冬に強いのは小さな株だけ
ソラマメが寒さに耐えられるのは、本葉4〜5枚、草丈15〜20センチの幼苗期だけです。これより大きくても小さくても耐寒性は落ちるという、ほかの越冬野菜とは逆の性質を持っています。
大株が弱いのは、伸びた茎の内部の水分が凍って組織が裂けるためです。年内に草丈30センチを超えた株は、真冬の放射冷却で株元から折れ、春に立ち上がれません。
| 越冬時の姿 | 耐寒性 | 起きること |
|---|---|---|
| 本葉2枚以下 | 弱い | 根が浅く、霜柱で持ち上がって枯れる |
| 本葉4〜5枚・15〜20センチ | 最も強い | 地際が凍っても春に分枝が出る |
| 本葉8枚以上・30センチ超 | 弱い | 茎が凍って裂け、株元から折れる |
秋の生育が旺盛すぎると感じたら、原因はほぼ早まきか元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)の窒素過多です。翌年の設計に返します。
大きくなりすぎた株の扱い
- 追肥を完全に止める
- 年内の追肥(育てている途中で足す肥料)はしません。窒素が残っていると寒さの中でも伸び続け、凍害を受ける組織が増えます。冬は飢えぎみのほうが安全です。
- 株元に土を厚く寄せる
- 地際から5〜6センチの高さまで土を寄せます。折れやすい株元を土で包むと、上部が傷んでも土中の節から新しい分枝が出ます。
- 風を止める
- 凍害は低温より乾いた寒風で進みます。畝の北西側に不織布や波板で風よけを立てるほうが、株を覆うより効きます。
- 折れても抜かない
- 上部が枯れても株元が生きていれば、春に分枝が伸びて収穫できます。判断は3月まで待ち、年内に抜かないでください。
伸びすぎた主枝を冬に切り戻すのは勧めません。切り口から傷みが入り、かえって株を失いやすくなります。
防寒資材の選び方
防寒は「覆う」より「根を守り、風を切る」順で考えます。ソラマメはある程度の低温に当たらないと花芽が進まないので、暖めすぎる必要はありません。
資材は組み合わせて使います。株元の敷きわらで地温の急変を抑え、北西側の風よけで乾いた風を切り、強い寒波の予報が出たときだけ不織布を足す、という順に重ねると失敗が減ります。
| 資材 | ねらい | かけ方 |
|---|---|---|
| 敷きわら・もみ殻 | 地温の急変と霜柱を防ぐ | 株元の地面に厚さ3〜5センチ |
| 不織布のべたがけ | 霜と寒風を弱める | 株の上に直接かけ、裾を土で押さえる |
| 寒冷紗のトンネル | 強い寒波の一時しのぎ | 支柱で浮かせ、日中は裾を開ける |
| 風よけの板・ネット | 乾いた北西風を切る | 畝の北西側に立てる |
トンネルを閉じきると内部が暖まり、伸びすぎて逆効果になります。晴れた日中は必ず開けます。
霜柱と乾燥への備え
冬に株を失う原因は、低温そのものより霜柱と乾燥です。持ち上げられて根が切れた株、あるいは乾いた北西風で水分を奪われた株が、寒波のたびに減っていきます。
- 霜柱で浮いたら押さえる
- 朝に株が持ち上がっていたら、土が緩んでいるうちに根元を踏んで押さえ、土を寄せ直します。放置すると根が切れて春に伸びません。
- 冬の水やりは晴れた午前
- 乾ききったときだけ、晴れた日の午前に与えます。夕方の水は夜間に凍り、根を傷めます。畑では基本的に不要です。
- プランターは特に乾く
- 容器栽培は土量が少なく凍結と乾燥の振れが大きくなります。深さ30センチ以上の容器を使い、北風の当たらない場所に寄せます。
- 雪は払わなくてよい
- 積もった雪はむしろ断熱材として働きます。重みで折れそうなときだけ払い、凍った状態で無理に触らないでください。
容器を地面に直置きすると底から冷えます。すのこや発泡の板を敷くだけで根の凍結は減らせます。
冬の追肥と土寄せの時期
追肥は寒さが緩んでからです。ソラマメは2月下旬に一度、開花と着莢が始まる3月下旬にもう一度が基本形で、年内に効かせないことが冬越しの前提になります。
| 時期 | 作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 12月〜1月 | 追肥なし、敷きわらと風よけ | 伸びを止めて凍害を避ける |
| 2月下旬 | 1回目の追肥と土寄せ | 分枝の発生をそろえる |
| 3月下旬 | 2回目の追肥 | 開花と着莢を支える |
追肥は化成肥料を1平方メートルあたり30〜50グラム。株元でなく通路側にまいて土と混ぜます。
春に生き残ったかを見極める
判断は3月上旬です。株元の地際を指で押し、硬く締まっていれば生きています。ぶよぶよと柔らかい、あるいは中が空洞なら回復しません。
- 生きている株
- 地際から新しい分枝が数本立ち上がります。傷んだ古い茎は付け根で切り、残す枝の整理に移ります。
- 枯れた株
- 抜き取って畝を空けます。追いまきをしても収穫期に間に合わないので、春どりの葉物などに切り替えるのが現実的です。
- 半分傷んだ株
- 生きた分枝が3本以上あれば残します。数が足りない株は無理に育てず、隣の株の枝を1〜2本多く残して補います。
冬に失う株が毎年出るなら、まき時を3〜5日遅らせるか元肥の窒素を減らすと改善します。
株が傷んだときの原因を切り分ける
冬に株を失っても、原因は一つではありません。凍害、霜柱、過湿、窒素過多のどれかで、見た目が似ていても手当てが違います。翌年に同じことを繰り返さないよう、症状から原因をたどります。
- 折れた株は抜かない
- 上部が枯れても、株元が硬ければ春に分枝が伸びます。3月まで判断を待つと、抜かずに済む株がかなり残ります。
- 浮いた株はその日に直す
- 朝に株が持ち上がっていたら、土が緩んでいるうちに踏んで押さえます。日が高くなって乾くと、根が切れたまま固まります。
- 原因が肥料かを見る
- 畝の全体で同じ症状が出ているなら、寒さより窒素過多を疑います。年内に追肥をしていないかを作業の記録で確かめます。
- 毎年失う株が出るなら
- 手当てではなく設計を直します。まき日を3〜5日遅らせるか元肥を減らすと、越冬時の株の大きさがそろいます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当てと翌年への直し方 |
|---|---|---|
| 主枝が中ほどから折れる | 年内に伸ばしすぎた | 土寄せを厚くし、翌年はまき日を遅らせる |
| 株ごと浮いて根が見える | 霜柱で持ち上げられた | 土が緩むうちに踏み直し、敷きわらを足す |
| 葉先だけが茶色く枯れる | 乾いた寒風に当たった | 北西側に風よけを立て、株はそのまま残す |
| 株元が黒く柔らかい | 過湿と凍結の繰り返し | 抜き取り、翌年は畝を高くして水はけを直す |
冬のあいだに切り戻す手当ては勧めません。切り口から傷みが入り、助かるはずの株まで失うことが多いためです。
ソラマメの冬越しに使うもの
越冬する野菜は、寒さそのものより、霜柱で根が持ち上がることで傷みます。土を凍らせないのが目的です。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
ビニールと違って蒸れず、光も通します。かけっぱなしにできるので、冬のあいだ手がかかりません。
- トンネル支柱探す言葉「トンネル支柱 210cm 8mm」
- 規格の目安
- 直径 8mm × 長さ 210cm。畝幅 60cm ならこれで足ります。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 50cm 間隔に 7 本。
不織布を株に直接かけると、霜が降りた朝に葉が張り付いて傷みます。浮かせるだけで違います。
- 敷きわら・もみ殻探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。もみ殻でも代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
株元に敷くと、霜柱で根が持ち上がるのを防げます。春には鋤き込んで土に返せます。
- 暖地で耐寒性のある葉物なら、何もかけずに越せるものが多いです。
- ビニールトンネルは、日中に開け閉めできる人向けです。閉めっぱなしだと晴れた日に蒸れます。
ソラマメの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はソラマメの育て方にまとめています。
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