症状から原因を見分ける
サクランボの被害は、実に出るもの、葉に出るもの、幹に出るものに分かれます。実が消えるのは鳥、実が裂けるのは雨、実が茶色く腐るのは灰星病です。幹からおがくずのようなものが出ていればコスカシバ、葉に穴があいて穴の周りが赤ければ穿孔病が疑われます。
| 症状 | 考えられる原因 | 確かめること |
|---|---|---|
| 色づいた実が一晩でなくなる | ヒヨドリ、ムクドリ | 食べかすや種が地面に落ちていないか |
| 実の皮が裂ける | 雨による実割れ | 収穫直前に雨が降ったか |
| 実が茶色くなり灰色のかびで覆われる | 灰星病 | 花や葉にも茶色い斑点がないか |
| 幹の根元からおがくずと樹脂が出る | コスカシバの幼虫 | 樹脂の下を削ると白い幼虫がいる |
| 葉に小さな穴があき周りが赤い | 穿孔病 | 雨の多い年に葉が落ちていないか |
| 新芽が縮れて葉が丸まる | アブラムシ | 葉裏に黒や緑の小さな虫がいるか |
| 夏に葉が黄色くなって早く落ちる | 水切れか根腐れ | 土が乾いているか常に湿っているか |
鳥害は色づく前のネットで防ぐ
サクランボの実は鳥の大好物で、色づき始めるとヒヨドリやムクドリが群れで来て、放っておけば一粒も残りません。防ぐ方法は防鳥ネットだけで、光るテープや目玉風船は数日で慣れられます。実が黄色くなり始める前にネットをかけるのが目安で、遅れると一晩で失います。小さな鉢植えなら、目の細かい洗濯ネットや果実袋を房ごとかぶせる方法でも守れます。
- 色づく前にかける
- 実が黄色みを帯び始めた時点でかけます。赤くなってからでは間に合いません。関東の佐藤錦なら五月下旬、暖地桜桃なら五月上旬が目安です。
- 網目は二センチ以下
- ヒヨドリは三センチの網目をくぐります。目の細かいネットを選び、樹全体をすっぽり包んで裾を地面で留めます。
- 枝に直接かけない
- ネットが実に触れると、外から鳥がつついて食べます。支柱を樹より高く立てて、ネットと実の間に空間を作ります。
- 収穫のたびに裾を閉じ直す
- 収穫で開けた裾を閉じ忘れると、そこから入られます。洗濯ばさみで留めると開け閉めが楽です。
実割れは雨よけで防ぐ
熟した実に雨が当たると、実が急に水を吸って皮が裂けます。裂けた実はすぐに腐り、灰星病の元にもなります。関東では佐藤錦の収穫期が梅雨入りと重なるので、雨よけをするか、雨の前に多少早くても収穫してしまうかを判断します。暖地桜桃は梅雨前に熟すので、被害が少ないです。
- 色づき始めたら雨よけを張る
- 支柱の上にビニールを張り、横は開けておきます。鉢植えは軒下や屋根のある場所に移すだけで済みます。
- 雨の予報が出たら収穫
- まとまった雨の予報が出たら、八分ほど色づいた実は収穫します。多少酸味が残っても、割れて失うよりよいです。
- 割れた実はすぐ取る
- 割れた実を残すと、そこから灰星病が広がります。見つけ次第軸ごと取って袋に入れ、地面に落ちた実も拾って処分します。
灰星病とコスカシバの手当て
灰星病は開花期と収穫期の雨で広がり、花や実が茶色く腐って灰色のかびに覆われます。病気の実や花を残さないことと、開花前の予防散布が対策です。コスカシバは幹の中に幼虫が入って樹を弱らせる虫で、根元におがくずと樹脂が出ていたら幼虫を探して取り出します。
- 病気の実と花を取り除く
- 茶色くなった花や実、木についたまま干からびた実は、灰星病の胞子の元です。見つけ次第取り、落ちたものも拾って処分します。
- 開花直前に予防散布
- 四月の花が咲く直前と花が散った直後に、果樹用の殺菌剤を散布すると灰星病を抑えられます。ラベルの適用作物を確かめます。
- コスカシバの幼虫を掘り出す
- 幹の根元に樹脂とおがくずが出ていたら、その部分の皮を薄く削り、中にいる白い幼虫を針金でかき出します。削った面に癒合剤を塗ります。
- 幹に虫が入らないようにする
- コスカシバは幹の傷や剪定の切り口から産卵します。切り口は必ず癒合剤で塞ぎ、株元を草でおおわないようにします。
樹が急に弱ったときの原因の切り分け
サクランボは元気だった樹が一年で枯れることがあり、原因は根腐れ、胴枯れ病、コスカシバのどれかであることがほとんどです。葉全体が夏に黄色くなって落ちるなら根、一部の枝だけが枯れるなら胴枯れ病、幹の根元に樹脂とおがくずがあればコスカシバです。順に確かめて手当てします。
| 樹の姿 | 疑う原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 夏に全体の葉が黄色くなり落ちる | 根腐れ(過湿) | 水はけを改善し、鉢なら根を切って植え直す |
| 特定の枝だけ葉がしおれ枝が黒い | 胴枯れ病 | 黒い部分を削り取って癒合剤、枯れた枝は付け根で切る |
| 根元に樹脂とおがくず | コスカシバ | 幼虫を掘り出し、株元を清潔に保つ |
| 幹の根元にこぶ | 根頭がんしゅ病 | 治らないので処分し、同じ場所に植えない |
サクランボの収穫までのコツは作物ページに
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