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トウガラシの月別の作業

トウガラシの月別の作業|二月の種まきから十二月の片づけまで

トウガラシの栽培イメージ

読むのに約 4

トウガラシは種からだと二月に温床が要ります。苗を買うなら五月からで、収穫は七月から霜まで続きます。

一年の流れを一覧で見る

トウガラシは生育期間が長く、種からだと発芽に高い温度が必要です。家庭では五月に苗を買うのが現実的で、その場合は下の表の五月から読めば足ります。株の姿を見て判断する場面も多いので、月はあくまで目安です。種からやるなら二月の温床づくりが分かれ道になります。

作業目安と注意
2月種まき(温床)二十五度から三十度が要る。加温設備なしでは難しい
3月鉢上げ本葉が二枚から三枚で三号鉢へ移す
4月土作り・苗の慣らし苦土石灰と堆肥を入れる。苗は外気に慣らす
5月植え付け遅霜が去ってから。株間四十五センチ
6月わき芽かき・支柱一番花の下の芽を取り、本支柱を立てる
7月追肥開始・初収穫青採りの甘長から穫れ始める
8月水管理・枝の整理高温で花が落ちる時期。株を保つことに徹する
9月赤採り開始気温が下がり再び花がつく。鷹の爪が色づく
10月収穫最盛・乾燥株ごと抜いて吊るし干しにする
11月残り収穫・片づけ初霜で終了。青い実は佃煮などに使う
12月土の休ませ残渣を片づけ、来年は別の場所を用意する

二月から四月の準備

種からまくなら二月です。発芽には二十五度から三十度が必要で、室内の窓辺では届きません。発芽まで十日から二週間かかり、温度が足りないと一か月たっても出ないことがあります。苗を買うほうが確実です。

四月は土作りの月です。植える二週間前に苦土石灰を混ぜ、一週間前に堆肥元肥を入れます。ナス科を続けて作っていた場所なら、思い切って別の場所に変えるほうが安全です。

温床を用意する
種からやるなら発芽用の加温マットか、暖房の効いた室内の暖かい場所を確保します。二十五度以上を保ちます。
四月に石灰を入れる
植える二週間前に苦土石灰をまいて耕します。同時に肥料を入れると効きが乱れるので日をずらします。
苗を外気に慣らす
買った苗や自分で育てた苗は、植える数日前から日中だけ外に出して慣らします。急に植えると止まります。

五月から六月の立ち上げ

五月は植え付けの月です。遅霜が去り、地温が十五度を超えてから植えます。植えたあとの二週間は根が動かないので、行灯で囲って風と冷えを防ぐと立ち上がりが早くなります。

六月は形を決める月です。一番花の下のわき芽(枝の付け根から出る芽)を取り、本支柱を立てます。梅雨に入るので、株元の敷き藁と畝の高さで水はけを整えておくと、七月以降の病気が減ります。

五月上旬に植える
株間四十五センチから五十センチ、日当たりのよい場所に植えます。植え穴に水をためてから置きます。
六月に芽を整理
一番花の分かれ目より下の芽をすべて摘みます。同時に仮支柱を抜き、百五十センチの本支柱に替えて枝を結びます。
梅雨の水はけを作る
畝を高くし、株元に敷き藁をします。泥はねを防ぐことが病気を減らす最大の対策です。

七月から八月の維持

七月は最初の実がふくらむころで、追肥(育ちの途中で足す肥料)を始める時期です。同時に甘長系の青採りが始まります。若いうちに穫ると株の負担が減り、次の花がよくつきます。ためこむと株が止まるので、こまめに穫るのが結局は多収につながります。

八月は高温で花が落ちる時期です。ここで無理に肥料を増やしても効きません。水を切らさず、日よけと敷き藁で株を守り、九月の再開に備えるのが正解です。

追肥を始める
一番果が親指ほどになったら追肥します。以後は二週間から三週間おきに、収穫が終わるまで切らさずに続けます。
青採りを続ける
甘長系は指の長さになったら穫ります。ためこむと株が疲れて次の花が止まるので、こまめに穫るほうが結局は多く穫れます。
日よけをする
三十五度を超える日が続くなら寒冷紗をかけます。実の日焼けと落花の両方を抑えられます。

九月から十一月の収穫と乾燥

九月に気温が下がると再び花がつき、実が一気に色づき始めます。鷹の爪はこの時期から赤くなり、十月が乾燥の適期です。晴れが続く日を選んで株ごと抜き、風通しのよい軒下に吊るします。

十一月の初霜で株は終わります。霜に当たると実が水っぽくなって傷むので、予報が出たら青い実も含めてすべて穫り切ってください。青い実は佃煮や漬物に使えます。

赤い実を穫る
真っ赤になり、へたの近くまで色が回った実から順に穫ります。青いまま干すとうまく乾きません。
株ごと吊るす
十月の晴天が続く日に株を根ごと抜き、逆さにして軒下に吊るします。二週間から三週間で乾きます。
霜の前に穫り切る
初霜の予報が出たら青い実も含めて残りをすべて収穫します。霜に当たった実は水っぽくなり、保存が利きません。

時期を外したときの立て直し

植え付けが六月にずれ込んでも、トウガラシなら十分に間に合います。九月以降の実つきが本番なので、遅植えでも赤い実まで持っていけます。むしろ焦って五月上旬の寒い日に植えるほうが失敗します。

時期遅れたときの見通し対応
5月中に植えられた問題なし通常どおり
6月に植えた収穫は2週間ほど遅れる追肥を早めに始めて挽回する
7月に植えた赤採りは間に合わないことがある青採りできる甘長系に切り替える
8月以降露地では難しい翌年に回すか、鉢で室内に取り込む

トウガラシの栽培に一年を通して使うもの

作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。

数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。

  • 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
    規格の目安
    牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
    数量の目安
    1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。

    土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。

  • 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
    規格の目安
    粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
    数量の目安
    1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。

    日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。

    出典: 農林水産省「土壌改良資材量のもとめ方」(施肥基準)

  • 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
    規格の目安
    窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
    数量の目安
    元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。

    種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。

    出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」

  • 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
    規格の目安
    幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
    数量の目安
    畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。

    地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
  • 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。

トウガラシの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はトウガラシの育て方にまとめています。

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