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栗の月別の作業

栗の月別作業カレンダー|剪定から収穫まで一年の流れ

栗の栽培イメージ

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栗は冬に切って、夏に整えて、秋に拾う果樹です。月ごとにやることと、木の姿から判断する目安をまとめます。

一年の全体像

栗の作業は大きく四つの山があります。冬の剪定と肥料、六月の開花と受粉、七月から八月の害虫対策と摘果、九月から十月の収穫です。それ以外の月は木を観察するだけで、毎日の手入れはほとんど要りません。

主な作業木の姿の目安
1月剪定(寒さが厳しければ2月へ)葉がなく枝の骨格が見える
2月剪定の仕上げ、元肥、植え付け芽はまだ固い
3月植え付けの最終、癒合剤の点検芽がふくらみ始める
4月発芽、クリタマバチの虫こぶ確認新芽が伸び始める
5月新梢の整理、支柱の点検枝が三十センチ前後伸びる
6月開花、受粉の確認、徒長枝取り白い雄花が垂れ、強い匂い
7月生理落果の観察、害虫防除、水やり小さいイガが見える
8月摘果、水やり、クリシギゾウムシ対策イガが親指大に育つ
9月早生の収穫、落ちたイガを毎日拾うイガが割れて茶色い実が見える
10月中生・晩生の収穫、礼肥落果が終わる
11月落ち葉とイガの片付け、幹の保護葉が黄色くなり落ちる
12月剪定の開始、植え付け完全に落葉

冬 十二月から二月

落葉して枝の様子が見える冬が、栗の一年で最も手をかける時期です。剪定、肥料、植え付け、幹の手当てをまとめて行います。土が凍る一月は避け、十二月と二月に分けると木への負担が少なくなります。

剪定を済ませる
混んだ枝を根元から間引き、上に伸びすぎた枝を横枝の位置で切り替えます。前年に伸びた充実枝の先端は残します。
元肥を施す
二月に元肥(芽が動く前に入れておく一年分の肥料)として、枝先の真下あたりに溝を掘り、堆肥と有機質肥料を入れて埋め戻します。株元に直接まいても根は吸えません。
幹の粗皮を削る
古い木は幹の粗い皮の下に害虫が越冬します。手で剥がれる粗皮を落とし、虫が見つかれば取り除きます。

春 三月から五月

芽が動き始める春は、剪定や強い施肥はせずに観察が中心です。四月に新芽が出たら、芽の付け根に赤茶色の丸いこぶがないかを見ます。これがクリタマバチの虫こぶで、見つけた枝は早めに切り取ります。

時期見るところ見つけたときの対応
3月冬の切り口枯れ込んでいたら削って癒合剤
4月上旬新芽の付け根の赤いこぶ枝ごと切って処分
4月下旬葉を巻く幼虫手で取るか野菜用の殺虫剤
5月一か所から三本以上出た新梢勢いのよい一〜二本に減らす

五月に葉が小さく黄色っぽいなら、冬の肥料が足りていないか根が傷んでいます。液体肥料を薄めて月一回与えて様子を見ます。

夏 六月から八月

六月の開花期に、二本の木の花が同時に咲いているか確かめます。花が終わって七月に入ると小さなイガが見え、自然に一部が落ちます。八月は害虫がイガに産卵する時期で、防除水やりが収穫の量と質を決めます。

六月:受粉の確認
雄花の花粉が出ているか指で触って確かめ、心配なら受粉樹の雄花を雌花にこすり付けます。幹から上に伸びる徒長枝を手で取ります。
七月:落果の観察と防除
落ちた小さいイガは正常です。八月に入る前に、イガに産卵するクリシギゾウムシに向けて木全体に薬をかける場合はこの時期です。
八月:摘果と水やり
一本の枝に三つ以上イガがあれば小さいものを取ります。雨が二週間降らなければ、株元にバケツ三杯の水を週一回与えます。

秋 九月から十一月

九月に入るとイガが割れて実が落ち始めます。落ちた実は毎日拾い、虫が出る前に処理します。収穫が終わったら礼肥(実をならせた木を回復させる肥料)を与え、落ち葉と残ったイガを片付けて病害虫の越冬場所をなくします。

時期作業目安
9月上旬早生品種の落果を拾う毎日、朝のうちに
9月下旬〜10月中旬中生・晩生の収穫イガが自然に落ちるのを待つ
10月下旬礼肥として化成肥料を少量枝先の真下にばらまく
11月落ち葉・イガの片付け、幹に石灰硫黄合剤落葉が終わってから

その月に迷ったら

作業の時期は地域と年の気候でずれます。暦よりも木の姿で判断します。剪定は葉が全部落ちてから、肥料は芽が動く一か月前、収穫はイガが自分から割れて落ちたとき、というように木が出す合図を目安にします。

木の姿意味やること
葉が全部落ちた剪定できる合図混んだ枝を間引く
芽の先が緑を帯びた肥料の吸い上げが始まる元肥を済ませておく
雄花が白く垂れた受粉の一週間受粉樹の花も見る
イガの先が茶色く割れた収穫の始まり毎朝拾う準備

寒冷地では全体が二〜三週間遅れ、暖地では早まります。特に剪定は暖地でも二月中には終えておきます。

やり損ねた月の立て直し方

剪定を忘れた、肥料が遅れたという場合も、栗は勢いのある木なので一年で挽回できることが多いです。無理に遅れた作業をするより、次の時期まで待つほうがよい場合もあるので見分けます。

やり損ねたこと起きること立て直し
冬の剪定を忘れた木が暗く実が小さい夏に徒長枝だけ取り、次の冬にしっかり切る
元肥が三月以降になった新梢が伸びすぎる量を半分にして施し、礼肥を確実に
八月の摘果をしなかった実が小さく翌年減る収穫後に礼肥を多めに
落ちた実を数日放置実に虫が入る拾った実を八十度の湯で処理

栗の栽培に一年を通して使うもの

木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。

数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。

  • 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
    規格の目安
    刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。

    アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。

  • 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
    規格の目安
    刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。

    直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。

  • 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
    規格の目安
    油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
    数量の目安
    成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。

    冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。

    出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」

  • 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
    規格の目安
    目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
    数量の目安
    高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。

    色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
  • チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。

栗の収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は栗の育て方にまとめています。

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