ジャーマン種とローマン種を選び分ける
カモミールには一年草のジャーマンカモミールと、多年草のローマンカモミールがあります。お茶にする花を多く穫るならジャーマン種です。草丈が五十センチほどになり、りんごのような甘い香りの花を春に次々と咲かせます。ローマン種は葉にも香りがあり、背が低く横に広がるので、グラウンドカバーや踏み込める芝の代わりに向きます。
種から育てやすいのはジャーマン種で、こぼれ種でも毎年生えてくるほど丈夫です。ローマン種は種からだと生育が遅く、苗から始めるほうが確実です。初めてなら、ジャーマン種を秋にまくのがいちばん失敗が少ない方法です。
| 種類 | 性質 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| ジャーマンカモミール | 一年草。草丈五十センチ。花に香り | お茶用に花を穫る。秋まきで大株 |
| ローマンカモミール | 多年草。草丈十五センチで横に広がる | グラウンドカバー。葉の香りを楽しむ |
| ダイヤーズカモミール | 多年草。黄色い花 | 染色用や観賞用。お茶には使わない |
種は光を好むので土をかぶせない
カモミールの種は一ミリほどの細かさで、光が当たらないと発芽しません。土の表面にまいたら、覆土(かぶせる土)はせずに手のひらで軽く押さえて土と密着させるだけにします。土をかぶせてしまうのが、発芽しない原因の大半です。
細かい種を均一にまくには、種を乾いた砂や土と混ぜてからまくとばらつきが減ります。まいたあとの水やりはじょうろの細かい水か霧吹きで行い、種が流れないようにします。発芽までは一週間から十日で、その間は土の表面を乾かさないことです。
- 土の表面を平らにならす
- 苗床やプランターの土を湿らせてから表面を平らにします。でこぼこがあると種が低い所に集まって発芽が偏ります。
- 砂と混ぜてばらまく
- 種を同量の乾いた砂と混ぜ、指先でこすりながら薄くばらまきます。一か所に固まらないように二回に分けてまきます。
- 覆土せず軽く押さえる
- 土はかぶせず、手のひらか板で軽く押さえて種を土に密着させます。押さえないと乾いて発芽しません。
- 霧吹きで湿らせる
- 霧吹きか細かい水のじょうろで表面を湿らせます。発芽まで乾かさないよう、新聞紙を一枚かけておくと管理が楽です。
新聞紙をかけたら毎日めくって確かめ、芽が見えたらすぐに外します。外し忘れると芽が徒長(軟らかく間延びすること)します。
直まきと育苗のどちらでもよい
カモミールは移植にも強いので、花壇に直接まいても、ポットで苗を作ってから植えても構いません。花壇に広くまいて自然な群れ咲きにするなら直まき、限られた数を計画的に配置するなら育苗が向いています。
ポットまきなら、九センチのポットに種を五粒から六粒まき、本葉が出たら二本に間引き、本葉五枚から六枚で一本にして定植します。直まきなら、まき場所を三十センチ間隔で決め、それぞれに十粒ほどまいて間引いていきます。
| まき方 | 手順 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 直まき | 三十センチ間隔に十粒ずつ、間引いて一本に | 花壇に広く群れ咲きさせたい |
| ポットまき | 九センチポットに五六粒、本葉五枚で定植 | 数を決めて配置したい、プランター |
| ばらまき | 花壇全体に薄くまき、混んだ所を間引く | 自然な雰囲気のハーブガーデン |
間引きは二回、最終株間は三十センチ
発芽して本葉が二枚になったら一回目の間引き(込みすぎた株を抜くこと)をし、株間を五センチほどにします。本葉五枚から六枚で二回目の間引きをして、最終的に三十センチ間隔にします。ジャーマン種は一株が直径四十センチほどに広がるので、狭いと蒸れて病気が出ます。
間引くときは残す株の根を傷めないよう、地際でハサミで切るか、そっと引き抜きます。間引いた苗は移植できるので、空いた場所に植えれば無駄になりません。
- 本葉二枚で五センチ間隔に
- 弱い芽や重なった芽を抜き、五センチほどの間隔にします。地際でハサミで切ると隣の根を傷めません。
- 本葉五枚で三十センチに
- 残す株を決め、間の株を引き抜きます。抜いた苗は根を乾かさずに別の場所へ植えられます。
- 秋まきは冬前に株を落ち着かせる
- 十一月までに二回目の間引きを終え、株を三十センチ間隔にして冬を迎えます。込んだまま冬を越すと春に蒸れます。
秋まきが基本、春まきは花が少ない
関東の露地では、九月下旬から十月中旬にまくと、冬を小さな株のまま越し、三月から急に大きくなって四月下旬から六月まで花が咲きます。株が大きく育つ分、花の数が春まきの二倍から三倍になります。
春まきは三月中旬から四月にまき、五月下旬から花が咲きますが、すぐに梅雨と暑さが来るので株が小さいうちに終わります。寒冷地で冬越しが難しい場合は春まきにし、少し早めに室内で育苗すると花期が長くなります。
| 時期 | 開花 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 9月下旬〜10月中旬 | 翌年4月下旬〜6月 | 花が最も多い。関東以西の基本 |
| 3月中旬〜4月 | 5月下旬〜6月 | 花は少なめ。寒冷地向き |
| 11月以降 | 翌年5月〜6月 | 冬に根が張れず小株になる。避ける |
芽が出ないときの原因と直し方
まいて二週間たっても芽が出ないときは、土をかぶせたか、表面が乾いたか、種が古いかのどれかです。土をかぶせていたら表面をそっとかいて種を出し、乾いていたら霧吹きで湿らせて新聞紙をかけます。二年以上前の種は発芽率が落ちるので、まき直すなら新しい種を使います。
発芽したのにひょろひょろと倒れるのは、日照不足か、密にまきすぎたためです。日当たりのよい場所に移し、早めに間引いて風と光を入れます。倒れた芽は起こせないので、新しい芽が育つよう株元に土を少し寄せて支えます。
| 状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 二週間たっても芽が出ない | 土をかぶせた、乾いた、種が古い | 表面をかいて光を当て、湿らせ直す |
| 芽が細長く倒れる | 日照不足、密まき | 日向に移し、早めに間引く |
| 芽が一部だけ固まって出た | 種が水で流れた | 混んだ所を間引き、空いた所へ移植 |
| 芽が出てすぐ消えた | 乾燥か、ナメクジの食害 | 霧吹きで管理し、夜に見回る |
種まきの手順
カモミールは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
カモミールの種まきでよくある質問
カモミールの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
カモミールの種はどうやってまく?
ばらまき / 直まきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
カモミールの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
カモミールの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
カモミールは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
カモミールの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
カモミールの種まきに使うもの
ハーブの種は小さく、光を好むものが多いので、土をほとんどかけません。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ないもの。
粗い土だと、細かい種が粒の隙間に落ちて深く埋まってしまいます。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいもの。
土をかけない種は、ジョウロだと流れます。発芽までは霧で与えます。
- 浅い育苗箱・セルトレイ探す言葉「セルトレイ 育苗 128穴」
- 規格の目安
- 深さ 5cm 前後の浅い箱か、128 穴のセルトレイ。
種が小さいうちは深い容器は要りません。浅いほうが地温も上がりやすくなります。
- 苗を買って育てるなら、種まきの資材は要りません。多年草のハーブは苗のほうが早いです。
- ポットに直まきできる大きさの種なら、セルトレイは要りません。
カモミールの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカモミールの育て方にまとめています。
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