辛味の強さで選び分ける
トウガラシはひとまとめに売られていても、辛さがまるで違います。乾燥用の鷹の爪、青いまま食べる甘長系、そして扱いに注意が要る激辛種があり、選び方で必要な株数も使い道も変わります。買う前にどれを何株植えるかを決めておくと、穫れすぎて困ることがありません。
家庭で使い切れる量は思ったより少なく、鷹の爪なら一株で百個以上穫れます。乾燥させて一年分にするなら一株か二株で足ります。青いうちに食べる甘長系は次々穫れるので、二株から三株あると食卓が続きます。
| 種類 | 辛さの目安 | 使い方と株数 |
|---|---|---|
| 鷹の爪 | 強い | 赤くして乾燥。1〜2株で一年分 |
| ししとう・甘長 | ほとんど無い | 青採りで次々。2〜3株 |
| 万願寺・韓国唐辛子 | 穏やか | 焼き物や漬物に。2株ほど |
| ハバネロなど激辛種 | 非常に強い | 手袋が要る。1株で十分 |
激辛種は同じ畑の甘長系と交雑しても、その年の実の辛さは変わりません。辛くなるのは採った種を翌年まいたときです。
良い苗の見分け方
苗は背が高いものより、節と節の間が詰まって太いものを選びます。トウガラシは根の張りが弱いうちに植えると立ち上がりが遅く、その差が夏まで残ります。葉の裏まで見て、虫の跡や白い粉がないことを確かめてください。
売り場では一番花のつぼみが見えているくらいがちょうどよい大きさです。すでに実がついている苗は無理をしており、植えたあとの伸びが鈍ります。買ってすぐ植えられない日は、日なたに置いて土を乾かさないようにします。
- 茎の太さを見る
- 根元の茎が鉛筆ほどの太さで、節の間が短い苗を選びます。ひょろ長い苗は植えたあとに倒れやすく、実つきも遅れます。
- 葉の裏を確かめる
- 葉裏に小さな虫や白い斑点がないかを見ます。持ち込むと畑全体に広がるので、少しでも怪しいものは避けます。
- 根鉢を軽く押す
- 鉢の側面を押して土がぐらつくなら根が回っていません。逆に根が底から大量に出ているものは老化苗です。
植え付けは霜が去ってから
トウガラシは高温を好み、低温に当たると根が動きません。関東の露地なら五月上旬から中旬、遅霜の心配が消えてからが安全です。地温が十五度を下回る時期に急ぐと、そのまま二週間ほど止まってしまいます。
植える場所は一日中日が当たるところを選びます。前の年にナスやトマトを作った場所は避けてください。同じ仲間が続くと土の中の病気が残り、夏に急にしおれる株が出ます。
- 土を先に作る
- 植える二週間前に苦土石灰を混ぜ、一週間前に元肥(植え付け前に土に混ぜる肥料)と堆肥を入れて耕しておきます。
- 暖かい日の午前に植える
- 風のない晴れた日の午前中に植えます。夕方や雨の前は地温が上がらず、根が動き出すまでに時間がかかります。
- 浅めに植える
- 根鉢の上面が畑の土と同じ高さになるように置きます。深植えすると茎が湿って傷み、立ち枯れの原因になります。
植え穴と株間の作り方
株間は四十五センチから五十センチが目安です。トウガラシは枝が横に広がるので、詰めて植えると中が蒸れて実が落ちます。プランターなら一株につき十五リットル以上の容量を確保してください。
植え穴にはあらかじめ水を注ぎ、引いてから苗を置きます。先に水を入れると根鉢の周りだけが濡れて、まわりの乾いた土に根が伸び出しにくくなるのを防げます。
- 穴に水をためる
- 根鉢がすっぽり入る穴を掘り、いっぱいに水を注ぎます。水が引くまで待ってから苗を置くと、初期の乾きに強くなります。
- 根鉢は崩さない
- ポットから抜いた土は崩さずそのまま置きます。トウガラシの細い根は切れると回復が遅く、活着が数日遅れます。
- 土を寄せて押さえる
- まわりの土を寄せ、手のひらで軽く押さえて根鉢と密着させます。強く踏むと土が固まり、水の通りが悪くなります。
- 仮支柱を立てる
- 五十センチほどの細い支柱を斜めに挿し、茎をゆるく八の字で結びます。風で根元が揺れるのを防ぐためです。
植え付け直後の管理
植えた直後の一週間は根が水を吸えないので、乾かさないことだけを考えます。ただし毎日たっぷり与えると根が浅く広がるため、表土が乾いたら与える程度で十分です。葉が昼にしおれても夕方に戻るなら心配は要りません。
五月はまだ夜が冷えます。行灯(苗を囲む筒状の風よけ)を作ると保温と風よけになり、活着が目に見えて早くなります。気温が安定する六月に入ったら外します。
- 行灯で囲う
- 支柱三本を苗の周りに立て、肥料袋などを巻いて筒にします。上は開けたままにし、風と夜の冷えを防ぎます。
- 敷き藁をする
- 株元に藁や刈り草を敷き、土の乾きと泥はねを抑えます。泥はねは病気を持ち上げる主な経路になります。
- 一番花を確かめる
- 植えて二週間ほどで最初の花が咲きます。ここが枝分かれの起点になるので、位置を覚えておきます。
根づかないときの原因と手当て
植えて一週間たっても葉の色が濃くならない、新しい葉が出ないときは、根が動いていません。原因はたいてい低温か水のやりすぎ、あるいは肥料が根に触れていることです。あわてて肥料を足すと逆に悪くなります。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が紫がかって止まる | 地温が低い | 行灯で囲い、水を控えて地温を上げる |
| 葉が黄色く垂れる | 水のやりすぎ | 土が乾くまで与えない。畝を高くする |
| 下葉から縮れて枯れる | 元肥が根に当たった | 株元から離して水を多めに流す |
| 夕方も戻らずしおれる | 根が切れている | 仮支柱で固定し、日よけをして休ませる |
六月に入っても伸びない株は、無理に残さず植え替えたほうが早いことがあります。夏の収穫量はこの立ち上がりで決まります。
トウガラシの育苗に使うもの
苗を自分で作るか、買うか。作るなら次のものが要ります。買うなら、ここは飛ばして定植の準備へ進んでかまいません。
- セルトレイ・ポリポット探す言葉「セルトレイ 128穴」
- 規格の目安
- 128 穴は小さい種向き、72 穴は根を張らせたいとき。ポットなら直径 9cm が標準です。
穴が小さいほど場所を取らず、大きいほど植え傷みしにくくなります。定植までの日数が長い作物ほど大きい容器を選びます。
- 育苗用の受け皿・トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿」
- 規格の目安
- セルトレイがそのまま載る大きさ。底面から吸わせられる深さがあるもの。
上から水をやると苗が倒れます。受け皿に水を張って下から吸わせると、茎が締まった苗になります。
- 園芸用ヒーターマット探す言葉「園芸 ヒーターマット 育苗」
- 規格の目安
- 20〜30W、表面温度 20〜25℃ 前後。サーモスタット付きだと安心です。
春先の種まきで発芽がそろわない原因はほぼ地温です。室温ではなく、土の温度を上げる必要があります。
- 苗を買って育てるなら、育苗資材は一式要りません。
- 暖かい時期の種まきなら、ヒーターマットは要りません。
トウガラシの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はトウガラシの育て方にまとめています。
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