用途で穫る時期を変える
同じ株の実でも、青いうちに穫るか赤くなるまで待つかで使い道が変わります。青採りは柔らかく香りがあり、炒め物や漬物に向きます。赤採りは辛味と甘みが濃くなり、乾燥と保存に向きます。
赤くしてから穫ると株の負担が大きく、次の実が遅れます。長く穫り続けたいなら青採りを主にし、秋の終わりにまとめて赤くする使い分けが現実的です。
| 目的 | 穫るタイミング | 見た目の目安 |
|---|---|---|
| 炒め物・漬物 | 青いうち | 指の長さで色が濃い緑、つやがある |
| 乾燥保存 | 完熟の赤 | へたの近くまで赤い。皮が張っている |
| 粉唐辛子 | 完熟の赤 | 全体が濃い赤で、軽く皺が出始めたころ |
| 種の採取 | 完熟後さらに待つ | 皮が少し柔らかくなるまで株に残す |
収穫のしかた
トウガラシの枝は硬く、手で引っ張ると枝ごと折れます。必ずはさみでへたの上を切ってください。乾燥に回す実は、へたを一センチほど残して切ると、吊るすときに扱いやすくなります。
収穫は朝の涼しい時間が向いています。日中の熱い実を穫って袋に入れると、蒸れて傷みが早くなります。穫ったらすぐに広げて熱を抜いてください。
- はさみで切る
- へたの上でしっかり切ります。引っ張ると枝が裂け、そこから病気が入ることがあります。
- へたを残す
- 乾燥に回す実はへたを一センチ残します。糸を通したり束ねたりするときの持ち手になります。
- 朝に穫る
- 気温が上がる前に穫り、日陰に広げて熱を抜きます。袋に入れたままにすると蒸れます。
- 傷んだ実を分ける
- 穴や黒ずみのある実は乾燥に回しません。一つでもカビが出ると束全体に移り、干した分がまとめてだめになります。
干して保存する
乾燥の適期は十月です。晴れが続く予報を確かめてから始めてください。実を一つずつ干すよりも、株ごと根から抜いて逆さに吊るすほうが手間がかからず、乾き方も揃います。
干す場所は雨の当たらない軒下で、風が通るところです。室内は湿気がこもってカビが出やすく、直射日光の当たる場所は色が抜けます。二週間から三週間で、振るとからからと音がする状態になります。
- 晴れの日に抜く
- 十月の晴天が三日以上続く予報の日に、株を根ごと抜きます。土をよく落としてから干します。
- 逆さに吊るす
- 軒下に紐を張り、株を逆さにして吊るします。株どうしが触れないよう間を空けると、風が通って乾きが揃います。
- 束ねる場合
- 実だけを干すなら、へたに糸を通して数十個をつなぎ、輪にして吊るします。重ならないように広げます。
- 音で仕上がりを見る
- 振ってからからと種が鳴り、皮が硬くなって曲げると折れるようになったら完成です。柔らかいうちは乾燥不足です。
保存の形と置き場所
乾いたトウガラシは形のまま置くのがいちばん長持ちします。粉にすると香りが早く飛ぶので、使う分だけそのつど挽くほうが風味が残ります。青いまま穫った実は乾燥に向かないので、冷凍か加工に回します。
| 用途 | 保存の形 | もつ期間の目安 |
|---|---|---|
| 乾燥した赤い実 | 密閉容器に乾燥剤と常温 | 1年ほど |
| 粉唐辛子 | 密閉して冷蔵 | 半年ほどで香りが落ちる |
| 青い実 | 洗って水気を取り冷凍 | 2〜3か月 |
| すぐ使う分 | 紙袋に入れて冷蔵 | 2週間ほど |
湿気の多い夏を越すなら、乾燥剤を入れて冷凍庫に入れると色も香りも保てます。取り出したらすぐ密閉に戻します。
扱うときの注意
辛味種、とくに激辛種は素手で扱うと皮膚がひりひりします。切ったあとに目をこすると強い痛みが出るので、種を取り出す作業では使い捨ての手袋を使ってください。作業後は石けんで丁寧に洗います。
粉にするときは粉じんが舞い、吸い込むとむせます。少量ずつ、換気しながら行い、顔を近づけないようにします。子どもの手の届かない場所で作業してください。
- 手袋をする
- 辛味の強い品種を切るときは使い捨て手袋を使います。素手の場合は油分が残るので念入りに洗います。
- 換気して挽く
- 粉にする作業は屋外か換気しながら行います。挽き終えてすぐ蓋を開けると粉じんが舞います。
- 保管場所を分ける
- 乾燥品は子どもの手の届かない場所に置きます。見た目で辛さが分からないので、容器に品種名を書きます。
カビや変色が出たときの手当て
干している途中で白い粉状のカビや、黒ずみが出ることがあります。原因はほとんどが乾燥不足か、実どうしが密着して風が通らなかったことです。一つ見つけたら束全体を点検してください。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 白い粉状のカビ | 湿度が高く風が通らない | その実を捨て、間隔を空けて干し直す |
| 実が黒ずんで柔らかい | 乾く前に傷んだ | 取り除く。傷のある実は最初から外す |
| 色が抜けて白っぽい | 直射日光に当てすぎ | 日陰の風通しのよい場所に移す |
| いつまでも柔らかい | 乾燥不足 | 晴れた日に広げ直し、数日追加で干す |
カビが出た実は洗って干し直しても戻りません。惜しまず捨てて、残りを守ることを優先してください。
トウガラシの乾燥・追熟に使うもの
穫ってすぐしまうと傷みます。風を通して乾かす場所と、吊るすものが要ります。
- 乾燥ネット(三段)探す言葉「干し野菜 ネット 三段」
- 規格の目安
- 直径 45cm 前後の三段。吊るす場所の高さに合わせて選びます。
網の中なら虫も鳥も入りません。地面に広げるより早く乾き、雨のときはそのまま取り込めます。
- 麻ひも・吊り下げネット探す言葉「玉ねぎ 吊り下げ ネット」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋か、丈夫な麻ひも。
軒下に吊るすのは、風を四方から当てるためです。積んだままだと下のものから傷みます。
- 通気のある保存箱探す言葉「野菜 保存 木箱 通気」
- 規格の目安
- 側面に穴のあるコンテナか木箱。新聞紙を敷いて使います。
乾いたあとの置き場所です。密閉すると内側に水滴が付き、そこからカビます。
- 軒下や風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても足ります。
- 除湿機や乾燥機は、家庭菜園の量では要りません。
トウガラシの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はトウガラシの育て方にまとめています。
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