収穫適期は頭の硬さで決める
収穫の判断は、球の頭を手のひらで押したときの締まり具合で行います。押して硬く、指が沈まなければ適期です。日数の目安は早生で播種後60〜75日、中生で80〜90日、晩生で100日前後ですが、その年の気温で前後するので最後は手で確かめます。
遅らせすぎると内部が伸びて隙間ができ、暖かい年には裂球します。逆に早すぎると玉が軽く、葉が薄いまま終わります。締まったら順に抜く、を基本にします。
| 押した感触 | 状態 | 判断 |
|---|---|---|
| ふかふかと沈む | まだ巻き途中 | 1〜2週間待つ |
| やや弾力があり硬い | 適期 | 収穫する |
| 硬いが頭が割れかけ | 過熟 | すぐ収穫し早めに使う |
| 硬いが中心が伸びている | とう立ちの始まり | 一斉に収穫して保存へ回す |
収穫のやり方
ハクサイの収穫は、引き抜くのではなく切り取るのが基本です。株を傾けて外葉を開き、根元に刃を入れます。無理に抜くと外葉の付け根が裂け、その傷から軟腐が入って保存中に内側から崩れます。
- 外葉を開いて根元を切る
- 株を横に傾けて外葉を広げ、包丁を根元へ入れて切ります。引き抜くと外葉が折れ、その傷から傷みが始まります。
- 外葉を2〜3枚残す
- すぐ食べない分は外葉を残したまま持ち帰ります。外葉が内部を守るので、保存期間がはっきり変わります。
- 晴れた日に収穫する
- 雨の日や露の残る朝は避けます。濡れたまま保存すると軟腐が出て、数日で内部から腐ります。
- 切り口を乾かす
- 収穫後は風の通る日陰に半日ほど置き、切り口の水気を飛ばしてから保存に移します。濡れたまま包むと切り口から先に腐り始めます。
年内どりと越冬どりを分けて考える
同じ秋まきでも、年内に食べきる作型と畑で越冬させる作型では選ぶ品種が違います。年内どりは早生から中早生で、播種後60〜75日で収穫でき、畑に置く期間が短いぶん耐寒性はさほど求められません。越冬どりは中晩生で、播種後85〜100日、外葉が丈夫で寒さに当たっても傷みにくい系統を選びます。
| 作型 | 品種の系統 | 収穫の時期と扱い |
|---|---|---|
| 年内どり | 早生・中早生(60〜75日) | 11月〜12月に収穫。縛らず順次抜く |
| 冬どり | 中生(75〜85日) | 12月に収穫。初霜前に縛ると長持ち |
| 越冬どり | 中晩生・晩生(85〜100日) | 縛って畑に置き、1月まで随時収穫 |
まき遅れた年に越冬どり品種を選ぶことはできません。日数が足りず、寒さが来る前に外葉が完成しないためです。
初霜の前に外葉で縛る
- 縛るのは初霜の頃
- 初霜の予報が出た頃に作業します。早く縛りすぎると内部が蒸れ、遅いと頂部がすでに凍害を受けています。
- 外葉を球に巻きつける
- 外側の大きな葉を持ち上げて球の頭をすっぽり覆います。覆う目的は頂部を寒さと乾燥から守ることです。
- 上から3分の1で縛る
- 球の上部を紐やひもで一周させて軽く縛ります。強く締めすぎると葉が折れ、そこから傷みます。
- 晴れた日の午後に
- 葉が水を含んでいると折れやすいので、露が乾いた時間に行います。雨の直後の作業は避けます。
縛るのは結球(葉が内側に巻いて玉になること)を促すためではありません。すでに巻いた球の防寒処置なので、巻いていない株を縛っても意味がありません。
畑での越冬と収穫の続け方
縛った株を畑に置く越冬は、外の気温が0℃前後で安定する地域でこそ成り立ちます。温度が上下する暖地では内部が動いてとう立ち(花茎が伸びて葉や根が硬くなること)が早まり、逆に根まで凍る地域では組織が壊れます。自分の畑がどちらかを1年目に見極めます。
- 縛った株から順に抜く
- 必要なぶんだけ収穫し、残りは縛ったまま置きます。畑が最も条件のよい冷蔵庫になります。
- 雪の多い地域
- 雪の下は0℃前後で安定するため、むしろ保存に向きます。掘り出せる位置に目印を立てておきます。
- 凍結が厳しい地域
- 根が凍る畑では12月中に収穫を終え、屋内保存に切り替えます。凍って解けた株は繊維が壊れて水っぽくなります。
- とう立ちが出たら終わり
- 中心が伸び始めたら葉が硬くなります。残りを一度に収穫し、伸びた芯は花蕾として利用します。
収穫後の保存
| 保存の仕方 | 置き場所 | もつ期間の目安 |
|---|---|---|
| 丸のまま新聞紙で包み立てる | 玄関や納屋などの冷暗所 | 2〜4週間 |
| 外葉付きで畑に縛ったまま | 畑 | 1月まで随時 |
| 半分に切りラップで包む | 冷蔵庫の野菜室 | 1週間前後 |
| ざく切りにして塩をふり漬ける | 冷暗所 | 漬物として長期 |
切った断面は伸びようとして中心が盛り上がります。芯に切り込みを入れておくと生長が止まり、日もちが良くなります。
片づけと、うまくいかなかったときの見直し
- 根を掘り上げる
- 収穫のあと残った根を掘り、こぶがついていないか確認します。根こぶ病の有無は、次にこの畝で何を作れるかを決める情報になります。
- 残さを畑に残さない
- 外葉や傷んだ株は畑の外へ出します。放置すると病原菌と越冬した害虫の住みかになり、翌年の初発が早まります。
- 石灰を入れておく
- 片づけたあとに苦土石灰をまいて耕しておくと、酸性に傾いた土が戻り、次のアブラナ科までの間隔を有効に使えます。
- 次作を決める
- こぶが出た畝はアブラナ科を2〜3年空け、マメ科やイネ科を挟みます。同じ場所に翌年もハクサイを植えるのが最も危険な選択です。
| 収穫時の症状 | 原因 | 次作で直すこと |
|---|---|---|
| 玉が軽く葉が薄い | 外葉が20枚に届く前に寒さが来た | 播種を1〜2週間早め、1回目の追肥を定植2週後に固定する |
| 頭が割れて中心が飛び出した | 締まってから畑に置きすぎた | 押して硬くなった株から順に抜き、収穫を分散させる |
| 切ってみると中心が褐色 | 芯腐れ症。石灰不足と乾燥 | 定植前に苦土石灰を効かせ、結球期に水を切らさない |
| 保存中に外側から崩れた | 引き抜きで外葉を裂き、濡れたまま保存した | 根元を刃で切り、切り口を半日乾かしてから包む |
ハクサイの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ハクサイの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハクサイの育て方にまとめています。
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