場面ごとの水の与え方
トウガラシは乾燥に比較的強く、水を与えすぎると葉ばかり茂って実つきが落ちます。とくに辛味種は、やや乾かし気味に育てたほうが辛さがはっきりします。ただし花が咲いている時期に極端に乾かすと、花がそのまま落ちます。
露地なら雨だけでほぼ足ります。真夏に一週間以上雨がなく、朝でも葉が垂れているときだけ与えてください。プランターは事情が違い、真夏は朝夕の二回が必要になることもあります。
| 場面 | 水やりの目安 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 植え付け後2週間 | 3日に1回ほど | 乾かしすぎない。多すぎも根を弱らせる |
| 梅雨 | 基本は与えない | 畝を高くして水を抜く |
| 盛夏の露地 | 朝でも葉が垂れたら | 夕方に株元へたっぷり |
| 盛夏のプランター | 朝と夕方 | 鉢底から流れ出るまで与える |
追肥は一番果がふくらんだころから
追肥(育ちの途中で足す肥料)は、最初の実が親指ほどにふくらんだころに始めます。それより早いと枝葉が伸びるだけで花が止まります。以後は二週間から三週間に一回、収穫が続くあいだずっと続けます。
トウガラシは実をつけながら伸び続けるので、肥料が切れると急に花が落ち、実が小さくなります。長く穫りたいなら、途中で止めないことが何より効きます。
- 一番果を確かめる
- 最初の花のあとにできた実が親指ほどになったら追肥の合図です。実が小指ほどのうちはまだ早すぎます。
- 株元から離してまく
- 化成肥料を一株あたり一つまみから大さじ一杯ほど、枝先の真下あたりにまきます。株元に直接置くと根が傷みます。
- 土と混ぜて水をやる
- 軽く土と混ぜてから水を与えます。表面に置いたままだと溶けず、雨で流れてしまうこともあります。
- 次の予定を決める
- まいた日を覚えておき、二週間から三週間後を次の目安にします。実が小さくなってきたら早めます。
葉の見た目で肥料の過不足を読む
肥料の量は暦ではなく葉で決めます。トウガラシは正直な作物で、多すぎても少なすぎても葉にはっきり出ます。株の頂点あたりの若い葉を見るのがいちばん分かりやすい方法です。
| 見た目 | 考えられること | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が大きく濃い緑で花が落ちる | 肥料が多い | 追肥を一回とばし、水も控える |
| 下葉から黄色くなる | 肥料切れ | すぐに追肥して水を与える |
| 葉が小さく色が薄い | 根が弱っている | 水を控えて根を休ませ、薄い液肥にする |
| 葉が上向きに巻く | 乾きか高温 | 敷き藁をして夕方にたっぷり与える |
プランターは水も肥料も抜けやすい
鉢やプランターでは水やりのたびに肥料が流れ出ます。露地と同じ間隔で追肥していると、真夏に必ず息切れします。液体肥料を薄めて水やり代わりに使うと、切らさずに済みます。
容量は一株あたり十五リットル以上を確保してください。小さい鉢では真夏の日中に土が四十度近くまで上がり、根がゆだって回復しません。鉢の外側に日よけを立てるだけでも違います。
- 鉢の大きさを決める
- 深さ三十センチ以上、容量十五リットル以上を目安にします。横長のプランターなら一つに二株までにします。
- 液肥を週に一回
- 真夏は規定倍率に薄めた液体肥料を週に一回、水やり代わりに与えます。固形肥料は月に一回置き足します。
- 鉢を浮かせる
- 煉瓦などで鉢底を地面から浮かせ、熱がこもらないようにします。根の温度が下がると水の吸い方が戻ります。
辛味を強くしたいときの加減
辛味種の辛さは、株が少し苦しい状況ほど強く出ます。水を控えめにし、実を赤く完熟させてから穫ると、同じ品種でもはっきり違いが出ます。ただし極端に乾かすと株が枯れるので、葉が朝から垂れる手前で止めます。
逆に甘長系を辛くしたくないなら、水と肥料を切らさないことです。乾きや高温、根詰まりが続くと、ししとうでも当たりはずれのように辛い実が混じります。
- 水を一段控える
- 辛味種は葉が昼にわずかに垂れる程度を保ちます。朝から垂れているなら乾かしすぎなので、その日は与えます。
- 赤くなるまで待つ
- 青いうちに穫らず、株の上で赤く完熟させます。日数がかかるぶん辛味と香りが乗ります。
- 甘長は切らさない
- 甘長系は水も肥料も切らさず、実を若採りします。株を苦しめないことが辛い当たりを減らす近道です。
花が咲いても実がつかないときの原因
花はたくさん咲くのに実にならない、あるいは咲いてすぐ落ちるときは、たいてい肥料か気温のどちらかです。トウガラシは自分の花粉で実をつけるので、虫が来ないことが原因になることはまずありません。
| 原因 | 起きている場面 | 手当て |
|---|---|---|
| 肥料が多すぎる | 葉が濃く大きく茂っている | 追肥を止め、水も控えて枝を落ち着かせる |
| 真夏の高温 | 日中が三十五度を超える日が続く | 寒冷紗で日をやわらげ、夕方に水を与える |
| 乾きすぎ | 花が咲いた翌日に落ちる | 敷き藁をして水の間隔を詰める |
| 株が疲れている | 実を穫らずにためている | 赤い実を早めに穫って株を軽くする |
真夏に一度止まっても、九月に気温が下がると再び花がつきます。夏の落花で見切らず、株を保っておくのが得策です。
トウガラシの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
トウガラシの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はトウガラシの育て方にまとめています。
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