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カリンの病害虫と障害

カリンの病害虫と障害|赤星病とカミキリムシ、カメムシを防ぐ

カリンの栽培イメージ

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カリンは丈夫ですが、葉に橙色の斑点が出る赤星病、幹に入るカミキリムシ、実を吸うカメムシで収穫を減らします。症状からの見分け方と手当てをまとめます。

まず症状から原因を絞る

カリンの不調は葉、幹、実のどこに出るかで原因が分かれます。葉に橙色の斑点なら赤星病、株元に木くずなら幹に入る虫、実がでこぼこに変形していればカメムシ、実に穴があいて中が傷んでいれば蛾の幼虫です。花が咲くのに実がつかないのは病気ではなく開花中の天候や木の状態が原因のことが多く、まず症状の場所と時期を照らし合わせます。

症状考えられる原因最初の手当て
葉の表に橙色の斑点、裏に毛のような突起赤星病病葉を摘み、近くのビャクシン類を確かめる
株元や幹に木くずが出ているカミキリムシの幼虫穴を探して針金で突く
実がでこぼこに変形、果肉に斑点カメムシの吸汁見つけしだい捕殺、袋かけ
実に穴、中が茶色く傷む蛾の幼虫傷んだ実を処分、翌年は袋かけ
新芽が縮れて黒い粒がつくアブラムシ指でつぶすか水で流す
葉裏が白っぽくかすれるハダニ葉裏に水をかける
葉や実に黒い斑点、輪郭がにじむ黒星病病葉と実を処分、風通しをよくする

赤星病

四月から六月に葉の表に橙色の小さな斑点が出て、やがて葉裏に毛のような突起が生えるのが赤星病です。ナシやボケにも出る病気で、近くにあるビャクシン類(カイヅカイブキなど)で冬を越し、春の雨で胞子が飛んで感染します。葉が早く落ちて木が弱りますが、実に直接大きな害はありません。ビャクシン類が近くにある庭では毎年出やすいので、四月の予防が要です。

近くのビャクシン類を確かめる
半径数百メートル内にカイヅカイブキなどの針葉樹があると発生しやすくなります。自宅にあれば冬に枝先の褐色のこぶを取り除きます。
四月の雨の前に予防散布
開花前の四月上旬、雨の前に果樹に使える殺菌剤を散布します。感染は四月から五月の雨で起こるので、この時期の予防がもっとも効きます。
病葉を摘んで処分
橙色の斑点が出た葉は摘んで袋に入れて処分します。裏の突起が出る前に取れば胞子の飛散を減らせます。

赤星病はカリンからカリンへは広がりません。必ずビャクシン類を経由するので、それがない地域ではほとんど出ません。

カミキリムシ

六月から八月にカミキリムシの成虫が幹の根元近くに産卵し、幼虫が幹の中を食い進みます。株元や幹に木くずが出ていたらその印で、放っておくと幹が空洞になり枝が枯れ、若い木では株ごと枯れます。木くずを見つけたら穴を探し、針金を差し込んで幼虫を突くか、専用の殺虫剤を穴に注入します。成虫を見かけたら捕まえて産卵を防ぎます。

時期見つかるもの対処
6〜8月幹に成虫、産卵の傷成虫を捕殺、幹の根元を見回る
7〜10月株元に細かい木くず穴を探し、針金で突くか殺虫剤を注入
11〜3月幹に穴、枝の一部が枯れる穴を確かめ、癒合剤でふさぐ、枯れ枝を切る
通年株元の草や落ち葉幹の周りを清潔にして産卵しにくくする

幹の根元に不織布や粗い網を巻いておくと、成虫が産卵しにくくなります。六月に巻いて十月に外します。

カメムシと果実に入る虫

七月から九月にカメムシが実の汁を吸うと、その部分の肥大が止まって実がでこぼこに変形し、果肉に斑点が入ります。蛾の幼虫は実に穴をあけて中に入り、果肉を食べます。どちらも七月上旬に果実袋をかけることで大半を防げます。カメムシは見つけしだい捕まえますが、触るとにおいを出すので、ペットボトルに落とし込む方法が扱いやすいです。

七月上旬に袋をかける
実が鶏卵大になったら果実袋をかけ、口をしぼって隙間をなくします。袋は収穫まで外しません。
カメムシはペットボトルで捕る
口を切ったペットボトルを実の下に当て、カメムシを落とし込みます。朝の涼しい時間は動きが鈍く捕りやすいです。
傷んだ実は早めに処分
穴のあいた実は中に幼虫がいるので、木から外して袋に入れて処分します。落ちた実も拾います。

アブラムシ・ハダニ・黒星病

春の新芽にアブラムシがつき葉が縮れます。梅雨明け後の乾燥期はハダニが葉裏につき、葉が白っぽくかすれます。梅雨時に葉や実に黒い斑点が出て輪郭がにじむのは黒星病で、風通しの悪い木で広がります。どれも大きな木では被害が限られますが、若い木や鉢植えでは葉を失って弱るので、早めに手当てします。

時期被害防ぎ方
4〜5月新芽が縮れる、アブラムシ指でつぶす、水で流す、テントウムシを残す
7〜8月葉裏が白くかすれる、ハダニ二〜三日おきに葉裏へ水をかける
6〜7月葉と実に黒い斑点、黒星病病葉と実を処分、混んだ枝を間引く、殺菌剤
10〜11月落ち葉に病斑落ち葉を集めて処分し、翌年に持ち越さない

実がつかない・落ちるときの切り分け

カリンは一本で実がつくので、花が咲くのに実がつかないときは受粉樹の問題ではありません。開花中の霜や長雨で受粉できなかった、前年にならせすぎて木が疲れている、日照不足、のどれかであることが多いです。六月に小さな実が落ちるのは正常な生理落果で、七月以降に親指大以上の実が落ちるなら水切れか肥料切れ、虫の被害を疑います。

状態見分け方直し方
花が咲かない枝が長いものばかり、日陰剪定を弱め短い枝を残す、日当たり確保
花は咲くが実がつかない開花中に霜や長雨があった遅霜の夜は不織布、年による差と割り切る
六月に小さな実が落ちる米粒から小指大の実正常、対処不要
七月以降に大きな実が落ちる土が乾いている、実に穴水やり、袋かけ、傷んだ実の処分
一年おきにしか実がつかない花の多い年と少ない年が交互花の多い年に摘果を強める

カリンの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカリンの育て方にまとめています。

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