枝を絞る理由
ソラマメは株元から分枝が10本以上出ますが、全部を残すと一本ずつが細くなり、さやは着いても中の豆が太りません。太い枝に養分を集めるために間引きます。
もう一つの理由は風通しです。込み合った株の内側は湿気がこもり、アブラムシの巣になり、春の病斑も広がります。整枝(枝の数と向きを整えること)は防除の一部でもあります。
本数を減らすと収穫量が落ちると感じるかもしれませんが、実際は逆です。細い枝のさやは中の豆が小さく、食べられる部分で数えると絞った株のほうが多くとれます。
- 主枝は残さない
- 冬を越した太い主枝は、春に出た新しい分枝より着莢が悪くなります。分枝が5本以上出そろったら、古い主枝は地際で切ります。
- 小さい株は無理に絞らない
- 越冬で傷んで分枝が4本しかない株は、そのまま全部残します。本数を目標にして健全な枝まで切ると、収穫がなくなります。
残す本数は6〜7本が目安です。株が小さい年は5本、太くそろった年でも8本までにとどめます。
整枝の時期と手順
- 時期は2月下旬〜3月
- 寒が緩み、分枝が出そろって草丈20〜30センチになった頃に行います。真冬に切ると切り口から傷みが入るので待ちます。
- 晴れた日の午前に切る
- 切り口が早く乾く条件を選びます。雨の日や夕方の作業は乾きが遅く、病原菌が入りやすくなります。
- 地際で切り取る
- 残さない枝は株元の地際からはさみで切ります。中途半端に残すと脇芽が出て、また混み合います。
- 切ったら土を寄せる
- 整枝の直後に株元へ5〜6センチ土を寄せます。切り口が土に隠れ、残した枝の据わりもよくなります。
一度に全部を落とさず、2〜3回に分けて絞ると、寒の戻りで枝を失ったときに立て直せます。
残す枝と落とす枝の見分け
判断の基準は太さと節間の詰まり方の二つだけです。長さや葉の多さで選ぶと、間のびした枝を残してしまい、株全体の実つきが落ちます。
| 枝の状態 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 太く節間が詰まっている | 残す | 花数が多く豆が太る |
| 細く間のびしている | 切る | さやが着いても豆が小さい |
| 主枝で古く硬い | 切る | 分枝より着莢が悪い |
| 冬に傷んで褐色 | 切る | 病気の起点になる |
迷ったら太さで決めます。指でつまんで明らかに細い枝は、残しても収穫にはほとんど寄与しません。
摘心の時期と目的
摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)は開花が始まり、下から5〜6段目まで花が咲いた頃です。草丈でいえば70〜80センチ前後、暖地では4月中旬から下旬、中間地では4月下旬から5月上旬が目安になります。
- 先端を10センチ摘む
- 各枝の先端を手で折り取ります。伸び続ける先端を止めると、養分が上向きの成長から着莢中のさやへ回り、豆が太ります。
- アブラムシごと持ち出す
- アブラムシは柔らかい新芽の先に集まります。摘んだ先端は畝に落とさず、袋に入れて畑の外へ出します。
- 上の遅れ花は残さない
- 頂部で遅れて咲いた花は、実っても収穫期までに太りきりません。摘心のときに一緒に落としたほうが、下のさやに養分が回ります。
- 摘心後は追肥しない
- この時期に窒素を足すと新芽が再び伸び、摘心の効果が消えます。以降は水と倒伏対策に集中します。
早すぎる摘心は花数を減らします。花が5〜6段そろうまでは、伸びていても手を出さずに待ちます。
支柱と倒伏の防止
ソラマメは背が高くなるうえ上部に実が着くため、頭が重くなり、春の強風で株ごと倒れます。倒れてから直すと根が切れるので、伸びる前に囲っておきます。
- 株の四隅に支柱を立てる
- 4月に入ったら畝の両側、株を挟む位置に支柱を立てます。1株ずつではなく列全体を囲うほうが手間も費用も少なく済みます。
- ひもを2〜3段張る
- 高さ30センチ、60センチ、必要なら90センチの位置に、株を挟むようにひもを張ります。段を増やすほど風に強くなります。
- 土寄せを併用する
- 支柱だけに頼らず、株元に土を寄せて根の張りを助けます。土寄せ(株元へ土を寄せること)とひもの両方があって初めて倒れません。
- 倒れたら早く起こす
- 倒れた株は当日のうちに起こしてひもで留めます。放置すると茎が曲がったまま固まり、さやの太りが止まります。
- 支柱は収穫まで残す
- 実が入るほど頭は重くなります。摘心を終えたあとが最も倒れやすいので、支柱とひもは最後の収穫まで外しません。
風の強い畑では、畝の風上に防風ネットを張ると倒伏も花落ちも減ります。実つきに直結します。
春の作業を順番に並べる
| 時期 | 作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 2月下旬 | 1回目の追肥、整枝の開始 | 分枝を絞って太らせる |
| 3月中〜下旬 | 整枝の仕上げ、土寄せ | 倒伏の防止と風通し |
| 3月下旬 | 2回目の追肥 | 開花と着莢を支える |
| 4月 | 支柱とひも張り、摘心 | 倒伏防止と豆の充実 |
この順序が崩れると実が太りません。特に追肥(育てている途中で足す肥料)を摘心より後にしないことが、豆の大きさを分けます。
ソラマメのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
ソラマメの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はソラマメの育て方にまとめています。
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