枝の伸びで肥料の量を判断する
ブラックベリーは肥料が少なくても育つ果樹です。与えすぎると一年目の枝が暴れて誘引しきれず、実の味も薄くなります。まず前年の枝の太さと長さを見て、その年の量を決めます。
植えて一年目は肥料をほとんど必要としません。植え付け時に堆肥を混ぜていれば、その年の追肥は5月に少量与えるだけで足ります。実がなる二年目以降に、枝の太さを見ながら量を決めていきます。
| 枝の姿 | 株の状態 | 今年の肥料 |
|---|---|---|
| 親指くらいの太さで2メートル前後 | ちょうどよい | 前年と同じ量 |
| それ以上太く3メートルを超える | 肥料過多 | 元肥を半分に減らす |
| 鉛筆より細く1メートルに届かない | 肥料不足か根の不調 | 元肥を少し増やし、水はけを確かめる |
元肥と追肥の時期
元肥(年の初めに与える基本の肥料)は2月に株元から離して置きます。追肥(育ちの途中で足す肥料)は実が付き始める5月下旬と、収穫を終えた8月の二回です。秋の追肥は枝が柔らかいまま冬を迎えて枯れやすくなるので、9月以降は与えません。
肥料は株元に直接置かず、枝先の真下あたりの土に円を描くようにまきます。ブラックベリーの細い根は株元より外側に広がっているので、そこに置いた方が効きます。鉢では縁に沿って置き、土に軽く混ぜてから水をやります。
| 時期 | 目的 | 量の目安 |
|---|---|---|
| 2月 | 元肥 | 堆肥をバケツ半分と有機肥料ひとにぎり、鉢は大さじ一杯 |
| 5月下旬 | 実の肥大 | 化成肥料をひとにぎり、鉢は小さじ一杯 |
| 8月 | 新しい枝の充実 | 有機肥料をひとにぎり、鉢は大さじ一杯 |
葉が濃い緑で枝が勢いよく伸びているなら、5月の追肥は抜いてかまいません。
水やりは実の肥大期がかなめ
地植えは根付けば雨だけでほぼ育ちますが、実が大きくなる6月から7月に乾くと実が小さく硬くなります。この時期に一週間雨がなければ、株元にたっぷり水をやります。鉢植えは春と秋は表土が乾いたら、夏は毎朝やります。
冬の休眠中は地植えなら水やりは要りません。鉢植えも土が乾いてから二〜三日たってやる程度にし、湿ったままにしないようにします。芽が動き出す3月から徐々に回数を増やし、開花のころには春の通常の回数に戻します。
- 土を触って乾きを確かめる
- 表面から三センチほどの土を指で触り、乾いていたら鉢底から流れるまで与えます。表面だけ乾いて中が湿っていることも多いので、鉢の重さでも判断します。
- 朝にやる
- 夏は朝のうちに与えます。日中の水やりは鉢の中の温度を上げ、夕方だと夜に湿ったままになって病気が出ます。
- 株元にマルチを敷く
- 敷きわらやバークチップを株元に敷くと乾きが緩やかになり、実の肥大期の水切れを防げます。土はねが減り病気の予防にもなります。
夏の暑さと西日への対策
ブラックベリーの実は熟す直前に強い日差しに当たると、粒の一部が白や赤のまま硬くなる日焼けを起こします。関東の真夏の西日は特に強いので、午後に日陰になる場所か、寒冷紗で日よけをします。
- 寒冷紗をかける
- 7月に入ったら、西側に遮光率30〜50パーセントの寒冷紗を張ります。上から覆うと風通しが悪くなるので、側面だけにします。
- 鉢を移動する
- 鉢植えなら午後に日陰になる場所に移します。鉢の側面が熱くなると根も傷むので、鉢カバーや二重鉢にします。
- 日焼けした実の見分け
- 粒の一部だけが白や赤のまま硬く残り、西側や上部の実に集中して出ていれば日焼けです。病気ではないので薬は要らず、翌年は日よけと水やりで防ぎます。
地下茎から出る芽の整理
ブラックベリーは地下茎を伸ばして、株から離れた所に芽を出します。放っておくと畑中に広がり、隣の作物の邪魔になります。株から30センチ以上離れた芽は見つけ次第引き抜きます。増やしたいなら、その芽を掘り上げて苗にできます。
- 離れた芽は引き抜く
- 春から夏に株から離れた所に出た芽は、根ごと引き抜きます。切っただけでは再び出てきます。
- 残す芽は株元近くだけ
- 株元の30センチ以内から出た芽のうち、太いものを4〜6本残し、翌年の実の元にします。
地下茎から出た芽は親株と同じ品種なので、鉢上げして知人に分けたり、古くなった親株の更新に使えます。
葉や実の様子から不調を切り分ける
肥料と水の失敗は葉と実に出ます。症状ごとに原因が違い、肥料を足すと悪化することもあるので、まず観察してから手を打ちます。
葉の色は株全体で見て判断します。下の古い葉だけが黄色いなら自然な落葉で問題ありませんが、新しい葉から黄色くなるなら根の不調か土の酸度の乱れを疑い、肥料を足す前に水はけと土を確かめます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉脈の間が黄色い | 土のアルカリ化、鉄不足 | 酸度未調整のピートモスを混ぜ、石灰を止める |
| 実が小さく粒がまばら | 肥大期の水切れ、受粉不良 | 6〜7月の水やりとマルチ、開花期の雨よけ |
| 粒の一部が赤や白のまま硬い | 日焼け | 寒冷紗で西日を遮る |
| 枝ばかり伸びて花が少ない | 窒素過多 | 元肥と追肥を減らし、夏に摘心する |
ブラックベリーの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
ブラックベリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はブラックベリーの育て方にまとめています。
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