一年の流れを表で見る
ジャーマンカモミールは秋にまいて冬を越し、春に花を穫って初夏に片付ける流れです。作業が集中するのは、九月から十月の種まきと間引き、四月から六月の支柱立てと収穫です。それ以外の月はほとんど手がかかりません。
ローマン種は多年草なので、春か秋に苗を植え、夏の蒸れ対策と秋の株分けが加わります。表は秋まきのジャーマン種を基準にし、ローマン種の作業は備考で補います。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 9月下旬〜10月中旬 | 種まき(覆土なし) | 地温が二十度前後まで下がったら |
| 10月下旬〜11月 | 二回の間引き、株間三十センチに | 本葉二枚と五枚で間引く |
| 12月〜2月 | 冬越し。露地は何もしない | 寒冷地は不織布をかける |
| 3月 | 追肥ひとつまみ、雑草取り | 新葉が動き出したら |
| 4月 | 支柱立て、開花始まり | 草丈三十センチを超えたら支柱 |
| 5月 | 収穫の最盛期、二三日おきに摘む | 花びらが水平になったら |
| 6月上旬 | 収穫の終わり、採種、片付け | 梅雨入り前に片付ける |
| 6月〜8月 | ローマン種は蒸れ対策、刈り込み | 株の中心が枯れたら間引く |
| 9月 | ローマン種の株分け、次の種まき準備 | 暑さが落ち着いたら |
九月から十一月:種まきと間引き
九月下旬、日中の暑さが落ち着いて地温が二十度前後になったら種をまきます。早すぎると残暑で芽が傷み、遅すぎると冬までに根が張れません。まく前に苦土石灰と少量の元肥(植える前に土に混ぜる肥料)を混ぜ、平らにならした土の表面にまいて覆土はしません。
発芽したら本葉二枚で一回目、本葉五枚で二回目の間引きをして、十一月までに株間三十センチに落ち着かせます。この時期に込んだまま放置すると、春に蒸れて病気が出ます。間引いた苗は空いた場所に移植できます。
- 地温を見てまく
- 九月下旬から十月中旬、朝晩が涼しくなったころにまきます。覆土はせず、手で押さえて霧吹きで湿らせます。
- 本葉二枚で一回目の間引き
- 発芽から二週間ほど、本葉が二枚になったら弱い芽を抜いて五センチ間隔にします。残す株は葉色の濃いものを選びます。
- 十一月までに三十センチに
- 本葉五枚で二回目の間引きをし、最終株間三十センチにします。冬前に株を落ち着かせます。
十二月から二月:冬越し
冬の間、株は地面に張り付くように小さいまま過ごします。関東平野部の露地では何もしなくても越冬します。霜で葉の縁が傷んでも、三月には新しい葉が出て回復するので心配いりません。
寒冷地では霜柱で根が持ち上げられて枯れることがあります。株元にわらや腐葉土を敷くか、不織布をべたがけして守ります。霜柱で浮いた株は、見つけたら手で押し戻して根を土に戻します。鉢植えは軒下に移して水を控えます。
| 状態 | 冬の扱い | 注意 |
|---|---|---|
| 露地・関東平野部 | 何もしない | 霜で傷んでも春に回復する |
| 露地・寒冷地 | わらや腐葉土、不織布で覆う | 霜柱で浮いた株は押し戻す |
| 鉢植え | 軒下で水を控える | 乾いて数日後に午前中に少量 |
三月から四月:追肥と支柱立て
三月に新しい葉が動き出したら、株のまわりに緩効性肥料をひとつまみ施し、雑草を抜きます。株はここから急に大きくなり、四月には草丈三十センチを超えます。肥料が多いと倒れやすくなるので、一回だけにします。
四月上旬、草丈が三十センチになったら支柱を立ててひもを回します。倒れてから支えるより、倒れる前に囲っておくほうがずっと楽です。四月下旬には最初の花が咲き始めます。
- 三月に追肥と草取り
- 新葉が伸び始めたら、株のまわりに緩効性肥料をひとつまみまき、周りの雑草を抜きます。
- 四月上旬に支柱を立てる
- 草丈三十センチで株の周りに支柱を立て、二段にひもを回します。群れ植えは畝の両側に支柱を立ててひもを渡します。
- 四月下旬に開花を確かめる
- 最初の花が開いたら、花びらが水平になるのを待って摘み始めます。摘むほど次の花が上がります。
五月から六月:収穫と片付け
五月はカモミールの最盛期です。二日から三日おきに、花びらが水平から少し下向きになった花を摘み、日陰で乾かします。花が減ってきたら株の三分の一を刈り込むと、もう一度花が咲きます。
六月に入って梅雨が近づいたら、種を採る株を数本残して、それ以外は抜いて片付けます。梅雨の中で無理に延命すると病気が出て、周りの植物にも広がります。片付けた場所は夏野菜やバジルなどに使えます。
- 二三日おきに花を摘む
- 晴れた午前中に、花びらが水平になった花を指ではさんで摘みます。ざるに広げて日陰で乾かします。
- 花が減ったら刈り込む
- 五月中旬に花が減ってきたら株の三分の一を刈ります。二週間で新しい花が上がります。
- 梅雨入り前に片付ける
- 採種用の株を残し、他は根から抜きます。こぼれ種を期待するなら数本を枯れるまで残しておきます。
作業が遅れたときの立て直し
種まきが十一月にずれ込んだら、露地では冬までに根が張れず小株で終わります。この場合はポットにまいて日当たりのよい軒下や室内の窓際で育て、三月に植え付けます。まきそびれて春になったら、三月中旬に春まきにして、花は少なめと割り切ります。
支柱を立てそびれて倒れたら、翌日までに起こしてひもで支えます。収穫を忘れて花が種になりかけていたら、いったん株の三分の一を刈り込んで、新しい花を待ちます。梅雨前の片付けが遅れて株が病気になったら、抜いて捨て、翌年は同じ場所を避けます。
| 場面 | 対処 | 次の適期 |
|---|---|---|
| 種まきが十一月にずれた | ポットにまいて軒下で育て三月に定植 | 翌年九月下旬 |
| 春になってしまった | 三月中旬に春まき。花は少なめ | 次の秋まきで挽回 |
| 支柱なしで倒れた | 翌日までに起こしてひもで支える | 来年は四月上旬に支柱 |
| 収穫を忘れて種になりかけた | 三分の一を刈って新しい花を待つ | 二週間後から再収穫 |
カモミールの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
カモミールの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカモミールの育て方にまとめています。
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