定植は本葉4〜5枚、苗齢20〜25日で
ハクサイの苗は本葉4〜5枚、播種から20〜25日で植えます。これより大きく育てた老化苗は、ポットの中で根が回って新しい根が出にくく、植えても2週間ほど動きません。外葉を増やす時間をその分失うため、結球(葉が内側に巻いて玉になること)期に葉数が足りなくなります。
逆に本葉2〜3枚の若すぎる苗は、定植直後の高温と虫害に耐えられません。苗の大小より、茎が太く節が詰まっているかを見ます。
| 苗の姿 | おおよその苗齢 | 植えるか待つか |
|---|---|---|
| 本葉2〜3枚、茎が細く頼りない | 播種後15日前後 | 数日待ち、本葉4枚になってから植える |
| 本葉4〜5枚、茎が太く節が詰まる | 播種後20〜25日 | 適期。畑が空いていればその日に植える |
| 本葉6枚以上、下葉が黄ばみ始めた | 播種後30日前後 | 老化苗。根鉢の底を軽く裂いてから植える |
| 底穴から茶色い根が渦を巻いている | 播種後35日以上 | 結球は望み薄。まき直すか葉物として使う |
ポットの底から白い根が見え始めた頃が植えどきです。根が茶色く回り始めていたら、それはもう植え遅れです。
株間と畝幅は品種の玉の大きさで決める
株間を詰めると外葉が重なって光が回らず、外葉が増えないまま結球期に入ります。ハクサイが結球するには外葉が20枚前後必要で、その葉を広げる面積を先に確保しておくという考え方をします。
| 品種タイプ | 畝幅 | 株間 |
|---|---|---|
| 早生・小玉(1.5キロ前後) | 60センチ | 35〜40センチ |
| 中生の標準(2〜3キロ) | 60〜70センチ | 40〜45センチ |
| 晩生・大玉(3キロ以上) | 70センチ | 45〜50センチ |
2条植えにするなら条間も40センチ以上取ります。密植で作った玉は必ず小さくなり、内部が蒸れて軟腐病も出やすくなります。
土づくりと元肥は定植の2週間前までに
- 石灰でペーハーを上げる
- 定植の2週間以上前に苦土石灰を入れて耕します。ハクサイの適正はペーハー6.0〜6.5で、酸性のままだと根こぶ病が出やすくなります。
- 堆肥は完熟のものを
- 完熟堆肥を1平方メートルあたり2〜3キロすき込みます。未熟な有機物は根を傷め、コガネムシ幼虫やタネバエを呼び込みます。
- 元肥は全層に
- 元肥(植え付け前に土へ混ぜておく肥料)は化成肥料を1平方メートルあたり100〜150グラム、土全体に混ぜます。一か所に固めると根が肥料焼けを起こし、活着が遅れます。
- 高めの畝を立てる
- 畝の高さは10センチ、水はけの悪い畑では20センチにします。ハクサイの根は過湿にとても弱く、軟腐病と根こぶ病はどちらも滞水で増えます。
アブラナ科を続けて作った畑は根こぶ病の危険が高いので、最低でも2〜3年は他の科と輪作します。
定植当日の手順
- 植え穴に水を入れる
- 穴を掘って先にたっぷり水を入れ、引いてから苗を置きます。植えてから水をやるより、根鉢の周囲の土が確実に湿ります。
- 深植えにしない
- 根鉢の表面が畝の土と同じ高さになるように植えます。深く埋めると生長点が土に触れて腐り、芯が立ち上がりません。
- 根鉢を崩さない
- ポットから抜いた形のまま置きます。根を広げようとしてほぐすと、ハクサイでは活着が数日遅れます。
- 植えたらすぐネット
- その日のうちに防虫ネットをかけて裾を土で埋めます。定植直後の柔らかい葉は、コナガとヨトウにとって最も見つけやすい餌です。
植え付けは晴天の朝より、曇りの日か夕方が向きます。日中の高温期に植えると、根が水を吸う前に葉から水が抜けます。
活着の一週間で上限が決まる
- 最初の3日は毎日潅水
- 根鉢が乾かないよう株元に水をやります。この期間に一度でも萎れさせると、外葉の枚数が最後まで戻りません。
- 4日目以降は間隔をあける
- 新しい葉が動き出したら潅水を2〜3日おきにし、根を下へ伸ばします。水をやり続けると根が浅くなり、寒さと乾燥に弱くなります。
- 萎れが続く株は植え直す
- 1週間たっても立ち上がらない株は根が傷んでいます。予備苗があるうちに交換したほうが、待つより確実に玉になります。
- 予備苗を残しておく
- 必要数の2割ほど余分に育て、ポットのまま畝の脇に置いておきます。虫の食害や活着不良は必ず数株出ます。
植え付けでよくある失敗
| 症状 | 原因 | 次にどうするか |
|---|---|---|
| 芯が伸びず葉が寝たまま | 老化苗、根鉢の崩しすぎ | 早めに植え替え、次作は苗齢を20日で切る |
| 株がぐらついて倒れる | 浅植えと土寄せ不足 | 株元に土を寄せて押さえ、根の張りを助ける |
| 葉が黄色く縮れる | 肥料が根に直接当たった | 潅水で薄め、追肥は2週間後まで待つ |
| 1株だけ急にしおれる | 軟腐病か根こぶ病の初発 | 抜き取って畑の外へ出し、跡地に石灰を入れる |
補植とマルチをどう使うか
- 補植は2週間以内に
- 欠株が出たら定植から2週間以内に予備苗を入れます。それより遅いと周囲の株に光を奪われ、外葉がそろわず結球しません。
- 黒マルチが効く場面
- 雑草を抑え、地温を保ち、泥はねによる病気の伝染を減らします。まきどきが遅れて地温が下がる年ほど効果が出ます。
- マルチを避ける場面
- 残暑が厳しい年の暖地では地温が上がりすぎ、活着が悪くなります。その場合は敷きわらで地表を覆うほうが安全です。
- 支柱とネットの高さ
- 最終的に株は高さ40センチ、幅50センチほどに広がります。トンネルの支柱は最初からその大きさを見込んで立てます。
敷きわらは泥はねを抑えて軟腐病の予防にもなります。マルチが使えない畝では代わりに入れておくと違いが出ます。
ハクサイの植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
ハクサイの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハクサイの育て方にまとめています。
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