頂花蕾の収穫適期を外さない
収穫の合図は大きさではなく、つぼみの締まり具合。全体が硬く締まっているうちに切るのが原則で、粒が緩んで一つ一つが見分けられるようになったら遅い。一日で状態が変わるので、その時期は毎日見る。
直径の目安は12〜15センチだが、品種と気温で変わる。暖かい時期は肥大が速く緩むのも速いため、目安の直径に達していなくても締まりが落ちる前に切る。
| 状態 | 見え方 | 判断 |
|---|---|---|
| まだ早い | 粒が細かく直径10センチ未満 | 数日待って肥大させる |
| 適期 | 粒が締まり表面が均一に盛り上がる | すぐ切る |
| やや過ぎ | 粒が緩み、中心が黄色みを帯びる | 味は落ちるが食べられる |
| 遅い | 黄色い花が開き始める | 切って株を側花蕾へ切り替える |
収穫は朝のうちに行う。日中は株の温度が上がっており、切った花蕾の劣化が速く、日持ちも短くなる。
側花蕾を出す切り方
切る位置で、その後に出る側枝の数が決まる。頂花蕾を株元近くで切ると、下位の節から出るはずの芽まで落としてしまい、側花蕾がほとんど穫れなくなる。
- 茎を長く残す
- 頂花蕾は花蕾から10センチほど下、葉が数枚付いている位置で切る。残した葉の付け根から側枝が伸びるので、葉を落とさないことが要になる。
- 斜めに切る
- 切り口は斜めにして水が溜まらないようにする。水平に切ると雨水が切り口に溜まり、そこから腐って側枝ごと傷むことがある。
- 外葉は残す
- 収穫時に大きな外葉まで取らない。外葉が作る養分が側花蕾の肥大を支えるので、黄変した下葉だけを整理する。
- 切る道具
- よく切れる刃で一度に切る。押しつぶすように切ると茎の組織が潰れ、切り口から病気が入りやすくなる。
収穫直後の追肥が効く
頂花蕾を切った直後は、株が次の芽を伸ばすために養分を必要とする最も強いタイミング。ここで肥料が切れていると側枝が伸びず、出ても細く小さな花蕾で終わる。
- 与える位置
- 株が広がっているので、外葉の先の下あたりに円を描いてまき、軽く土と混ぜて株元へ寄せる。株元にまくと吸収されにくい。
- 水を切らさない
- 追肥(育てている途中で足す肥料)は水がなければ効かない。乾いていれば潅水し、敷きわらで地表の乾きを抑えると、冬でも側枝の伸びが続く。
| 時期 | 与えるもの | 量の目安 |
|---|---|---|
| 頂花蕾の収穫直後 | 化成肥料 | 1株10〜15グラム |
| 以降 | 化成肥料または液肥 | 2〜3週に1回、同量 |
| 低温期 | 液肥を薄めて | 効きが遅い固形より吸収が早い |
側花蕾は小さいうちに穫る
側花蕾は頂花蕾より小さく、直径3〜5センチが収穫の目安。大きくしようと待つと開花に向かい、株も疲れて次の芽が出なくなる。数を穫るほうが総量は増える。
- 順番に切る
- 上の節から順に育つので、大きくなったものから枝ごとハサミで切る。一度に全部切らず、育ったものだけを選んで穫る。
- 切る位置
- 側枝の付け根で切ると、その節の下からさらに小さな芽が出る。長く茎を付けて穫りたい場合は、下の葉を2枚残して切る。
- 開いたものは早く落とす
- 見落として花が咲いた枝は、そのままにせず切り取る。開花に養分を取られ、他の側花蕾の肥大が止まる。
- 収穫の間隔
- 暖かい時期は3〜5日おき、冬は1〜2週おきに見る。気温が下がるほど伸びが遅いので、間隔を空けて大きさをそろえる。
冬を越えて春まで穫る
暖地から中間地では、側花蕾を冬じゅう穫り続け、春のとう立ち(花茎が伸びて葉や根が硬くなること)まで収穫が続く。株が生きていれば芽は出続けるので、越冬させる価値は大きい。
終わりの合図は、側花蕾が急に小さくなって茎が伸び、黄色い花が次々に咲き始めること。これはとう立ちで、株の生育が生殖へ完全に切り替わった状態を意味する。
- 防寒する
- 厳寒地では株ごと不織布で覆う。花蕾は凍結すると解けたときに褐変して溶けるため、覆いがあるだけで品質が保たれる。
- 下葉を整理する
- 黄変した下葉は取り除いて風を通す。地面に触れた葉をそのままにすると、そこから腐りが上がってくる。
- 春の追肥
- 気温が上がり始めたら追肥して株を持たせる。ただし花が咲き始めたら回復しないので、片づけて次の作の準備に移る。
とう立ちしたつぼみと若い茎は、菜の花と同じように食べられる。株を抜く前に穂先だけ摘んでおくと最後まで無駄がない。
品種で穫り方が変わる
同じ作物でも品種の設計が違う。頂花蕾を大きく一度に穫る型を選んで側花蕾を期待しても、思ったほど出ないことがある。種袋や苗の札に書かれた型を先に確認しておく。
- 茎ブロッコリーの摘芯
- 最初の小さな頂花蕾は直径3〜4センチのうちに摘む。早く摘むほど側枝が多く出て、以後は長さ15〜20センチの茎を折るように穫っていく。
- 側花蕾が出ないとき
- 切り位置が低すぎて葉ごと落としたか、収穫後の追肥がないかのどちらかが大半。次作は葉を数枚残して切り、切った当日に追肥する。
| 型 | 穫り方 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 頂花蕾型 | 大きな頂花蕾を一度に穫る | まとめて収穫して保存したい |
| 頂花蕾・側花蕾兼用型 | 頂花蕾の後に側花蕾を続けて穫る | 家庭菜園で長く少しずつ使いたい |
| 側花蕾型(茎ブロッコリー) | 頂花蕾を小さいうちに摘み、茎ごと穫る | 毎週少量を穫り続けたい |
側花蕾が出ないときの原因
頂花蕾を穫ったのに側枝が伸びない、という声は多い。原因はたいてい切り方か肥料か品種のどれかで、株の力そのものが尽きていることは少ない。まず切り口の高さを見て、次に追肥の有無をたどる。
- 切り口の高さを見る
- 花蕾から十センチほど下で切れていれば正常だ。切り口のすぐ下に葉が残っていないなら、原因は切る位置にある。
- 追肥の日付を確かめる
- 頂花蕾を切った直後に施したかどうかが分かれ目になる。一週間以上あいていたら、その時点で施して水をやる。
- 株の姿で見きわめる
- 外葉が濃い緑で立っていれば株はまだ働く。下葉まで黄ばんで垂れているころは、肥料切れが進んでいる合図だ。
- 切り替えの目安
- 花が咲き始めたら回復しない。穂先を菜の花として摘み、株を抜いて次の作に移るほうが畑は早く回る。
| 症状 | 考えられる原因 | 次にすること |
|---|---|---|
| 切り口の下に葉がない | 株元近くで切りすぎた | 翌年は葉を数枚残した位置で切る |
| 芽は出るが伸びない | 収穫後の追肥が抜けている | 外葉の先の下へ施し、水を切らさない |
| 側花蕾がすぐ開く | 気温が高く肥大が速い | 三日から五日おきに見て早めに穫る |
| そもそも側枝が少ない | 一発どりの品種だった | 側花蕾を穫るなら品種から選び直す |
側花蕾を穫る前提なら、頂花蕾はやや小さいうちに切る。株に力が残っているうちに切り替えたほうが総量は増える。
ブロッコリーのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
ブロッコリーの収穫までのコツは作物ページに
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