育苗日数は作型で決まる
育苗期間は夏まきで25〜30日、春まきで35〜45日が目安になる。気温が高いほど生育が速く、同じ本葉枚数に達するまでの日数が縮むためだ。カレンダーの日数ではなく本葉の枚数で定植を判断すると、作型が変わっても判断がぶれない。
定植の適期はセルトレイ育苗なら本葉3〜4枚、ポット育苗なら本葉4〜6枚。セル成型苗は根鉢が小さく老化が早いので早めに植え、ポット苗は根量に余裕があるぶん少し大きくしてから植えられる。
| 作型 | 播種の目安 | 育苗日数 | 定植時の本葉 |
|---|---|---|---|
| 夏まき秋冬どり | 7月下旬〜8月中旬 | 25〜30日 | 3〜5枚 |
| 春まき初夏どり | 2月〜3月(保温下) | 35〜45日 | 4〜6枚 |
| 寒冷地の夏秋どり | 4月〜5月 | 30〜40日 | 4〜6枚 |
まき方と間引きの手順
- セルトレイにまく
- 128穴か72穴のトレイに1穴1粒、深さ5ミリほど覆土する。覆土が薄いと種が浮いて根が空中に出て、厚すぎると発芽がそろわない。まき終えたら底から水が抜けるまで潅水する。
- ポットにまく
- 直径7〜9センチのポットなら深さ1センチの穴に3〜4粒を離してまく。固めてまくと間引くときに隣の根を傷める。発芽までは乾かさないよう新聞紙などで表面を覆う。
- 間引きは二段階
- 子葉が開いたら1本立ちにし、その後は葉が触れ合わない間隔にトレイ内を並べ替える。葉が重なった時点から光の奪い合いが始まり、そこが徒長(間のびして弱く伸びること)の起点になる。
- 鉢上げする方式
- セルで本葉2枚まで育て、9センチポットへ移して本葉5枚まで持つ方法もある。天候や畑の空き待ちで定植がずれそうなときは、この方式のほうが安全になる。
夏まきは徒長との勝負
夏まきの育苗で最初に失敗するのは徒長で、原因は高温・過湿・過密の3つに集約される。発芽適温は20〜25℃前後で、真夏の直射下では育苗培土の温度が上がりすぎ、根が伸びずに胚軸だけが伸びる。
- 置き場所を選ぶ
- 日中は白い寒冷紗や遮光(日ざしを布などでやわらげること)ネットの下に置き、朝夕は直射に当てる。終日日陰に置くと今度は光不足で徒長するので、遮光は気温の高い数時間に限る。
- 水やりは朝
- 潅水は朝を基本にし、夕方には表土が乾いている状態を目指す。夜まで湿っていると胚軸が伸びる。日中にしおれるときだけ夕方に少量を補う。
- 底面に風を通す
- トレイを地面に直置きせず、棚やコンテナの上に上げる。底面が地面に接していると地温を拾って根が傷み、根から出た穴に根が張って定植時に切れる。
徒長した苗は深植えしても直らない。胚軸が伸びた苗は定植後に倒れやすく、時期に余裕があるならまき直したほうが結果は早い。
良い苗の見分け方
選ぶ基準は背の低さと根鉢の締まりの2点に絞ってよい。同じ本葉枚数なら背が低いほど蓄えがある苗で、定植後の初期生育で必ず追い越す。
- 胚軸の長さ
- 子葉から本葉の付け根までが短く太いものを選ぶ。ここが間延びした苗は、定植後に風で振られて根が切れ、活着が10日ほど遅れる。
- 葉色と厚み
- 濃すぎない緑で、葉に厚みがあるもの。色が薄いのは肥料切れ、黒ずむほど濃いのは窒素過多で、後者は定植後に葉ばかり茂って花蕾が遅れる。
- 根鉢の状態
- セルを抜いて白い根が全体に回り、崩れずに持ち上がるものが適期。根が茶色く固く巻いているのは老化苗で、植えても新根の出が鈍い。
- 生長点をのぞく
- 中心の葉をそっと開き、白い粒状の花蕾がすでに見える苗は避ける。小さいまま花芽ができた株は、そのまま小さな花蕾で終わる。
老化苗と定植前の順化
定植が遅れて根鉢が固まった苗は、活着に時間がかかるうえ小さいまま花芽に切り替わりやすい。この作物は苗の段階で低温や養分不足に遭うと花芽分化(翌年の花のもとが枝の中にできること)が早まるので、老化苗はその条件を自分でそろえてしまうことになる。
- 定植が遅れるとき
- 1週間以上ずれる見込みなら、セル苗を9センチポットへ鉢上げして根の行き場を作る。あわせて薄めた液肥を1回与え、葉色が抜けるのを止める。
- 春まきの順化
- 保温下で育てた苗は定植の3〜5日前から日中だけ戸外に出し、夜温10℃前後に慣らす。いきなり外気に当てると低温に感応して早期出蕾する。
春まきは定植後もしばらく夜間10℃以上を保ちたい。トンネルやホットキャップを外すのは本葉8枚を過ぎ、気温が安定してからにする。
購入苗を使うとき
購入苗は品種名の札を必ず確認して控えておく。早生か中晩生かで株間も追肥(育てている途中で足す肥料)の時期も変わり、頂花蕾を一度に大きく穫る品種と側花蕾を長く穫る品種では、その後の切り方まで違ってくるためだ。
| 確認する点 | 良い状態 | 避ける状態 |
|---|---|---|
| 本葉の枚数 | 3〜6枚 | 2枚以下、または8枚を超えて根詰まり |
| 株元 | 太く締まって直立している | 細く伸びて倒れかけている |
| 葉裏 | 食害痕や卵がない | 小さな穴や白い粒状の卵がある |
| 店頭での経過 | 入荷直後 | 何日も棚で乾湿を繰り返している |
買った苗はその日のうちに植えるのが原則。植えられない日は日なたに置き、朝に潅水して夕方に乾く状態を保つ。
ブロッコリーの育苗に使うもの
苗を自分で作るか、買うか。作るなら次のものが要ります。買うなら、ここは飛ばして定植の準備へ進んでかまいません。
- セルトレイ・ポリポット探す言葉「セルトレイ 128穴」
- 規格の目安
- 128 穴は小さい種向き、72 穴は根を張らせたいとき。ポットなら直径 9cm が標準です。
穴が小さいほど場所を取らず、大きいほど植え傷みしにくくなります。定植までの日数が長い作物ほど大きい容器を選びます。
- 育苗用の受け皿・トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿」
- 規格の目安
- セルトレイがそのまま載る大きさ。底面から吸わせられる深さがあるもの。
上から水をやると苗が倒れます。受け皿に水を張って下から吸わせると、茎が締まった苗になります。
- 園芸用ヒーターマット探す言葉「園芸 ヒーターマット 育苗」
- 規格の目安
- 20〜30W、表面温度 20〜25℃ 前後。サーモスタット付きだと安心です。
春先の種まきで発芽がそろわない原因はほぼ地温です。室温ではなく、土の温度を上げる必要があります。
- 苗を買って育てるなら、育苗資材は一式要りません。
- 暖かい時期の種まきなら、ヒーターマットは要りません。
ブロッコリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はブロッコリーの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。