秋ソバの月別カレンダー
秋ソバは七月下旬から八月中旬にまいて十月中旬から下旬に穫るので、畑を使うのは三か月です。まき時を決めたら、そこから逆算して畑づくり、順算して開花、収穫の日程を書き出しておくと迷いません。関東平野部の露地を基準にしています。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 7月中旬 | 畑を耕す。堆肥のみ少量 | 前作の片づけ後、雨の前に |
| 7月下旬〜8月中旬 | 種まき。鳥よけ | まき後3〜4日で発芽 |
| 8月下旬 | 中耕と土寄せ | 草丈10〜20センチのころ |
| 9月上旬〜中旬 | 開花始まり。薬をまかない | まき後30〜35日 |
| 9月下旬〜10月上旬 | 開花続く。倒伏の見回り | 台風のあとは翌日に起こす |
| 10月中旬〜下旬 | 収穫。刈って島立て | 実の7割が黒くなったころ |
| 11月上旬 | 脱穀、乾燥、選別 | 刈って1〜2週間後 |
| 11月中旬以降 | 畑を片づけ翌年の準備 | 残った茎はすき込む |
夏ソバと寒冷地・暖地の日程
夏ソバは四月下旬から五月にまいて七月に穫ります。梅雨の雨で花が落ちやすく、関東では収量が秋ソバの半分ほどになることが多いので、二回目の作型として試す位置づけです。寒冷地では夏ソバが本来の作型で、六月にまいて九月に穫ります。
暖地では秋ソバのまき時を八月下旬から九月上旬まで遅らせても霜までに熟します。逆に寒冷地は霜が十月に来るので、七月中に必ずまき終えます。地域の初霜の日から逆算して七十五日以上を確保するのが基本です。
| 地域 | 秋ソバのまき時 | 夏ソバのまき時 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 寒冷地 | 7月中旬まで | 5月下旬〜6月中旬 | 初霜が早い。夏ソバが主 |
| 関東平野部 | 7月下旬〜8月中旬 | 4月下旬〜5月中旬 | 秋ソバが安定 |
| 暖地 | 8月中旬〜9月上旬 | 4月上旬〜中旬 | 残暑の開花を避ける |
まき時から逆算した畑の準備
ソバは前作の肥料が残っているくらいがちょうどよいので、畑の準備は耕して整えるだけで済みます。まく二週間前に片づけと耕起を終え、雨で土が落ち着いたころにまくと発芽が揃います。前作がナスやトマトなら、株を抜いた根の残りを丁寧に拾っておきます。
石灰も化成肥料も入れないのがソバの畑づくりです。土壌の酸度も気にしなくて構いません。この点は他の野菜と逆なので、習慣で肥料を入れないよう注意します。
- 二週間前に耕す
- 深さ二十センチまで耕して前作の根を拾います。堆肥を入れるなら一平方メートルに一キロまでにとどめます。
- 一週間前に畝を整える
- 水はけを見て畝の高さを決め、表面を平らにならします。雨が降って土が落ち着くのを待ちます。
- まく日は天気を見る
- まいた直後の大雨がいちばん困るので、二日から三日は晴れが続く日を選んでまきます。
前作がジャガイモやトウモロコシで肥料が多く残っている畑なら、堆肥も入れません。痩せているくらいがソバにはちょうどよい土です。
開花から収穫までの見どころ
まいて一か月で咲き始めた花は、下から順に一か月ほど咲き続けます。花の下には咲いた順に実が付くので、一つの穂に花と青い実と黒い実が混ざるのがソバの姿です。全部が黒くなるのを待つと先に熟した実がこぼれてしまうので、七割が黒くなったころに刈ります。
開花中は畑に入らず、台風のあとだけ倒伏を見回ります。開花の終わりごろに葉が黄色くなり始めるのは正常で、病気ではありません。実の黒くなり方は株ごとに差があるので、畑全体を見て判断します。
- 開花の始まりを記録する
- 最初の花が咲いた日をメモします。その日から三十五日から四十五日後が収穫の目安になります。
- 実の色を数える
- 十株ほどの穂を見て、黒い実の割合を数えます。七割を超えたら刈り時で、九割を超えていたらすでにこぼれ始めています。
- 晴れの続く日に刈る
- 刈ったあと一週間ほど畑で乾かすので、晴れが続く週を選びます。朝露があるうちに刈ると実がこぼれにくくなります。
開花中に畑を歩くと茎が折れて、そこから倒伏が始まります。見回りは通路からにとどめ、写真を撮るなら畝の端から撮ります。
予定どおりに進まないときの立て直し
まき時が遅れて九月に入ってしまった場合、関東なら十一月上旬までに七割が黒くなれば穫れます。霜が降りる前に青い実が多いまま刈ることになったら、実の入りは少なくても刈って乾かせば、熟した分だけは使えます。
台風で全体が倒れて起こせなかった年は、収量は落ちますが、立った部分だけ刈るか、寝たまま熟した穂の先だけを手で摘み取ります。ソバは畑を三か月しか使わないので、失敗しても翌年にすぐやり直せる作物です。
| 場面 | 判断 | やること |
|---|---|---|
| まき時が9月に入った | 遅まきで挑戦 | 量を1割増やす。霜前に刈る |
| 開花中に台風で倒れた | 翌日に起こす | 起きなければ穂だけ摘む |
| 霜が来て実が青い | 刈って乾かす | 黒い実だけ選別して使う |
| 鳥に穂を食われた | 防鳥ネット | 翌年はまき時を2週ずらす |
ソバの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
ソバの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はソバの育て方にまとめています。
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