水は控えめが基本
ひよこ豆は乾燥地の作物で、根を深く伸ばして自分で水を探します。頻繁に水を与えると根が浅い場所にとどまり、かえって乾燥に弱くなります。露地なら基本は雨だけで足り、日照りが二週間続いたときだけ与えます。
水を与えるかどうかは、株の姿を見て決めます。昼にしおれて夕方に戻るなら問題なく、朝からしおれたままなら水切れです。この見分けができれば、ひよこ豆の水やりで迷うことはなくなります。
| 状態 | 見えること | 水やりの判断 |
|---|---|---|
| 昼だけしおれる | 暑さによる一時的な反応 | 与えない |
| 朝からしおれている | 根が水を吸えていない | 朝にたっぷり一度与える |
| 葉が濃く茂る | 水と肥料が多い | しばらく与えない |
| 下葉が黄色い | 過湿か肥料切れ | 土の湿りを触って確かめる |
肥料は元肥だけで足りる
ひよこ豆は根に根粒菌という菌を住まわせ、空気中の窒素を取り込んで自分の肥料にします。そのため窒素肥料はほとんど要りません。与えすぎると葉と茎ばかり茂り、花が咲いても莢がつかない株になります。
追肥(育ちの途中で足す肥料)が要るのは、花が咲き始めたころに葉色が薄い場合だけです。そのときもリン酸とカリ分の多い肥料を少量にとどめ、窒素の多い肥料は避けます。
- 元肥は少なめに
- 一平方メートルあたり化成肥料をひと握り程度にとどめます。前作の残り肥があるなら入れなくても構いません。
- 葉色を見て判断する
- 開花のころに葉が黄緑なら、一度だけ少量の追肥をします。濃い緑で茂っているなら足さずにそのまま見守ります。
- 花が咲いたら止める
- 莢がつき始めてからの窒素は、莢の充実より枝葉に回ります。開花後は肥料を足しません。
秋まきの冬越し
秋まきの株は本葉が四枚から六枚の小さな姿で冬を越します。この大きさが霜に対していちばん強く、大きくしすぎると寒さで傷みます。十一月中旬より遅くまくと小さすぎ、十月上旬だと大きくなりすぎます。
関東平野なら不織布をべた掛けするだけで越冬します。株元に敷きわらを入れると、霜柱で根が持ち上がるのを防げます。持ち上がった株は根が浮いて枯れるので、見つけたら押さえて土をかけます。
- 十二月に不織布をかける
- 株の上から不織布をふわりと掛け、裾を土で押さえます。日中の光は通るので外す必要はありません。
- 敷きわらで霜柱を防ぐ
- 株元に敷きわらを三センチ入れます。霜柱で根が持ち上がるのを防ぎ、土の乾きも和らげます。
- 浮いた株を押さえる
- 朝に株が浮いていたら、その日のうちに手で押さえて株元に土をかけます。放つと根が乾いて枯れます。
冬の間は生育が止まって見えますが、根は伸びています。動かないからと肥料や水を足す必要はありません。
春の枝の広がりを支える
三月に気温が上がると急に枝を伸ばし、四月には草丈五十センチほどになります。枝が横に広がって倒れやすいので、株の周りに支柱を立てて紐で囲うか、株元に土を寄せて支えます。
倒れて枝が地面につくと、そこから病気が入り、莢も土で汚れます。支えるのは一株につき一分の作業なので、四月のうちに全株済ませておきます。プランターなら短い支柱を四隅に立てて紐を回します。
| 時期 | 株の姿 | すること |
|---|---|---|
| 3月 | 枝が伸び始める | 株元に土を寄せて支える |
| 4月 | 草丈40〜50センチ | 支柱を立てて紐で囲う |
| 5月 | 花が咲き莢がつく | 倒れた枝を起こして結び直す |
五月からの雨よけ
五月下旬から莢が熟していきます。この時期の長雨が最大の敵で、莢が濡れ続けると中で豆がカビたり発芽したりします。プランターなら軒下へ移し、露地なら簡単な雨よけを掛けるだけで結果が変わります。
雨よけは支柱を立てて透明のシートを屋根のように張るだけで足ります。横は開けておかないと蒸れます。天気予報で三日以上の雨が見えたら掛ける、という使い方でも十分効果があります。
- 支柱で屋根を作る
- 株の両側に支柱を立て、上に横棒を渡してシートを掛けます。高さは株より三十センチ上に取ります。
- 横は開けておく
- 四方を囲むと蒸れて病気が出ます。屋根だけにして、横は開けたままにし、風が抜けるようにしておきます。
- 雨の予報で掛ける
- 常設が難しければ、三日以上の雨の予報が出たときだけ掛けます。それでも被害はかなり減ります。
葉が黄色くなるときの切り分け
ひよこ豆の葉が黄色くなる原因は、過湿による根の傷み、肥料切れ、そして下葉の自然な老化の三つです。株全体が黄色いなら根、上の葉だけ薄いなら肥料、下の数枚だけなら老化で放っておいて構いません。
根の傷みは土を触れば分かります。湿ったままなら水を止め、株の周りに溝を切って水を逃がします。一度傷んだ根はすぐには戻らないので、二週間ほどは様子を見る時間が要ります。
| 症状 | 考えられる原因 | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 株全体が黄色くしおれる | 過湿で根が傷んだ | 溝を切って排水し水やりを止める |
| 上の若い葉が黄緑 | 肥料切れ | 少量の追肥を一度だけ施す |
| 下葉だけ数枚黄色い | 自然な老化 | 手を加えない |
| 葉が濃い緑で花が落ちる | 窒素の与えすぎ | 肥料を止めて水も控える |
ひよこ豆は水と肥料を足して直る作物ではありません。迷ったときは減らす方に振ると、たいてい良い方に転びます。
ひよこ豆の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
ひよこ豆の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はひよこ豆の育て方にまとめています。
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