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カリンの月別の作業

カリンの月別の作業|冬の剪定と六月の摘果、晩秋の収穫までの暦

カリンの栽培イメージ

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カリンは手のかからない果樹ですが、剪定・摘果・収穫の時期を外すと実が小さくなります。関東平野部を基準に、一年の作業を月ごとにまとめました。

一年の流れを表で見る

カリンの一年は、冬の剪定寒肥、四月の開花、六月の摘果追肥、夏の徒長枝の整理、十月から十一月の収穫という流れです。作業が集中するのは二月と六月と十一月で、それ以外は月に一度見回る程度で育ちます。表は関東平野部の露地を基準にしており、寒冷地は春の作業を二〜三週間遅らせ、暖地は二週間ほど早めます。

作業目安
1月剪定落葉した枝の姿を見て高さを詰め、長い枝を切り戻す
2月剪定の仕上げ、寒肥、植え付け堆肥と油かすを枝先の真下に埋める、苗の植え付け適期
3月植え付け、芽の確認芽がふくらむ、剪定は三月上旬まで
4月開花、遅霜対策淡い桃色の花が咲く、霜の予報が出た夜は不織布
5月ひこばえの整理、虫の見回り株元の芽を切る、新芽のアブラムシを見る
6月摘果、追肥、徒長枝の整理葉三十〜四十枚に一個、化成肥料を一〜二握り
7月水やり、袋かけ雨が二週間なければ株元へ、虫が多ければ袋
8月水やり、徒長枝の整理実が急に肥大する、真上の枝を横に引く
9月実の観察実が黄色みを帯び始める、九月以降は切らない
10月収穫開始、お礼肥黄色く色づいて香りが出たら収穫、化成肥料を一握り
11月収穫、落ち葉の掃除残りの実を採り、落ち葉を集めて処分
12月剪定開始落葉が終わったら剪定に入る

冬から春の作業

十二月から二月は剪定と寒肥の季節です。落葉して枝の姿が見えるうちに、木の高さを決めて幹を止め、徒長枝と内向きの枝を根元から切り、長い枝を三分の一に切り戻します。短い枝は花芽なので残します。寒肥は二月に枝先の真下へ溝を掘り、堆肥と油かすを埋めます。植え付けと鉢の植え替えもこの時期です。三月上旬に芽がふくらんだら剪定は終わりにします。

剪定は落葉を待ってから
葉が残っていると花芽の位置が見えないので、完全に落葉する十二月中旬以降に始め、二月末までに終えます。
寒肥は枝先の真下に
根の先端は枝の広がりの外側にあります。枝先の真下に深さ二十センチの溝を掘り、堆肥と油かすを埋めて土を戻します。
芽の動きで作業を切り替える
芽の先が緑色にふくらんできたら、剪定と植え替えは終わりです。以降は開花と遅霜の見守りに移ります。

春から初夏の作業

四月に淡い桃色の花が咲きます。カリンの花は美しく、花木としても楽しめます。開花中に霜が降りると実がつかないので、遅霜の予報が出た夜は不織布をかけます。五月は株元のひこばえを切り、新芽のアブラムシを見回ります。六月上旬に小さな実が自然に落ちた後、葉三十〜四十枚に一個の目安で摘果し、追肥(育ちの途中で足す肥料)をまきます。真上に伸びる徒長枝もこの時期に横へ引くか切ります。

時期木の姿やること
4月上旬〜中旬淡い桃色の花が短い枝の先に咲く遅霜の夜は不織布、殺虫剤はまかない
4月下旬花が終わり小さな実がつく見守る
5月新芽が伸び、株元からひこばえひこばえを根元から切る、アブラムシを確かめる
6月上旬小さな実の一部が自然に落ちる落果が終わるまで待つ
6月中旬〜下旬残った実が親指大摘果、追肥、徒長枝の整理

夏の作業

七月から八月は実が急に大きくなる時期です。地植えの成木は雨だけで育ちますが、二週間雨がなく朝から葉がしおれていたら株元へバケツ二杯の水を注ぎます。鉢植えは毎朝与えます。虫の食害が多い庭では、七月に果実袋をかけると被害が減ります。八月にもう一度徒長枝を見て、真上に伸びた枝を横に引くか根元で切ります。九月以降は木を切らず、実の色づきを待ちます。

朝の葉の張りを見る
朝の涼しい時間に葉がしおれていれば水が足りません。昼のしおれは暑さで起こるので、判断は朝にします。
袋かけは七月上旬
実が鶏卵大になった七月上旬に、果実袋をかけて口をしぼります。カメムシや蛾の幼虫の被害を減らせます。
八月の徒長枝処理で終わり
八月上旬に真上へ伸びた枝を横に引くか切ります。九月以降に切ると冬までに傷が治らず、花芽も減ります。

秋の作業

十月に入ると実が黄色く色づき、甘い香りが漂い始めます。黄色くなって香りが出たら収穫の目安で、霜が降りる前の十一月中旬までに採り終えます。収穫後に化成肥料を一握りまいてお礼肥とし、翌年の花芽を充実させます。十一月の落ち葉は集めて処分し、株元に残しません。落ち葉に病気の胞子や虫の卵が残ると翌年に持ち越します。

実の状態作業
9月下旬緑から黄緑へ色の変化を記録し始める
10月中旬黄色く色づき香りが出る色づいた実から順に収穫、お礼肥
11月上旬全体が黄色、一部が自然に落ちる残りをすべて収穫、霜の前に終える
11月下旬落葉落ち葉を集めて処分、来年の剪定計画

作業が遅れたときの戻し方

剪定を三月まで持ち越したときは、芽が動いていても徒長枝と枯れ枝を根元から切るだけにとどめ、切り戻しは翌冬に回します。摘果を忘れて実が多すぎた年は、実が小さくなり翌年の花が減るので、翌年は肥料を少し増やして木を休ませます。収穫が遅れて霜に当たった実は、果肉が変色して香りが落ちますが、傷んだ部分を除けば果実酒には使えます。一年の遅れで木が枯れることはなく、翌年に立て直す前提で構いません。

剪定が遅れたら根元切りだけ
芽が動いた後は徒長枝と枯れ枝を根元から切ることだけ行い、枝先の切り戻しは翌冬に回します。
摘果を忘れたら翌年に備える
実が多かった翌年は花が少なくなります。二月の寒肥を少し増やし、その年は木を育てる年と割り切ります。
霜に当たった実は早めに加工
果肉が茶色くなった部分を切り除き、残りを果実酒やはちみつ漬けにします。日持ちしないので数日以内に処理します。

カリンの栽培に一年を通して使うもの

木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。

数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。

  • 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
    規格の目安
    刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。

    アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。

  • 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
    規格の目安
    刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。

    直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。

  • 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
    規格の目安
    油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
    数量の目安
    成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。

    冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。

    出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」

  • 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
    規格の目安
    目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
    数量の目安
    高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。

    色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
  • チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。

カリンの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカリンの育て方にまとめています。

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