結球は外葉の枚数で決まる
ハクサイは外葉が15枚を超えたあたりから内側の葉が立ち始め、20枚前後そろって初めてしっかり巻きます。結球(葉が内側に巻いて玉になること)期になってから肥料をやっても間に合わないのは、巻く葉はすでにその時点で作られているからです。管理の目標は、結球が始まる前に外葉を大きく厚く、20枚以上そろえることに尽きます。
もう一つの条件が温度です。日中15〜20℃前後がよく巻き、12℃を下回ると生育がほぼ止まります。つまり気温が下がりきる前に外葉を作り終える必要があり、逆算すると追肥(育てている途中で足す肥料)のタイミングは自動的に決まります。
| 定植からの日数 | 株の状態 | この時期の仕事 |
|---|---|---|
| 0〜7日 | 活着、葉は横に寝ている | 水やりとネット、追肥はしない |
| 14〜20日 | 外葉が立ち上がり10枚前後 | 1回目の追肥と中耕・土寄せ |
| 30〜40日 | 外葉18〜20枚、内葉が立つ | 2回目の追肥、以後は施肥しない |
| 45日以降 | 結球が進み球が硬くなる | 水と防寒に切り替える |
追肥は2回、時期を外さない
- 1回目 定植の2〜3週間後
- 化成肥料を1株あたり10〜15グラム、株の周囲か畝の肩にまきます。外葉を増やす最も重要な一手で、ここを逃すと枚数が足りません。
- 2回目 その2週間後
- 同量を畝の肩に施し、軽く土と混ぜます。結球が始まる直前で、玉の重さを作る肥料になります。
- 結球後は追肥しない
- 球が締まり始めてからの窒素はゴマ症と芯腐れを招きます。生育が遅れているように見えても、この時期は水管理で対応します。
- 施肥のあとは中耕
- 肥料をまいたら表面を軽く削って土を株元へ寄せます。肥料が根まで届き、同時に倒伏と過湿を防げます。
追肥を株元に直接かけないでください。ハクサイは株元に葉が密集しているため、肥料が残って葉を傷め、そこから軟腐病が入ります。
水は結球期に最も要る
外葉が完成してから球が太る時期は、株の重さが一気に増えるため水の要求量が最大になります。この時期に乾かすと、玉が締まらないまま止まり、カルシウムが動かず芯腐れの引き金にもなります。晴天が1週間続いたら畝間に水を流すか、株元へ十分に潅水します。
一方で水のやりすぎは軟腐病を呼びます。表土が乾いてから一度にたっぷり、を守り、常に湿っている状態を作らないことが分かれ目です。
- 乾きの判断
- 外葉が昼にわずかに垂れ、夕方戻るなら適正です。朝から垂れているようなら水切れなので、その日のうちに潅水します。
- 雨の後の見回り
- 大雨のあとは畝間に水がたまっていないか確認します。半日以上たまる畑では、次作から畝を20センチに上げます。
結球しない原因を切り分ける
| 株の見た目 | 考えられる原因 | 対応 |
|---|---|---|
| 外葉は多いが巻かない | 窒素過多で葉ばかり茂った | 追肥を止め、様子を見る。次作は元肥を減らす |
| 外葉が15枚未満で小さい | 播種遅れ、追肥遅れ、活着不良 | 巻きは望めない。葉を摘んで利用する |
| 中心の葉だけ立たない | 芯を害虫に食われた | 生長点が失われた株は回復しない。抜いて次作へ |
| 途中まで巻いて止まった | 気温が12℃を下回った | 不織布やネットで保温し、緩いまま収穫する |
| 外葉が黄ばみ日中だけしおれる | 根こぶ病で根が水を吸えていない | 抜いて根のこぶを確かめ、次作は石灰と輪作で備える |
| 外葉は立つが中心が平らなまま | 結球期に水が切れて肥大が止まった | 株元にたっぷり潅水し、締まった株から順に収穫する |
外葉を紐で縛れば結球する、というのは誤りです。縛るのは巻いた球の防寒のためで、巻かない株を巻かせる手段ではありません。
生理障害を出さない
- ゴマ症
- 葉の中肋に黒い点が散る症状で、窒素過多と収穫期の高温が主因です。病気ではなく食べられますが、追肥の出しすぎのサインとして次作に反映します。
- 芯腐れ症
- 球の内部が褐変してとろける障害で、カルシウム欠乏が原因です。窒素とカリの過剰、土壌の乾燥が吸収を妨げるので、施肥を控え乾かさないことで防ぎます。
- 縁腐れ
- 内葉の縁が茶色くなる症状も同じ系統の欠乏です。石灰を定植前に効かせておくことが最も確実な予防になります。
漬物用の大玉に仕上げる
- 晩生の大玉品種を選ぶ
- 3キロ以上になる中晩生種を、その地域の適期の最も早い側にまきます。日数を長く取れる作型でないと大玉になりません。
- 株間を50センチ取る
- 外葉を大きく広げさせるため、標準より広く取ります。株間は玉の直径ではなく外葉の広がりに合わせて決めます。
- 追肥の量を1割増やす
- 1回目と2回目をそれぞれ1株15グラム程度にし、時期は同じに保ちます。量を増やすより時期を守るほうが効きます。
- 収穫を遅らせすぎない
- 大玉ほど内部の蒸れと裂球が起きます。頭を押して硬く締まったら、大きさを欲張らずに収穫します。
外葉を守ることが結球を守る
結球期の管理でいちばん見落とされるのが外葉の保護です。外葉は光合成をして球を太らせる工場なので、虫に食われたり寒風で傷んだりすると、その分だけ玉が軽くなります。球ができ始めても外葉から目を離さないことが仕上がりを分けます。
- 下葉は取らない
- 傷んで見えても下の外葉は残します。取ると光合成量が減るうえ、株元に日が当たって乾湿の差が大きくなります。
- 倒伏させない
- 大株になると風で傾き、根が浮いて生育が止まります。中耕のたびに株元へ土を寄せて支えます。
- 結球期の食害を見る
- ヨトウ類が球の内部に潜り込むと外からは分かりません。外葉に新しい食害痕が出たら中心も確認します。
ハクサイの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
ハクサイの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハクサイの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。