刈り時は実の色で決める
ソバの実は下から順に熟し、熟した実から落ちていきます。一つの穂に黒い実と青い実が混ざるのが普通で、全部が黒くなることはありません。畑全体を見て七割ほどが黒くなったころが刈り時で、開花の始まりからおよそ三十五日から四十五日後です。
迷ったら早めに刈ります。青い実は刈ったあと干している間に少し熟しますが、落ちた実は拾えません。葉が黄色く落ち始めているのも刈り時の合図です。
| 実の状態 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 黒い実が5割以下 | まだ待つ | 青い実が多く、乾いても軽い実になる |
| 黒い実が7割前後 | 刈る | 落ちる前に穫れる最も多い時期 |
| 黒い実が9割以上 | すぐ刈る | すでにこぼれ始めている |
| 畑の下に黒い実が落ちている | 急いで刈る | 遅れるほど減る |
朝露のあるうちに手で刈る
熟した実は乾くと軽く触れただけで落ちます。刈るのは朝露で穂が湿っている早朝が向いていて、日中の乾いた時間に刈ると刈る動作だけで実がこぼれます。鎌で株元から刈り、穂を揺らさないように静かに置いていきます。
家庭菜園の広さなら一時間もあれば刈り終わります。刈った株は穂をそろえて直径十センチほどの束にし、麻ひもで根元を縛ります。束にするときも穂を下に向けて振らないよう注意します。
- 早朝に鎌で刈る
- 露で穂が湿っている時間に、株元から鎌で刈ります。穂を振ると実が落ちるので、片手で穂を支えながら刈ります。
- 穂をそろえて束にする
- 刈った株を十本から二十本まとめ、根元を麻ひもで縛ります。穂の高さをそろえると乾きが均一になります。
- シートの上で作業する
- 刈った場所にブルーシートを敷いておくと、刈る動作でこぼれた実も回収できます。束を置く場所もシートの上にします。
島立てで一週間から二週間干す
刈った束は畑に立てて乾かします。束を三つから五つ、穂を上にして寄りかからせるように立てる「島立て」が昔からの方法で、風が通って乾きやすく、雨も流れます。晴れが続けば一週間、曇りがちなら二週間で軸が茶色くぱりぱりになります。
畑に立てる場所がないなら、束を軒下やベランダの物干しに逆さに吊るしても乾きます。吊るす場合は下に新聞紙かシートを敷いて、落ちる実を受けます。乾いたかどうかは、穂を軽く振って黒い実がぱらぱら落ちるかで確かめます。
- 三束から五束を寄せて立てる
- 束の根元を広げて穂を上で寄せ、円すい形に立てます。強風が来るなら中心に支柱を立てて縛ります。
- 三日おきに向きを変える
- 日の当たる側だけが乾くので、三日ごとに束の向きを変えます。雨が二日以上続くなら軒下に移します。
- 振って落ちれば乾いている
- 穂を軽く振って実がぱらぱら落ちるようになったら脱穀できます。しなって落ちないならもう数日待ちます。
干している間もスズメが実をついばみに来ます。島立てにはネットをかけるか、家の近くに置いて目が届くようにします。
脱穀はシートの上でたたく
乾いた束はブルーシートの上で穂を棒で軽くたたくか、束を持って板に打ちつけると実が落ちます。家庭菜園の量なら三十分ほどで終わります。落ちた実には葉や茎の破片、青い実、殻が混ざっているので、次の選別で分けます。
たたいても落ちない実は未熟なので無理に取りません。脱穀は乾いた晴れの日の昼に行うと実が落ちやすく、湿った日は落ちが悪くなります。実は熟しているほど硬く黒く、爪で押してもへこみません。
- シートを広げて束を打つ
- シートの上で束を持ち、穂の部分を板や地面に軽く打ちつけます。二十回ほどでほとんどの実が落ちます。
- 棒で残りをたたく
- 残った実は穂を寝かせて棒で軽くたたきます。強くたたくと実が割れるので、力は入れません。
- 大きなごみを手で取る
- 落ちた実の上に残った茎や葉を手で拾い、目の粗いざるでふるって大きな破片を分けます。
風で選別し、実を確かめる
ふるいで大きなごみを取ったあと、風のある日に少し高い位置からゆっくり落とすと、軽い殻や葉くずが飛んで実だけが残ります。扇風機の前で同じことをしてもできます。二回か三回繰り返せば、黒くつやのある実だけが残ります。
選別した実の中に、爪で押してへこむ軽い実があれば未熟なので除きます。一平方メートルの畑から百グラムから二百グラムほど穫れれば上出来で、実の入り方は年によって大きく変わります。
| 見た目 | 状態 | 扱い |
|---|---|---|
| 黒くつやがあり硬い | 完熟 | 使う |
| 茶色でやや軽い | 半熟 | 乾かしてから使う |
| 緑がかって柔らかい | 未熟 | 除く |
| 殻が割れて中が白い | 傷んだ実 | 除く |
実がこぼれてしまったときの戻し方
刈り遅れて畑に実が落ちていたら、乾いた日に株元の土ごとシートに集め、ふるいで土を落として拾います。落ちた実は土に触れているので、よく乾かしてから選別に回します。全部は拾えませんが、半分ほどは回収できます。
拾い切れずに畑に残った実は翌年の春に勝手に芽を出します。ソバの自生えは倒れやすく実も少ないので、次の作物の邪魔になるなら耕して埋め戻します。逆に、こぼれた実は畑の緑肥として使う手もあり、春に耕せば土を柔らかくしてくれます。
- 乾いた日に土ごと集める
- 株元の表土をほうきで集めてシートに乗せ、目の細かいふるいで土を落とします。実が見えなくなるまで数回ふるいます。
- 日陰で二日乾かす
- 拾った実は土の湿りを含んでいるので、新聞紙に広げて風通しのよい日陰で二日ほど乾かしてから選別します。
- 残りは春にすき込む
- 拾えなかった実は放っておき、春に芽が出たところで耕して土に混ぜます。次の作物の緑肥として役立ちます。
ソバの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ソバの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はソバの育て方にまとめています。
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