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カリンの苗選びと植え付け

カリンの苗選びと植え付け|一本で実がつく庭木を日なたに根付かせる

カリンの栽培イメージ

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カリンは一本で実がつき、寒さにも強い育てやすい果樹です。庭木として大きくなる前提で場所を選び、接ぎ木苗を植え付ける手順を解説します。

庭木として大きくなる前提で場所を選ぶ

カリンは放っておくと高さ五〜八メートルになる落葉高木です。一本で実がつき、受粉樹はいりません。日当たりと水はけのよい場所を好み、日陰では花が咲きません。将来の大きさを考えて、建物や隣家の境界から二メートル以上離し、剪定で三メートル前後に抑える前提で場所を決めます。鉢植えでも育ちますが、実をならせるなら十二号鉢以上が必要です。

場所向き不向き理由
庭の南側、一日中日なた最適花つきがよく、実の色づきと香りがよい
午前中だけ日が当たる向く花は減るが実はつく
建物の北側の日陰不向き花が咲かず、枝が間延びする
境界から一メートル以内不向き枝が越境し、根が塀を持ち上げる
ベランダの鉢植え向くが条件つき十二号鉢以上で三年に一度根を切る

カリンの実は三百グラムを超えることがあり、落ちると危険です。通路や駐車場の真上に枝が伸びない場所を選びます。

苗の見方

苗は秋から早春に、接ぎ木の一〜二年生が出回ります。実生(種から育てた苗)は実がつくまで八〜十年かかるので、実を早く採りたいなら接ぎ木苗を選びます。幹が鉛筆より太く、接ぎ木部分がしっかりくっついていて、根が白く細かく多いものが理想です。品種はあまり分化しておらず、実の大きさや形で選ぶ程度で構いません。

接ぎ木部分を確かめる
幹の根元近くにこぶ状の接ぎ目があります。接ぎ目がなめらかにつながり、テープがはがれて内部が見えていないものを選びます。
幹の太さと芽の張りを見る
幹は鉛筆より太く、芽がふっくらとして張りのあるものを選びます。芽がしなびていたり、幹にしわが寄ったりしている苗は乾いています。
根の色を見る
根鉢を抜ける苗なら根を見ます。白から薄茶色の細かい根が多いものがよく、黒くて太い根ばかりで細根が少ないものは活着が遅れます。

地植えの手順

植え付けは落葉後の十一月下旬から三月上旬で、関東なら寒さがゆるむ二月下旬から三月上旬がもっとも根付きやすい時期です。植え穴は直径と深さを五十〜六十センチ掘り、腐葉土堆肥をたっぷり混ぜて水はけをよくします。カリンは根がまっすぐ深く伸びるので、深く耕しておくと生育が早まります。植え付け後は幹を五十〜六十センチの高さで切り戻し、根に見合った枝の量にします。

深く耕して土を作る
直径と深さ五十〜六十センチの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土をバケツ二杯、堆肥をバケツ一杯、元肥(植え付け前に土へ混ぜておく肥料)として緩効性の化成肥料を一握り混ぜます。
接ぎ木部分を土の上に出す
根を放射状に広げて据え、接ぎ木部分が地面より上に出る高さで土を戻します。深植えすると台木から芽が出て品種の枝が弱ります。
幹を切り戻す
植え付け直後に幹を地上五十〜六十センチで切ります。切らないと根が枝を養えず、活着が遅れます。
支柱を立てて水を注ぐ
幹に沿って支柱を立てて二か所で結び、バケツ二杯の水をゆっくり注ぎます。植え付け後一か月は雨がなければ週一回水を与えます。

鉢植えの手順

鉢植えは十号鉢から始め、二〜三年ごとに一回り大きくして最終的に十二〜十五号鉢にします。用土は赤玉土六に腐葉土三、軽石一の水はけのよい配合が目安です。カリンは根が深く伸びたがるので、浅い鉢より深鉢を選びます。鉢植えは樹高を一・五〜二メートルに抑え、毎年冬に枝を切り戻します。実は一株に三〜五個が目安で、それ以上ならせると翌年に花がつかなくなります。

鉢の大きさ株の目安管理
十号鉢接ぎ木苗の一〜二年目幹を六十センチで切り戻し、枝を作る
十二号鉢三〜四年目、高さ一・五メートル実をならせ始める、年三〜五個
十五号鉢五年目以降三年に一度、根を三分の一切って植え直す

鉢底から根が出ていたら根詰まりです。放っておくと花が咲いても実が落ちるので、二月に鉢から抜いて古い根を切ります。

根付かないときの原因と立て直し

植え付け後に芽が動かない、芽が出た後にしおれる、夏に葉が黄色くなって落ちる、といった不調は、根の乾き、深植え、水はけの悪さが主な原因です。株元の土を指で三センチ掘って乾き具合を見て、乾いていれば水を与え、湿っているのにしおれるなら過湿を疑います。カリンは丈夫な木で、幹が緑色で弾力があれば翌年に芽を出すことも多いです。

症状考えられる原因手当て
春に芽が動かない根の乾燥、幹の乾き株元に水を注ぎ、敷きわらで覆う、幹に霧吹き
芽が出た後にしおれる根が水を吸えていない、活着前の乾燥毎週一回たっぷり水やり、枝をさらに減らす
葉が黄色くなって落ちる深植え、水はけの悪さ株元の土を取り除き接ぎ木部を出す、周りに溝を掘る
台木から芽が出る深植え、品種側の弱り台木の芽を根元から欠き、品種の枝を残す

接ぎ木苗でも実がつくのは植え付けから三〜四年目が目安です。二年たっても花が咲かないのは普通なので、植え替えたり抜いたりしないでください。

カリンの植え付けに使うもの

木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。

数量は苗木 1 本を単位にしています。

  • 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
    規格の目安
    バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
    数量の目安
    植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。

    穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。

  • 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
    規格の目安
    直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。

    根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。

  • 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
    規格の目安
    幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。

    幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。

  • 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
    規格の目安
    粒状で長く効くタイプ。
    数量の目安
    植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。

    植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
  • 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。

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