水やりは発芽までだけ、あとは雨任せ
ソバの根は浅いのですが、乾きには強い作物です。露地なら発芽までの三日から四日だけ乾かさないようにし、芽が出そろったあとは雨に任せます。真夏に二週間以上雨がなく、葉が昼にしおれて夕方も戻らないなら、朝にたっぷり与えます。
むしろ困るのは水の多すぎです。畑に水がたまる状態が一日続くと根が傷んで葉が黄色くなり、回復しません。まいた直後の大雨が最も危険なので、天気予報で大雨が続くなら、まくのを数日ずらします。
| 時期 | 水やり | 見るところ |
|---|---|---|
| まき直後〜発芽 | 土が乾いたら朝に与える | 表面が白く乾いたら水 |
| 発芽後〜開花 | 原則与えない | 夕方もしおれたままなら水 |
| 開花〜実の充実 | 与えない | 水たまりができたら排水 |
| 収穫前2週間 | 与えない | 乾いていた方が脱粒しにくい |
追肥はしない、葉色で肥料の多さを判断する
ソバに追肥(育ちの途中で足す肥料)は不要です。肥料が多いと茎が太く長く伸びて花の重みで倒れ、花は咲くのに実が入りません。葉が濃い緑で大きく、草丈が一メートルを超えそうなら肥料過多で、それ以上何も与えません。
逆に葉が薄い黄緑で草丈が三十センチ止まりなら、極端に痩せた土か水たまりで根が傷んでいます。前者なら薄めた液体肥料を一度だけ与えます。肥料を足すのはこの場合だけで、それ以外は葉色が薄くても実は普通に付きます。
- 葉色と草丈を見る
- 花が咲く前の草丈が五十センチ前後、葉が普通の緑なら順調です。濃緑で一メートル近いなら倒伏に備えて土寄せを厚くします。
- 薄いときだけ一度
- 草丈三十センチ以下で葉が黄緑なら、規定の二倍に薄めた液体肥料をまき後三週間までに一度だけ与えます。
- 以降は何も足さない
- つぼみが見えてからの肥料は実にならず茎に回ります。どんな姿でも開花後は与えません。
中耕と土寄せで倒伏を防ぐ
ソバの最大の失敗は倒伏です。茎が細く根が浅いので、開花期に台風や強い雨が来ると簡単に倒れ、倒れたまま実が付くと湿って腐ります。草丈十センチのころに条間を軽く耕して雑草を取り、十センチから二十センチのころに株元へ土を寄せると根が張って倒れにくくなります。
土寄せ(株元に土を盛って根を守ること)は草丈三十センチを超えると茎を傷めるので、それまでに済ませます。以降は畑に踏み込まず、倒れたら軽く起こして隣の株にもたれさせる程度にします。
- 草丈十センチで中耕
- 条間の土を三センチほどの深さで軽く削って雑草を抜きます。根が浅いので株元の近くは触りません。
- 二十センチまでに土寄せ
- 条間の土を鍬で寄せ、株元に三センチほど盛ります。両側から寄せると株が挟まれて安定します。
- 三十センチ以降は入らない
- 茎が折れやすくなるので畑の中を歩きません。通路から手が届く範囲で雑草だけ抜きます。
密にまいた列は互いに支え合うので倒れにくく、薄い列ほど一本ずつ倒れます。土寄せは薄い列を優先します。
花の時期は虫に受粉を任せる
ソバはまいて一か月ほどで白い小さな花を付け、三週間から一か月咲き続けます。同じ株の花粉では実にならず、ハチやアブに他の株の花粉を運んでもらう必要があります。花の時期に殺虫剤をまくと受粉する虫がいなくなるので、開花中は薬をまきません。
花がたくさん咲いているのに実が付かないなら、虫が来ていないか、気温が高すぎるかです。三十度を超える日が続くと花粉が働かなくなります。秋ソバでまき時が早すぎると残暑に開花が当たるので、この点でも八月上旬まきが安全です。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 花は多いが実が少ない | 受粉する虫が少ない | 薬をやめる。近くに花を植える |
| 花が落ちて実にならない | 開花中の高温 | 翌年はまき時を遅らせる |
| 株ごとに実の量が違う | ソバの性質で普通 | 気にしなくてよい |
倒れたときの手当てと戻し方
台風で畑全体が倒れても、根が抜けていなければ数日で茎の先が起き上がってきます。無理に一本ずつ立てると茎が折れるので、倒れた翌日に、株を五本から十本まとめて手で軽く起こし、隣の列にもたれさせる程度にとどめます。
倒れて地面に付いた穂は湿って黒くなり、実が入りません。実が付き始めたあとに倒れたなら、地面に付いた部分だけを持ち上げて、支柱を横に渡した上に乗せます。全体が寝てしまった場合は、熟した部分から先に刈って、残りは諦める判断も必要です。
- 翌日に見回る
- 倒れた当日は土がゆるんでいるので触りません。翌日、根が抜けていないか、穂が地面に付いていないかを見ます。
- まとめて軽く起こす
- 十本ほどをまとめて手で起こし、隣にもたれさせます。麻ひもを列の両側に渡して支えると戻りやすくなります。
- 穂を地面から離す
- 地面に付いた穂は支柱を横に渡して乗せます。二日以上湿ったままだと実が腐るので、ここだけは急ぎます。
ソバの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
ソバの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はソバの育て方にまとめています。
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