土づくりは2週間前から
この作物は酸性土を嫌い、適する土壌酸度はペーハー6.0〜6.5あたり。酸性が強いと根こぶ病が出やすくなるので、植え付けの2週間前に石灰資材を入れて中和しておく。
石灰と元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)を同時に入れると窒素が抜けやすいため、石灰を先に、元肥は1週間後に入れると効きが安定する。畑が空かない場合は同時でも構わないが、施用量は控えめにする。

| 資材 | 1平方メートルあたり | 入れる時期 |
|---|---|---|
| 苦土石灰 | 100〜150グラム | 植え付け2週間前 |
| 完熟堆肥 | 2〜3キログラム | 植え付け2週間前 |
| 化成肥料(緩効性) | 100〜150グラム | 植え付け1週間前 |
砂質の畑や造成したばかりの畑ではホウ素が不足しやすい。ホウ素入りの肥料を規定量だけ使うと、茎が褐変する障害を予防できる。
畝の立て方
根は浅く広がるので、水はけの確保が最優先になる。平畝でも育つが、秋の長雨や雪解けで滞水する畑では高さを出したほうが根腐れを避けられる。
| 条数 | 畝幅 | 畝の高さ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1条植え | 60〜70センチ | 10〜15センチ | 管理しやすく倒伏しにくい |
| 2条植え | 120〜150センチ | 10〜15センチ | 条間60センチ以上を確保する |
| 水はけの悪い畑 | 上記に準じる | 20〜30センチ | 溝を切って排水口までつなぐ |
株間は品種で変える
株間は「大きくしたい花蕾の直径」ではなく「その品種が張る葉の広がり」で決める。葉が触れ合って光を奪い合うと、頂花蕾の肥大がそこで止まるからだ。
| 品種の型 | 株間 | 狙い |
|---|---|---|
| 極早生・早生 | 40センチ前後 | 短期間で穫り切り、回転を上げる |
| 中生・晩生 | 45〜50センチ | 葉数を確保して大きな頂花蕾にする |
| 側花蕾を長く穫る型 | 50〜60センチ | 側枝が広がる場所をあらかじめ空ける |
詰めて植えると1株あたりは小さくなるが総収量は落ちにくい。区画が狭いなら株間を詰め、頂花蕾は小ぶりで数を穫る設計に切り替える。
植え付けと直後の管理
- 前日に潅水する
- 苗のポットは前日にたっぷり潅水しておく。乾いた根鉢は水を弾き、植えた後にいくら潅水しても中心まで濡れず活着が遅れる。
- 植え穴に水を張る
- 植え穴を掘ったら先に水を注ぎ、引いてから苗を置く。土が湿った状態で根鉢を密着させると、翌日からの根の伸びが目に見えて違う。
- 深さは根鉢と同じ
- 根鉢の表面が畝面と同じ高さになるように植える。深植えすると生長点が埋まって傷み、浅植えすると根鉢が乾いて活着しない。
- 株元を押さえる
- 植えた後は根鉢の周囲を手のひらで押さえ、土と根鉢の隙間をなくす。隙間があると水が抜け、風で株が揺れて新根が切れる。
- 夕方に植える
- 高温期は夕方に植えると夜のうちに根が動きはじめ、翌日の萎れが軽い。春の低温期は逆に、地温の上がった昼前後に植える。
- 防虫ネットを同時にかける
- 植えた当日にネットを張る。飛来した成虫に産卵されるのは植え付け直後の数日が最も多く、後からかけると内側に卵を閉じ込めることになる。
- 活着まで水を切らさない
- 夏まきは植え付け後3〜5日、朝に潅水して根鉢を乾かさない。活着後は地表が乾く程度に間隔を空け、根を深く誘導する。
- 春まきは保温する
- 夜温が10℃を下回る時期はホットキャップやトンネルで囲う。小さい株が低温に遭うと早期出蕾し、小さな花蕾のまま花が咲いてしまう。
プランターで育てる
容器栽培でも頂花蕾は穫れるが、成否は土の量でほぼ決まる。根域が狭いと乾湿の振れが大きく、肥料切れと乾燥が重なった時点で花蕾の肥大が止まる。
| 項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 容量 | 1株あたり25リットル以上 | 乾湿の振れを抑えるため |
| 深さ | 30センチ以上 | 直根と側根が下に伸びるため |
| 植える数 | 65センチ幅の容器に1株 | 2株入れると葉が重なり小さくなる |
| 用土 | 野菜用培養土 | 元肥入りなら追肥は定植3週間後から |
容器は肥料が水と一緒に流れ出る。追肥(育てている途中で足す肥料)は畑より少量を回数多く、2週に1回のペースで与えると花蕾が締まる。
連作と前作の設計
同じアブラナ科を続けると根こぶ病のリスクが上がる。キャベツ、ハクサイ、コマツナ、ダイコンはすべて同科なので、輪作の計算に入れる必要がある。
前作の残肥が多い畑では元肥を減らす。窒素が効きすぎると葉が大きく茂り、花蕾の中心が空洞になる障害が出やすくなるためだ。前作でよく肥えた場所は、元肥を半分にして追肥で調整する。
- 間隔の目安
- アブラナ科どうしは2年以上空けるのが安全。区画が足りないときは、イネ科やマメ科を1作はさむだけでも土壌病害の密度は下がる。
- 発病した区画
- 根こぶ病が出た区画は石灰で酸度を上げ、排水を改善したうえで数年空ける。こぶのついた根を畑に残さず、片づけて処分する。
活着しないときの切り分け
植えてから一週間で結果が出る。葉が立ち上がってこない株は、根鉢の乾き、深植え、根の食害のいずれかであることが多い。原因ごとに手当てが違うので、抜く前に見分ける。
- まず根鉢を確かめる
- 倒れた株を軽く持ち上げ、根鉢が乾いていないかを見る。中心が乾いていれば、いくら潅水しても水は根鉢の周りを流れるだけだ。
- 欠株は1週間以内に補う
- 活着しなかった株は1週間以内に予備苗と入れ替える。それを過ぎると周囲の株に光を奪われ、植え直しても収穫までそろわない。
- 畝全体に出たら土を疑う
- 点々とではなく畝全体で伸びが止まるなら、原因は苗ではなく元肥の効きすぎか排水だ。次の畝で量と畝の高さを直す。
- 植え直す時間帯を選ぶ
- 高温期は夕方、低温期は地温の上がった昼に植え直す。同じ時間帯に同じ失敗を繰り返している年が多い。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 日中だけ萎れて朝は戻る | 根鉢と土が密着していない | 株元を押さえ直し、たっぷり潅水する |
| 朝から萎れたまま戻らない | 根鉢の中心が乾いている | 水に浸けた予備苗と入れ替える |
| 株元が地際で切れて倒れる | ネキリムシの食害 | 株元の土を浅く掘り、幼虫を取り除く |
| 葉が黄ばんで伸びない | 深植えで生長点が埋まった | 土を浅くよけ、根鉢の肩を出してやる |
活着の良し悪しは、その後の花蕾の大きさにそのまま出る。植え付け後の一週間だけは毎日見に行く価値がある。
ブロッコリーの植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
ブロッコリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はブロッコリーの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。