目標はペーハー4.3〜5.5
ブルーベリーの根は、ペーハー4.3から5.5の強い酸性土でしか養分を吸えません。この範囲を外れると鉄やマンガンが土に固定され、根が健全でも葉が黄色く抜けるクロロシスが出ます。肥料を足しても直りません。
ほかの果樹と同じ感覚で石灰を入れると失敗します。日本の畑土は中性寄りに管理されていることが多く、ブルーベリーにはアルカリ過ぎます。植える前に土そのものを入れ替える発想が必要です。
| ペーハー | 根の状態 | 地上部に出るサイン |
|---|---|---|
| 4.0未満 | 生育が鈍る | 新梢が伸びず葉が小さいまま止まる |
| 4.3〜5.5 | 適正 | 新梢が濃い緑で毎年更新枝が出る |
| 5.6〜6.0 | 吸収が落ちる | 若い葉の葉脈だけ緑で残り黄化する |
| 6.1以上 | 養分を吸えない | 葉全体が黄白色になり枝が枯れ上がる |
土壌酸度計は水分量で値がぶれます。1か所で決めず、株元から30センチ離した3点を測って中央の値を採ります。
ピートモスは酸度未調整を選ぶ
園芸店のピートモスには酸度調整済みと未調整があり、ブルーベリーに使えるのは未調整のほうです。調整済みは石灰でペーハー6前後に上げてあり、袋ごと入れても酸性の土にはなりません。
- 袋の表示を確かめる
- 「酸度未調整」またはペーハー4前後と書かれたものを選びます。表示がなく用途が一般の草花用となっている製品は調整済みのことが多く、ブルーベリーには向きません。
- 使う前に水を含ませる
- 乾いたピートモスは水をはじき、そのまま混ぜると土中に乾いた塊が残ります。前日からバケツで水を吸わせ、握って形が残る程度に湿らせてから配合します。
- 量をけちらない
- 鉢なら容量の半分以上、地植えなら植え穴1つあたり30リットル前後が目安です。表面に少しまくだけでは酸度は動かず、根が伸びる範囲を作れません。
圧縮された袋は水を含むと2倍から3倍に膨らみます。必要量は膨らんだ後の体積で数えて用意します。
鉢と地植えで配合を変える
配合の狙いは、酸性であることと、水を持ちながら空気も残ることの両立です。ブルーベリーの根は細く浅いため、締まった土では窒息し、粗すぎる土では乾いて枯れます。乾き方が違うので鉢と地植えで配合を変えます。
| 場所 | 配合の目安 | 狙い |
|---|---|---|
| 鉢植え | 未調整ピートモス5・鹿沼土小粒3・パーライト2 | 保水と通気を両立させる |
| 地植えの砂質土 | 掘り上げ土5・未調整ピートモス4・鹿沼土1 | 乾きすぎを抑えて根を守る |
| 地植えの粘土質 | 掘り上げ土4・未調整ピートモス4・鹿沼土2 | 水はけを確保して根腐れを防ぐ |
鹿沼土はそれ自体がペーハー4から5の酸性です。赤玉土より相性がよく、酸度を押し戻しにくい素材になります。
硫黄華はゆっくり効かせる
硫黄華は土の微生物が硫酸に変えることで酸度を下げるため、効き始めるまでに数か月かかります。植え付けの直前ではなく、少なくとも3か月前、できれば前の年の秋に混ぜておくのが正しい使い方です。
- 混ぜる量の目安
- 1平方メートルあたり60グラム前後から始め、半年後に測り直して足します。一度に大量に入れると効きが読めず、下がりすぎて細い根を傷めます。
- 深さ30センチまで混和
- 表面にまくだけでは効きません。根が広がる深さ30センチの層に均一に混ぜ込みます。地温が低い冬は微生物が働かず、変化は春以降に現れます。
- 効きを待つ間の管理
- 混和した後は水を切らさず湿りを保ちます。乾いた土では硫黄を酸化する微生物が動かず、いつまでたっても酸度は下がりません。
すでに植わっている株の周りへ硫黄華を大量に入れるのは避けます。根の近くで急に酸度が動くと細根が傷みます。
上がってしまったときの戻し方
ペーハーが5.5を超えたら、原因を止めてから下げます。多いのは水道水のアルカリ分の蓄積、コンクリート際からの石灰の溶出、一般的な培養土や肥料の混入です。原因を残したまま下げても半年で戻ります。
- 急ぐときは硫安
- 硫安は水に溶かして与えると比較的早く酸度を下げます。ただし窒素肥料でもあるため、成木でも1株あたり10グラム程度にとどめ、続けざまには与えません。
- 続けるならピートモス
- 株元の土を10センチほど掘って未調整ピートモスを足し、埋め戻します。硫安のように急には効きませんが、数年単位で酸度と保水を保てます。
- 鉢は用土交換が早い
- 鉢植えで酸度が戻らない場合は、休眠期に根鉢の外周と表層を崩し、新しい酸性用土に入れ替えます。根を全部落とす必要はありません。
雨どいの水や井戸水は水質が場所ごとに違います。使う前に一度、その水で湿らせた土の酸度を測っておきます。
測るタイミングを決めておく
測定は年2回、萌芽前の3月と収穫が終わる9月に固定すると、変化が肥料と水のどちらに由来するか判断できます。気づいたときに測る運用では、クロロシスが出てからの後追いになります。
| 時期 | 見るもの | 動き方 |
|---|---|---|
| 3月 | 酸度と前年の枝の伸び | 5.5を超えたら硫安1回とピートモス補充 |
| 6月 | 葉の色 | 葉脈だけ緑なら鉄の吸収不良を疑う |
| 9月 | 酸度とマルチの残量 | 下がりすぎていれば硫黄華を止める |
系統による酸度の好みの差はわずかです。品種選びは系統別のページに任せ、ここでは数値の管理だけを見ます。
ブルーベリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はブルーベリーの育て方にまとめています。
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