に黄色い斑や縮れがなく、枝が緑から赤褐色で張りがあるものを選びます。枝の先が黒く枯れているものは避けます。
- 根を見る
- ポットの底穴から白い根が見えていれば根が張っています。根が茶色で乾いていたり、根鉢が崩れて土だけの苗は避けます。
植え付けの時期と場所
植え付けの適期は11月から3月上旬の休眠期と、春の3月から4月です。関東平野部なら2月下旬から3月に植えると根の活着がよく、その年のうちに枝が伸びます。寒さには強く、冬は特別な防寒は要りません。
場所は日当たりと風通しのよい所を選びます。ただし夏の強い西日で実が白く焼けることがあるので、午後に少し日陰になる所が理想です。地下茎で広がるので、畑の隅か、周囲に根止めができる場所に植えます。
| 地域 | 植え付けの目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 3月下旬〜4月 | 寒風の当たらない場所。冬は株元に敷きわら |
| 関東平野部 | 2月下旬〜3月、10月〜11月 | 西日が強い場所は避ける |
| 暖地 | 11月〜2月 | 夏の乾燥に注意し、マルチで土の温度を抑える |
隣の植物との間隔は1.5メートル以上とります。枝が思ったより広がり、地下茎からも芽が出るためです。
地植えの植え方
土は特に選びませんが、水はけが悪いと根腐れします。植え穴は直径40センチ、深さ30センチほど掘り、腐葉土か堆肥を二割ほど混ぜます。植え付けと同時に、枝を誘引するための支柱か、二本の杭に針金を張った簡単な垣根を用意しておくと後が楽です。
- 穴を掘って土を作る
- 直径40センチ、深さ30センチの穴を掘り、掘った土に堆肥をひとにぎりから二にぎり混ぜます。酸性の強い畑なら苦土石灰をひとつまみ入れます。
- 根鉢をほぐして植える
- 根が回っている場合は下の方を軽くほぐし、ポットの土の高さと同じ深さで植えます。深植えすると株元の芽が出にくくなります。
- 枝を切り戻して水をやる
- 植えた枝は20〜30センチに切り戻し、株元にたっぷり水をやります。切り戻すと株元から新しい枝が出やすくなります。
- 根止めをする
- 広がりを防ぎたいなら、株の周り30〜40センチの所に深さ30センチの板やプラスチックの根止めを埋めます。
鉢植えの植え方
ベランダでも10号以上の鉢で十分に実がなります。土は市販の果樹用か野菜用の培養土で構いません。枝が長く伸びるので、鉢の縁に沿って行灯仕立てにするか、あさがお用の支柱を立てて枝を巻き付けます。
| 鉢の大きさ | 株の年数 | 仕立てと植え替え |
|---|---|---|
| 8〜10号 | 1年目 | 支柱一本で誘引。翌春に一回り大きな鉢へ |
| 12〜13号 | 2〜3年目 | 行灯仕立てで実がなる。二年に一度植え替え |
| 15号以上 | 4年目以降 | 株分けして更新すると勢いが戻る |
植えた年に芽が出ないときの切り分け
植えた後、枝から芽が出ないことがありますが、ブラックベリーは枝より株元から新しい芽が出ることが多いです。慌てず株元の土を見て、赤紫の芽が地面から顔を出していれば順調です。一か月経っても何も動かないなら、水と土を疑います。
- 株元の芽を探す
- 植えて三〜四週間したら、株元の土の表面を見て新芽を探します。芽が出ていれば古い枝は伸びなくても問題ありません。
- 土の湿り具合を触って確かめる
- 土がいつも湿っているなら根腐れの恐れがあります。水やりを減らし、鉢なら受け皿の水を捨てます。乾きすぎなら朝にたっぷりやります。
- 枝の生死を見る
- 枝の皮を爪で少し削って緑なら生きています。茶色なら緑の所まで切り戻し、株元の芽に力を回します。
ブラックベリーの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ブラックベリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はブラックベリーの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。