株分けか挿し木かを選ぶ
ハギを増やす方法は、株元を掘り上げて分ける株分けと、初夏の枝を使う挿し木の2つが中心です。株分けは大きな株が一度に得られ、翌年から花が咲きます。挿し木は数を増やしやすく、発根率も高めです。種からも育てられ、こぼれ種で勝手に生えることもあるほどですが、花が咲くまで2年から3年かかります。
どの方法でも、増やした株は肥料を与えず、日なたで育てます。若い株ほど肥料で徒長しやすいので、腐葉土を混ぜた土だけで十分です。
| 目的 | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 大きな株を早く得る | 株分け | 2月下旬〜3月 |
| 数を増やす | 挿し木 | 6〜7月 |
| 古い株を若返らせる | 株分け | 2月下旬〜3月 |
| 手間をかけずに | 種まき | 10〜11月に採り、3月にまく |
株分けは切り戻しと同じ時期にできるので、冬の作業のついでに済ませると効率的です。
株分けの手順
株分けは芽が動く前の2月下旬から3月に行います。冬の切り戻しで枝を短くしてあるので、株元を掘り上げやすい時期です。株を掘り上げて土を落とし、芽が3つから5つ付くように、のこぎりかスコップで切り分けます。中心の古く硬い部分は芽が出にくいので捨て、外側の若い部分を使います。
大きな株は掘り上げずに、外側の一部だけをスコップで切り取る方法もあります。親株を傷めずに済み、翌年も同じように分けられます。
- 株を掘り上げる
- 株元から20センチ離してスコップを一周入れ、下から持ち上げます。根が深いので、太い根は切って構いません。
- 切り分ける
- 土を落として芽の位置を確かめ、芽が3つから5つ付くようにのこぎりで切ります。中心の硬い部分は捨てます。
- すぐに植える
- 分けた株は乾かさずに植えます。腐葉土を2割混ぜた土に、芽が地面すれすれになる深さで植え、たっぷり水を与えます。
- 芽吹きを待つ
- 4月中旬から芽が出ます。その年は枝が短めですが、秋には花が咲きます。芽が出るまでは土を乾かさない程度に水を与えます。
挿し木の手順
6月から7月に、その年に伸びた枝の中ほどを使います。先端の柔らかすぎる部分と、根元の硬すぎる部分は避け、曲げると少ししなる硬さの部分を10センチから15センチに切ります。下の葉を落として上に2枚から3枚残し、赤玉土小粒か鹿沼土に挿して明るい日陰で管理します。
発根まで1か月ほどで、新芽が動き始めたら根が出た合図です。秋までは動かさず、翌年の3月に鉢上げします。鉢上げした年の秋には小さな花が咲きます。
- 挿し穂を作る
- 今年伸びた枝の中ほどを15センチほど切り、下半分の葉を落とします。切り口はナイフで斜めに切り直し、1時間ほど水に浸けます。
- 土に挿す
- 赤玉土小粒を入れた鉢に割りばしで穴を開け、3分の1の深さまで挿します。周りの土を指で押さえます。
- 日陰で乾かさない
- 明るい日陰に置き、土の表面が乾く前に水を与えます。1か月ほどで新芽が動き始めます。
- 翌春に鉢上げする
- 翌年の3月に一回り大きな鉢か庭に植えます。肥料は与えず、日なたで育てます。植えた年の冬から通常の切り戻しを始めます。
種から育てる
花が終わった10月から11月に、小さなさやの中に種ができます。さやが茶色く乾いたら採り、封筒に入れて冷暗所で保存し、3月にまきます。種の皮が硬いので、まく前に一晩水に浸けるか、紙やすりで軽く傷を付けると発芽がそろいます。発芽後は日なたで育て、翌年の3月に庭に植えます。
こぼれ種で自然に生えた苗も同じように使えます。親株の周りに生えているのを5月ごろに見つけたら、根を傷めないように土ごと掘り上げて鉢に移します。
- 種を採る
- さやが茶色く乾いて割れ始めたころに枝ごと切り、紙袋の中で振って種を落とします。割れてから採ると種がこぼれてしまいます。
- 一晩水に浸けてまく
- 3月に種を一晩水に浸け、赤玉土小粒を入れた鉢に2センチ間隔でまいて5ミリほど土をかけます。
- 日なたで育てる
- 発芽したら日なたに置き、本葉が4枚から5枚になったら3号ポットに1本ずつ移します。肥料は与えません。
増やすときの失敗と直し方
株分けの失敗で多いのは、中心の古い部分を使って芽が出ないことと、深く植えすぎて芽が土の中で腐ることです。外側の若い部分を使い、芽が地面すれすれになる深さで植えます。挿し木は、枝の硬さの選び間違いと、土の乾燥が主な原因です。挿して2週間で葉が黒く落ちたら乾燥か直射日光、1か月で枝全体が茶色くなったら硬さの問題です。
増やした株に肥料を与えると徒長(間延びしてひょろ長く伸びること)して倒れ、花も付きません。若い株こそ肥料を与えず、日なたで締めて育てます。
| 症状 | 原因 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| 分けた株から芽が出ない | 中心の古い部分を使った、深植え | 外側の若い部分を浅く植える |
| 挿し穂の葉が2週間で黒く落ちる | 乾燥か直射日光 | 日陰に置き、鉢ごと袋で覆う |
| 挿し穂が1か月で茶色くなる | 枝が硬すぎた | 6月の中ほどの枝でやり直す |
| 若い株が倒れて花が咲かない | 肥料の与えすぎ | 肥料を止め、翌冬に切り戻す |
ハギの挿し木・接ぎ木に使うもの
木を増やす方法は挿し木と接ぎ木で、要るものが違います。まず自分の木がどちらで増えるかを確かめます。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木 ルートン」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプ。
木は草花より根が出にくく、種類によっては差がはっきり出ます。
- 接ぎ木用ナイフ探す言葉「接ぎ木ナイフ 園芸」
- 規格の目安
- 片刃で、刃の平らなもの。よく研げるもの。
接ぎ木は切り口の面が合うかどうかがすべてです。普通のカッターでは平らな面を作れません。
- 接ぎ木テープ探す言葉「接ぎ木テープ 園芸」
- 規格の目安
- 伸びて自然に劣化するタイプ。幅 20〜30mm。
接いだところを密着させ、乾燥を防ぎます。外し忘れると幹に食い込むので、劣化するものが安全です。
- 挿し木で増える種類なら、接ぎ木の道具は要りません。
- 苗木を買うほうが早く実を付ける木も多く、増やすのは趣味の範囲と割り切る選択もあります。
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