科: バラ科属: Prunus
栽培カレンダー
関東地方の目安です。地域と品種で前後します。実際の日付は記録に残しましょう。
サクランボを詳しく知る
項目ごとに 1 ページで掘り下げています。いま知りたいところから読んでください。
記録しておきたいタイミング
植えた日と品種・受粉樹
多くの品種は 1 本では実りません。主木と受粉樹の品種名を残します。
開花した日
受粉樹と開花期が重なっているかが最重要です。両方の開花日を残して比べます。
収穫した日
開花から 40〜60 日。実際の日数を残すと翌年の準備が早くできます。
収穫までのコツ
サクランボを育てるうえで、うまくいくかどうかを分ける勘所です。暦や病害虫の前に、ここだけ押さえておくと結果が変わります。
若木のうちに枝を横へ誘引する
サクランボは切り口から枯れ込みやすく、太い枝を落とすのは避けたい樹です。若いうちに紐で枝を水平近くまで引き下げれば、切らずに樹形を作れます。
暖地では暖地桜桃を選ぶ
佐藤錦などの甘果桜桃は冬に一定の低温がないと花がそろいません。暖地桜桃なら1本で実り、関東以西の庭でも収穫まで持っていけます。
太い枝は6月までに切る
休眠期に切ったサクランボの切り口は翌春までふさがりません。収穫直後の6月に切ると1か月ほどで巻き込み、癒合剤を塗れば枯れ込みも防げます。
実の肥大期は水を一定に保つ
サクランボは5月に一気に玉が太ります。この時期に土が乾ききると小玉のまま止まるので、地植えでも週1回はたっぷり与えて水分の振れを抑えます。
わい性台木で樹高を抑える
サクランボは放任すると5mを超え、雨よけもネットもかけられなくなります。コルト台などの苗を選び主幹を3mで止めると、管理が手の届く範囲に収まります。
サクランボの栽培をはじめるのに用意するもの
木は植え直しが利きません。植える日にそろえておきたいのは次の 4 つです。作業ごとに要るものは、各解説のページにまとめています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここで手を抜くと何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では支えきれません。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。
木を育てるかぎり毎年使います。切れ味の落ちないものを 1 丁選ぶと、何年も持ちます。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg を冬のうちに。
木の肥料は年に 1〜2 回で足ります。冬に入れて春に効かせるのが基本です。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。
- 鉢で育てるなら 180cm の添え木は要りません。鉢に合う短い支柱で足ります。
サクランボの病害虫(45)
症状・予防・対処が分かっているものを、重要度の高い順に並べています。「一般的な内容」と付いているものは、この作物にかぎった記述がまだ無く、病害虫そのものの説明を出しています。
アブラムシ類
主要害虫
時期 春(4〜6月)出る場所 新芽・葉出やすい条件 新梢が伸びる時期
症状 新芽に群生し、葉が縮れて丸まります。
予防 新梢を見回り、初期に対処します。
対処 水で流すか捕殺します。葉が巻いてからでは薬が届きません。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): アブラムシ類、Nasonovia ribisnigri
カミキリムシ類
主要害虫
時期 初夏〜夏(6〜8月)出る場所 幹・株元出やすい条件 成虫が飛来する時期
症状 株元におがくずが積もり、枝が枯れます。
予防 株元を見回り、幹に防虫ネットを巻きます。
対処 穴に針金を差すか薬剤を注入します。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): カミキリムシ科
カメムシ類
主要害虫
時期 収穫期(5〜6月)出る場所 果実出やすい条件 周囲に林があるとき
症状 果実に刺し跡ができ、その周りがへこんで変色します。
予防 収穫期に防虫ネットで覆います。周囲の草刈りも有効です。
対処 見つけたら捕殺します。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): カメムシ科
シンクイムシ類
主要害虫
時期 収穫期(5〜6月)出る場所 果実出やすい条件 熟した実を置いたままにしたとき
症状 熟した実の中に小さなウジがいます。外から見ても分かりにくく、割ると出てきます。
予防 熟した実を樹に残さず、落果もすぐ拾います。収穫期に防虫ネットで覆うと産卵を防げます。
対処 被害果は畑に残さず密閉して処分します。落果を放置すると次の世代が増えます。
近年はオウトウショウジョウバエの被害が増えています。落果の管理が要です。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): ナシヒメシンクイ
灰星病
主要病気
時期 開花期・収穫期(4月、6月)出る場所 花・果実出やすい条件 開花期と収穫前の雨
症状 花が茶色く枯れて枝に残り、果実は褐色に腐って灰色の胞子の塊に覆われます。腐った実がミイラ状になって枝に残ります。
予防 枝に残ったミイラ果が翌年の発生源です。冬に必ず取り除きます。開花期の雨よけが効きます。
対処 発病した花・果実をすぐ取り除き、畑の外へ出します。放置すると隣の実へ次々に移ります。
サクランボで最も収穫を失う病気です。ミイラ果を残さないことが翌年を決めます。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Monilinia fructicola、Monilinia fructigena、Monilinia laxa ほか2
裂果
主要生理障害
時期 収穫期(6月)出る場所 果実出やすい条件 色づいてからの雨
症状 実が縦や横に裂けます。裂けた実から腐りが入り、収穫できません。
予防 雨よけ(簡易な屋根やビニール)が唯一の確実な対策です。色づき始めたら水やりを控えます。
対処 裂けた実はすぐ取り除きます。雨の予報が出たら、色づいた実を前倒しで収穫します。
サクランボを家庭で成功させられるかは、収穫期に雨を避けられるかでほぼ決まります。
うどんこ病
よくある病気
時期 初夏〜夏(6〜8月)出る場所 葉出やすい条件 乾燥と枝の混み合い
症状 葉に白い粉状のカビが生え、落葉が早まります。
予防 剪定で樹の内側に風を入れます。
対処 発病葉を取り除きます。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Blumeria graminis f. sp. hordei、Blumeria graminis f. sp. secalis、Blumeria graminis f. sp. tritici ほか59
灰色かび病
よくある病気
時期 開花期(4月)出る場所 花出やすい条件 開花期の雨
症状 花が灰色のカビに覆われて枯れます。
予防 開花期の雨よけと、枯れた花の除去。
対処 発病した花を取り除きます。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Botryotinia fuckeliana、Botrytis cinerea、Botrytis galanthina ほか2
菌核病
病気一般的な内容
症状 地際や茎、結球部が水浸状に軟腐し、白い綿毛状の菌糸で覆われる。やがて内部や表面に黒い菌核が形成され、株は萎れて枯死する。
予防 排水を良くし、密植と過湿を避ける。菌核は土中で数年生存するため、被害株は菌核ごと取り除き、イネ科との輪作や深耕を行う。
対処 発病株は周囲の土ごと除去して処分する。発生しやすい時期には登録のある殺菌剤を株元中心に散布する。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Sclerotinia bulborum、Sclerotinia intermedia、Sclerotinia rubi ほか5
黒星病
病気一般的な内容
症状 バラでは葉に黒褐色の放射状の病斑ができ、周囲が黄化して落葉する。ナシでは葉や果実、幼果のがく部に黒いすす状の病斑が現れ、果実が変形する。
予防 泥はねと雨滴の跳ね返りを防ぎ、落葉や被害果を必ず片付ける。込み合った枝は剪定して株内の風通しをよくする。
対処 発病した葉・果実は摘み取り、地面の落葉も回収して処分する。感染期にあたる春の降雨前後に登録のある殺菌剤を散布する。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Alternaria bataticola、Cercospora corchori、Cladosporium carpophilum ほか10
根頭がんしゅ病
病気一般的な内容
症状 地際や根に不整形のこぶができ、しだいに木質化して大きくなる。養水分の通りが妨げられ、生育が衰えて枯死することもある。
予防 こぶのない健全苗を選び、植え付け時に根を傷めない。土壌の排水を保ち、支柱や除草作業で地際を傷つけないようにする。
対処 小さなこぶは削り取って傷口を保護するが、重症株は抜き取り処分する。跡地は数年同じ樹種を植えず、使った刃物を消毒する。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): 根頭がんしゅ病菌、Rhizobium radiobacter、Rhizobium rhizogenes ほか2
さび病
病気一般的な内容
症状 葉の表裏に小さな橙黄色〜赤褐色の隆起した斑点ができ、破れて粉状の胞子を飛散する。多発すると葉が黄化して早期に枯れ上がる。
予防 密植を避けて風通しを確保し、窒素過多にしない。被害葉は残さず処分し、越冬源となる残株やロゼット葉を片付ける。
対処 初期の被害葉は摘み取って処分する。発生初期に登録のある殺菌剤を散布し、まん延前に抑えるのが有効である。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Aecidium minoense、Aecidium quintum、Arthuriomyces peckianus ほか90
炭疽病
病気一般的な内容
症状 葉や果実に淡褐色〜黒褐色の円形病斑ができ、中央がややくぼんで輪郭がはっきりする。湿ると病斑上に鮭肉色の粘質な胞子塊がにじみ出る。
予防 雨よけと敷きわらで泥はねを防ぎ、風通しをよくする。被害残さは土中にすき込まず処分し、無病苗を用いる。
対処 病斑のある葉・果実は早めに摘み取って処分する。梅雨期は登録のある殺菌剤を降雨の前後に散布して感染を抑える。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Colletotrichum Colletotrichum gloeosporioides、Colletotrichum acutatum、Colletotrichum aenigma ほか66
斑点病
病気一般的な内容
症状 下葉から褐色〜灰白色の小さな円形病斑が現れ、中央が灰色になって黒い小粒点を伴う。病斑が増えると葉が黄化して早期に落葉する。
予防 被害残さを畑に残さず処分し、種子伝染を避けるため健全な種子を用いる。泥はねを防ぎ、連作を避けて風通しを確保する。
対処 発病葉は摘除して持ち出す。多雨期には登録のある殺菌剤を予防的に散布し、下葉から順に薬液がかかるようにする。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Acroconidiella tropaeoli、Alternaria azukiae、Alternaria dianthi ほか80
記録されている病名(31)
農研機構の日本植物病名データベースに、この作物で報告のある病名です。症状の記述はこれからです。
よくあるトラブル
実がつかない
受粉樹が無いか、開花期がずれています。相性の合う品種を近くに植えるか、花粉を採って人工授粉します。
実が割れる
収穫前の雨です。サクランボ栽培で最大の敵。簡易な雨よけをかけるだけで大きく減ります。
実が鳥に全部食べられた
色づくと数日で無くなります。ネットを実が色づく前にかけます。
幹から樹液が出て弱る
コスカシバかカミキリムシです。幹をよく見て、木くずや穴があれば対処します。
品種一覧(15)
Gadenin の作物マスタに登録されているサクランボの品種です。アプリで Plant を登録するときに候補として出てきます。
か2
さ2
た2
な1
は4
や1
その他3
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この作物でよく出る用語
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